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江戸時代に学ぶお金 その14:金持父さん、貧乏父さん


巻3④ 高野山借銭塚の施主

万物には時節というのがあって、花が咲き花が散るのもそうだし、人間の生死も同じこと。だから、人の死をそう嘆くには及ばない。

人の慎むべきは好色の道であり、長生きするのは、その人の心がけ次第なのである。

金持には、才覚のほか、幸運が手伝わなくてはなかなかなれないものである。ずいぶん賢い人が貧しいのに、愚かな人が富み栄えている。この貧富の二つは、三面を持った大黒殿の自由にもならない。

昔、大坂の江の子島に、伊豆屋という金持があったが、自然と破産したので、正直に頭をさげて詫事を言い、債権者に全財産を渡すと、借財の六割半に当たった。

「残る三割半はいつか都合がつきしだいに済ましましょう」と、申し分なく処分をして住所を立ち退き、生れ故郷の伊豆大島に言って、親類を頼り、日夜、精出して稼ぎ、もう一度元のようになろうと思いこんだ一念から、しこたま儲けて再び大坂に上り、そのままになっていた破産時の借金の残りをことごとく返済した。

『新版日本永代蔵』(著 井原西鶴、訳 堀切実、KADOKAWA)より



300年たってもお金については何ら変わっていない。

本日の学び
 ・人生には時節がある。ずっと花が咲いているわけではないし、ずっとつぼみのままでいるわけでもない
 ・江戸時代から、「金持父さん、貧乏父さん」の話が既にあった
 ・実直であることは大切



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