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映画『そして僕は途方に暮れる』、初笑い。


2023年初映画。
初笑い。

映画館に足が遠のいていた年末年始。年明けふと目にとまったこの作品。「途方に暮れる」のは100%分かっている、その暮れっぷりを当然見届けたくなるのが人情です。ずっとお家にこもっていた冬休み。外の空気を吸いに久々に劇場に行ってきました。



なんと言っても原田美枝子さんの素晴らしかったこと。2022年の『百花』で彼女が演じた母親と少し被るんですが、突然田舎に戻って来た息子に何も聞かず好きな料理を食べさせてあげる。その姿を見ただけで、なぜか自分の母を想い出したりして泣けてしまいました。なんならここで映画が終わっても全然OKでしたよ。


しかしながら、ここからのまさかの展開には思わず声を出して笑わずにはいられませんでした。青い水を飲み干そうとする彼女に吹き出し、ホント勘弁してくださいと思いながら、笑死寸前でした。さっき流した涙は何だったのか?急に恥ずかしくなり、隣の人に見られないようちょっと自意識過剰になったり。三浦大輔監督やるなぁとか思ったり、色々忙しかったです。

少しタイムリーでセンシティブでレリジャスなイシューなのであまり笑ってはいけないのかなと思いましたが、ごめんなさい。無理でした。

キャストの皆さん素晴らしいですよね。
わたしはジャニーズファンでも藤ヶ谷くんファンでもないですが、裕一くんいいじゃないですか。そして彼が一番ふつう?どこにいてもおかしくない感じ。だから彼に共感し「これはわたしの映画だ」と叫ぶ人が続出してもおかしくない本作。それこそ2022年の共感と反感の傑作『わたしは最悪。』のように。

たしか『わたしは最悪。』のユリヤも周囲をぶっちぎって、孤軍奮闘してましたっけ。そう、ユリヤも最後に「面白くなって来やがったぜ」って言ってたような気もするな。

しかしながら、映画に全く共感出来ない人も多数いてもおかしくない作品でもあります。そうした意味で『そして僕は途方に暮れる』と『わたしは最悪。』は響く人には響く、響かない人には全く響かない、共感と反感の迷走劇なのかも知れません。

自己中心的でちょっと不器用だけれど、どこか素直さがあって、三浦友和風に言えば、人間としての器量がある主人公たち。彼らのほんの少しの人生を垣間見ただけなのに、それに笑い、泣いてしまう。人生に迷走しているわたしはこういうの好きなんだと改めて思いました。


原作は2018年の三浦大輔監督の舞台劇。 
2023年の初映画としで非常にいいスタートです。今年も映画を楽しみます。



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