見出し画像

プログラミング漬けだった学生が、SREを経て至った新境地。全国をさすらう乗り鉄エンジニアのワークスタイル

こんにちは。Finatextホールディングス 広報担当、ミヤカワです。

Finatextグループのメンバーを紹介していく社員インタビュー。今回は、証券事業でサーバーサイドやインフラ周りを手掛ける松本圭威さんにお話をうかがいました!定期的にワーケーションを実施しているというその働き方にも、ぜひご注目ください。

松本 圭威(まつもと けい) - 株式会社Finatext エンジニア
信州大学工学部情報工学科卒業。大学入学後にプログラミングにはまり、ISUCONにも参加。ISUCON6では学生枠で1位に輝く。2018年に大手人材サービス企業に新卒で入社し、SREチームで経験を積む。2021年6月にFinatextに入社し、主にサーバーサイド、インフラ、SREを担当。趣味は「乗り鉄」。ワーケーションも活用しながら、数ヶ月おきに日本各地に足を運んでいる。

プログラミング漬けだった学生が飛び込んだ、インフラの世界

– よろしくお願いします!松本さんは、学生時代にISUCON(Webサービスの高速化を競うチューニングバトル)で入賞されていますが、いつ頃からプログラミングをされていたんですか?

大学に入ってからですね。実は中学のときにRubyを触ろうとしたことはあるんですが、かなり初歩的なところで挫折しています(笑)。そのことも忘れてしまったくらい、しばらくは触れませんでした。その後、大学で情報系に進むことになって、入学後に先輩から「ISUCON」のことを教わり、チームで出るようになったんです。そこからプログラミングにどんどんのめりこんでいき、当時は学生で時間もあったので、かなりの時間をプログラミングに注いで練習しました。その甲斐もあって、大学4年次に参加した「ISUCON6(2016年開催)」で、学生枠で1位を獲れたんです。

– 過去に一度挫折していたというのは意外ですね。そんな松本さんが、一社目に大手人材サービス企業を選んだのはどうしてだったんでしょう。

ISUCONにはまった影響で、当時データベースに興味を持っていました。大量のデータを捌いてみたいという思いから、事業会社で大規模なサービスを持ち、データベースに触れられそうなところを探していたんです。また、自分自身の課題として、インフラ面のスキルが弱いなという自覚があり、一社目はそこを鍛えようとも思っていました。そこは、急成長しているサービスを持ち、テクノロジーにもかなり力を入れていた会社。実際に面接でも技術の話で盛り上がり、チャレンジできそうな風土を感じて、入社を決めました。

– なるほど。実際にインフラ系のスキルは鍛えられましたか?

はい、だいぶ鍛えられましたね。SREのチームに入ることができ、当時はTerraformとかも全然知らない状態で入社したのですが、書き方を一からレクチャーしてもらいました。他にも、AWSの機能を調べて書いたり、サポートケースを投げたりしながら、インフラの基礎から力を付けられたと思っています。

画像1

SREを経験したからこその選択――Go × 金融の世界へ

– Finatextに入社したのが2021年。前職には3年弱在籍していたかと思いますが、転職のきっかけは何だったんでしょうか。

SREをやっていて「ソフトウェア開発を経験していないとSREとしての凄みが出ない」ということを感じていました。開発を経験しておらず、ソフトウェアのライフサイクルも知らない人間がSRE観点で発言しても重みがないというか。元々学生時代に個人開発はしていましたが、個人開発って自分で好き勝手にできてしまうので、事業フェーズや予算、期限などの制約の下で開発を進める、いわゆる実務の経験とは似て非なるもの。いずれは開発の経験を積みたいな、と思っていたところに、Finatextからスカウトメールをもらったんです。Goを使って金融サービスをやっていて、サーバーサイドをやらせてもらえると。試しに話を聞いてみたら、そのままトントン拍子に決まっていったという感じですね。

– まさに渡りに船ですね。他の会社も見ていたと思うのですが、Finatextにした決め手を聞きたいです。

当時スカウトサービスに登録していて、色々な会社からスカウトをもらっていました。私は、会社を選ぶ際、面接や面談で会った人全員と楽しく話をできたかどうかを大事にしています。一人でも「この人とは楽しく話せなかったな」という印象を抱いた場合、もっと合わない人も多いのではと考えてしまうので。Finatextの選考では、エンジニアとはもちろんのこと、代表の林さんやCFOの伊藤さんなど、経営層の方々ともすごく話が弾みました。あまりビジネスに興味がなかった私でも、ビジネスの話が面白く感じたのを覚えています。

あとは、新しいことを知るのが好きな性質なので、全く知見のなかった金融という分野に興味を持ったというのもありますね。しかも、レガシーなイメージのある金融分野にもかかわらず、GoやAWS、Terraformなど、技術スタックが私の好みど真ん中でした。金融だけど、金融じゃないというか。自分の好きな技術であれば、ある意味言い訳はできないので、仮にうまくいかなかったとしても、まっすぐに失敗を受け止めて成長できるかなと。

画像2

サーバーサイドも、SREも。両輪を経験して身についたバランス感覚

– 入社して1年とちょっと経ちましたが、いま担当されている業務内容を改めてお伺いしてもよいでしょうか。

サーバーサイドエンジニアとして、サービス開発に携わっています。インフラ構成から、APIやバッチの設計、実装、テストに至るまで、開発を一貫してやっていきながら、日々開発環境の改善、運用改善にも関わっています。入社してすぐに、既存サービスのインフラを少しやった後、完全新規のプロダクトのサーバーサイドとインフラを一から見る立場になって現在も継続中という感じです。

– サーバーサイド開発だけでなく、インフラやSREにも関わっているんですね。

そうなんですよ。サーバーサイドのみのはずが、気付けばインフラもやる人になっちゃっています(笑)。そもそも当社は、インフラもSREも、エンジニア全員が身につけておくべきプラクティスであり考え方である、という認識のもとでチームが構成されています*。チームごとにインフラを見ている人がいて、プラットフォームチームがAWS周りやセキュリティなどを見ていて、あとは開発側で見られる人がSRE的な動きを取っているという状況です。

* エンジニア組織の考え方については、CTO/CISO田島のインタビューもご覧ください。

– 開発とSRE両方に関われているというのは、松本さん的にはどうですか?両方の業務に活かせて、幅が広がるとか。

まさにそうですね。やりたかったことができていますし、改善したいと思ったらいくらでも改善できます。実際、構成はかなりシンプルに作られているので、開発する上でのストレスもありません。今の働き方の満足度はかなり高いですね。

学生時代からISUCONには継続的に参加しているんですけど、プログラミング漬けだった学生時代から社会人になって手を動かさなくなり、前職のときは明らかに書くスピードが落ちていました。Finatextに来てからはずっとコード書いているので、手の動き方が全然違うのを実感しています。

– そうなんですね。それは学生時代の感覚が戻ってきているという感じですか?むしろ当時を超えるレベルに……?

だいぶ戻ってきている感覚はありますが、超えることはないんじゃないかなと思います。というのも、学生時代は色々と無鉄砲にできていたところがあって、サーバーが落ちることも気にせず、スピードを追求していました。今はもうさすがにそんなクリティカルなことはできませんし、ましてSREをやっていた身ですので(笑)。でも、学生のときとは違った形で、ちゃんと安定性を重視しながらもスピードを出せるようになってきたと思います。

– なるほど。スピード以外の視点も加わった上での成長ということですね。ちなみに、ISUCONなどでの経験が実務に活かされている点はありますか?

ISUCONや競プロをやっていると計算量を自然と意識するようになるので、自分で書くときはもちろん、他の人のコードレビューをする際も自然とその視点で見られているのは強みだと思います。

ただ、全部が全部その視点で、とにかくプログラム全体の計算量を少なくしたいというわけではなく、SREを経験してからはその視点も少し変化しています。「あまり使われていないコードが遅い分にはいいけど、使われているコードが遅いならちゃんと見ないとダメだよね」というSREの観点が混ざり、優先度を決めて計算量を意識するようになりました。現実問題として可用性を100%にするのは無理なので、自分たちの予算内でどこまで効率良く可用性を上げられるかを考えたときに、全体を見て最もやるべきところを直していこうという考えですね。

画像3

完璧を求めない、スピーディーでフラットな組織

– 続いて、組織のカルチャーについて聞いてみたいのですが、松本さん的にFinatextの好きなところを教えてください。

まず「スピード感」ですね。たとえば、大きなバグがあったり、言語のアップデートがあったりしても、すぐに対応しない会社って結構あると思うんですけど、Finatextではそうしたことがあまりありません。サービスにもよりますが、対応しなきゃいけない課題があっという間に片付いていくんです。有給を一日取っただけで「あれ、なんかすごい速さで色々進んでいる……」なんてこともあるぐらい(笑)。私が見ているサービスの話ですが、Goのver1.18が出たとき、そのアップデート対応のリリースは確か翌週だったと思います。むしろ、MacのHomebrewになかなか入らなくて、「上げていいんだろうか?」と、そっちを待っていたような感じでした。

– それだけのスピードを担保できるのはなぜだと思いますか?

あえて語弊を恐れずに言うと、「100%を目指していない」からだと思っています。もちろん、ちゃんとテストはしますし、事前の動作確認も行います。ですが、すべての箇所を入念に見ているかと言えば、良くも悪くもそこまではやっていません。

モダンな状態でないとどんどん乗り遅れていきますし、後から追いつくほうが大変なのは目に見えています。何かあったときに戻せる体制は常に取っておきつつ、完璧さよりもスピードを重視するような風土ですね。自分が拾えていないバグは、きっとどこかにあります。それを完璧に排除してリリースするためには、膨大なテストをしなければいけないし、時間もかかる。それよりも、やってみてダメだったら戻せばいいくらいのスタンスのほうが、個人的には肌に合っていて好きですね。

あと、スピードという意味では、組織としての意思決定の早さもあると思います。そもそもスピーディーに物事が決まっていくんですが、仮に誰かのところでボールが留まっていたとしても、リマインドすればいいだけ。Slackもかなりオープンで、コミュニケーションは取りやすいと思います。

– Slackでのコミュニケーションはどんな感じなのでしょうか。

各人のtimes(個人チャンネル)にCEOの林さんや取締役クラスの方が入ってきてやり取りすることはよくありますしCEOやCTOが自身のtimesでつぶやいている内容を見ていたら、少しして会社に動きがあって、「あのとき書いていたのって、こういうことだったのか」と納得するみたいな場面もあります。会社の仕組みや制度について思うところがあったら、こちらから経営陣に直談判しちゃうことも。少し前にも、timesでの会話から議論につながり、実際に制度の見直しになったことがありました。とにかく上下の壁がなく、良い意味ですごくゆるい会社だと思います。

画像4

北は北海道、南は鹿児島。気の向くままにワーケーション

– 最後に、松本さんならではの働き方についても聞きたいです。何でもワーケーションを定期的にされているとか。

はい、しております。と言っても、そこまで面白い話でもないとは思いますが(笑)。最近だと、今年(2022年)の6月に名古屋に1週間ほど滞在していました。日中はホテルで仕事して、夜にご飯を食べたり観光したり。その前だと、2022年の1月に北海道の千歳に1週間、その少し前の9月(2021年)に鹿児島に3日間ほどいたと思います。その土地の空気や雰囲気が好きで、色々な場所に移動するのが好きなんですよね。

– いや、とても興味深いです(笑)。日本全国、飛び回っていますね。行くタイミングや場所はどのように決めているのですか?

タイミングは特に決まっていなくて、行きたいと思ったときに行っています。休暇ではなく現地で普通に働くので、長期休みにかぶせる必要はなく、むしろ旅費が安くなる時期を狙うことが多いかもしれません。

私は趣味が乗り鉄(JR専門)なので、乗りつぶし目的で行くこともあります。鹿児島のときは「志布志線」というのが宮崎にあって、そこに乗るのも兼ねて行きましたね。乗りたい車両や線路があることもありますし、他にもたまたま安い切符が出ているとか、Twitterで流れてきた美味しそうな店に惹かれたとか、きっかけは本当にバラバラです。

– ワーケーションをする上で、何か意識されていることってあるんでしょうか。

うーん、そうですね。ワーケーションしている感はあまり出さないようにしています。仕事は仕事としてしっかりやっていますし、ワーケーションしているからといって、周りに特別扱いしてもらうのは違うと思うので。自分のtimesにご当地の食事の写真載せたり「いま雪降ってます」みたいなことをつぶやいたりはしますけど、私のtimesを見ていない人はほぼ気付いていないのではないでしょうか。

– まさにワーケーションの理想的な在り方ですね。ちなみに、初めはどのように始められたんですか?入社前からそういう話をしていたとか?

いや、全然していないです(笑)。働き始めて、仕事にも慣れてきたときに「そういう働き方ができるかも」と思ったというか。家で働いてよいのであれば、ホテルでもよいのかなと。確か、その確認くらいはしたような気がしますが、正式に会社に申請を出して…みたいなことはしていないです。今思うと、ちゃんと許可を取っていないような気がしてきました。でも、林さんから何か言われたことはないですし、大丈夫だと思っています(笑)。

***

▼松本さんのMeety(カジュアル面談)

▼証券事業で募集中のポジション


▼証券事業エンジニアの採用情報


▼ほかのエンジニアのインタビューはこちらから!

※「ISUCON」は、LINE株式会社の商標または登録商標です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?