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【アイディア#9】6才娘が家計簿のお仕事を通して学んだこと(前編)

 ご家庭で試していただきたい、ちょっとしたフィナンシェなアイディアをご紹介します。今回のテーマは「お小遣いは自分で稼ぐ」です。

 皆さんはお子さんにお小遣いをどうやってあげていますか? 我が家の長女は現在6歳の年長さん。「あれが欲しい」「これを買って」と言い、買ってもらえないと分かると癇癪を起こすこともしばしば。そこで、「お金は無限にあるものではなく、夫や私が仕事をしてるから使えるんだ」と理解してもらいたい、という思いから家の中で長女にお仕事をしてもらい、その分の対価としてのお金をあげることにしました。

■ お金が大好きな6歳です

詳しいお仕事内容の前に、娘の簡単なご紹介をします。
・長女6歳、来年から小学生。妹は年少
・ひらがな、カタカナは大体読み書きできる
・まだお小遣いをもらったことがない
・お年玉はもらうとすぐ使っちゃうタイプ
・早く大人になりたい! と言うが、その理由はお金が欲しいから
・おもちゃは欲しがるが、買っても結局あまり遊ばない
・絵や折り紙は綺麗にできないと気が済まない几帳面で完璧主義な性格

 そんな長女に試してもらうことにしたのは、私が苦手とする『家計簿』です。家計簿は過去に継続できた試しがないのですが、やらなくてもすぐに支障が出るものではない、ということで、まずはチャレンジすることにしました。

思いついた日の保育園からの帰り道…
母:長女ちゃんにお仕事お願いしたいんだけど、やってくれるかな?
娘:えー、やだー。お仕事したくない…
母:でもお仕事したらお金がもらえるんだよ(長女の目の色が変わってくる…)。自分のお金になるんだよ
娘:え? ほんと…?どこか行くの?
母:お家でお仕事やるよ
娘:お家でお仕事できるの!?
お金もらえるの!?
えーーっ、やるやる! やりたい!!
早くやろうよー!!!
(長女の目は✨キラキラ✨✨)

といった感じで、長女はやる気になってくれました。

■ 子どもに家計簿を付けてもらうメリット

 ここで、家計簿から得られるお小遣いを通して子どもに期待する成長ポイントを挙げます。
①金銭感覚
・キャッシュレス化の時代で希薄になりがちな金銭感覚を早期に身に付ける
・お金や商品の価値を考えることで、買うものを吟味できる
②経済学習
・値段の差はどこから来るのか、疑問に思うようになる
・同じ商品でも季節やお店などによって違う値段が付くことを知る
③就業体験
・お金を手に入れるとはどういうことかを体感する
④日々の生活
・様々な商品の値段を知ることで、子ども自身が欲しいと思う物の値段の高さ、安さを考えることができる(結果的に何でも「買って!」と言わなくなることを期待)

 今回の一番の目的は娘に仕事を体験してもらうこと。なので全部のレシートが揃わなくても気にしない、ということにしました。

■ コツコツ続けて貯まったお金は…

 さて、年長の長女には次のような形で家計簿を付けてもらいました。

【記載項目】
月日、商品名、個数、値段、子どものためだけに買ったら入れるチェック、予備の項目

 まず、レシートを親が読み上げ、上記の項目をレポート用紙に記入してもらいます。書き終わったレシートには×印をつけます。記入が終わったら、×印の書かれたレシート1枚に対して10円を代金として「ありがとうございました」と言いながら渡します。写真のような感じで、レポート用紙に書き込んでもらいました。時々「く」が鏡文字になっていたり、コーヒーが「こうひい」だったりするのは、ご愛嬌ということで。

家計簿.001

 今までレシートをきちんと見たことが実はなかったので、娘と取り組んでみてお店によってレシートの形式がまちまちだということが、よく分かりました。消費税が外出しで最終合計として書かれているものと、個別の商品ごとに税込みで書かれているもの、個数が商品名の下に書かれているものや横に書かれているもの。レシートの横幅の問題から、商品名が途中までしか書かれていなかったため、何を買ったのか思い出せなかったものもありました。まだ漢字が読めない長女のために、レシートを読み上げているのですが、私でも読み間違えることが何度かありました。今回はレシートを書くことをファーストステップとしたので、下記のようなルールで取り組みました。

【消費税の書き方】
・各製品の値段が消費税込みで記載された場合:レシートに書かれた製品ごとの値段を書く
・各製品の集計に対し、消費税の合計が別途記載された場合:消費税のことはまだ説明していないため、消費税抜きの値段を書く。合計金額は合わないが、消費税合計は書かない
【個数の書き方】
・レシートに書かれた個数を書く
たとえば6個入りパックの卵も、8個入りパックの卵も1パックのため、個数には「1こ」と書く
本当は中に入った個数や重さなどが違うから値段も違うと説明したいが、レシートにはここまでの記載がないため。

 6歳の長女が稼いだお金はひとまず見えやすいように透明なビンに入れるようにしました。(現在は、素敵な貯金箱に入れています。新しい貯金箱については後日記載します)

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 未記載のレシート類は、お菓子の箱にまとめて保管しています。こちらから気が向いたときにレシートを取り出して、家計簿を書いていくというスタイルです。

 はじめはうまく書けないことが多く、怒ることも多々ありました。レシート破ったり、せっかく書いたページをぐちゃぐちゃにしたり…。でも10円玉を受け取ってからやる気が出てきた様子。開始してから1週間は、毎日のように「レシートちょうだい」「お買い物したらレシートもらってね」と声をかけてきます。

 そして、1ヶ月間続けて貯まった金額はなんと260円! お金が貯まったら、大好きなキャラクターのおもちゃを買う!と意気込んでいたので、目標に到達するには努力を続けることが大事だと理解してほしい…、と思っていました。そんな私の願いは、夫の甘い誘いによって、あっという間に打ち砕かれてしまったのですが。結局、初めての娘のお給料は、200円のキャラクターのガチャガチャおもちゃに充てられてしまいました。とにかく「これが欲しい!」という動機ではなく、「何か買いたい!」という衝動のようでした。

  そんなこともありましたが、またコツコツと家計簿を書いて10円玉を貯め始めています。ズボラな性格の筆者なので、できるだけ長く続けられるようサポートしたいと思っています。そして、夫婦での意識共有もとても大事だなと痛感させられました。

■ 娘が学んだこととは?

 かれこれ家計簿のお仕事を始めてから5ヶ月が経ち、6歳の娘も色々なことに気が付いてきた様子です。娘のためだけに買ったものを月別に集計し、「これだけお金を使ったんだよ」と見せるようにした効果もあるかもしれません。たとえば、
「どうして同じようなグミなのに値段が違うの?」
「パパのビールって高いんだね!」
「ひき肉は全部値段が違うのはなんで?」
「このお菓子は安くて3個買ってもグミと同じくらいの値段だから、3個買っても良いよね?」
「ここのファミレス、全部値段が99円で終わっているの、面白いね」
「これは安いからすぐに壊れちゃうかもしれないね」
・・・このようなことを長女自らが家計簿を書きながら話すようになりました。

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 これらの疑問に対しては、「材料が違うから値段が違うんじゃないかな?」「重さによっても値段が違うよね?」「なんでこんなに安くできるんだろうね?」と言った問いかけをしている段階です。まだまだ深掘りできるような答えができていない状況ですが、学年が上がるに応じて丁寧に説明したいと考えています。
 皆さんのお家では、このようなお金の話をどのようにされていますか?


 そして・・・、順調に続けてきた家計簿のお仕事ですが、始めてから2ヶ月目のある日、なんと想定外のことが起こってしまいました。このお仕事はやはり保育園児には大変すぎたかも…。この続きは下記の後編て。子どもに仕事をしてもらってお小遣いをあげた結果、見えてきた課題や私の感じたメリットと変化も併せてまとめます。この事例は成功とも失敗とも言い切れないのですが、お小遣いのあげ方に悩んだ時の参考に少しでもなれば、と思います。


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(文:Mari Kamei)

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