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フィルム・コミッション直送便(67)【FCは変わり者かも・・・】

前号からの続きです。
JFCが責任をもってご紹介できるFCの具体的な支援の流れについて映画を参考に紹介します。*あくまでも一例です。

撮影支援の相談依頼は、メールや電話で前触れなくやってきます。相談をしてくるのはプロデューサーや製作担当者が多いです。そこから連絡を取り合い、シナハンなのか?ロケハンなのかなどを聞き出して具体的にどんな支援を求めているのか?把握します。
そして状況の確認に企画書の提出を求めます。企画書にはロケ地のイメージやスケジュールなどが書いてあるので、脚本が届くまでは企画書がFCにとって作品を知る素材になります。

ロケハンの場合、1回目は候補地の数を求められることが多いです。たくさんの情報を得るために少しでも“脈”のある場所を見ます。なのでFCは、道すがらの急な要望(例:似たような場所を見たい、夕陽の角度が違う場所を見たい等)にも対応します。
1回目が終わると2回目、3回目は条件から精査され、撮影希望日のスケジュールや許諾関係の把握などを詰めていきます。ロケハンは数回行われるのが一般的で、その間に撮影監督や美術監督などが訪れることもあります。
そして「メインロケハン」です。監督以下、演出部、撮影部、照明部、美術部など各部の責任者が勢ぞろいしロケ候補地を訪れ最終判断します。
メインロケハンまで来れば、撮影の確度は高くFCとして撮影の誘致成功を期待したくなります、コロナウイルスの影響や関係者のスケジュールなど、撮影を取りまく環境は複雑で、うまくいったり、うまくいかなかったり、決定するまで気が抜けません。

地域での撮影が決まっても未だ喜べません。撮影が決まるとクランクインまでFCは多忙を極めます。地域とは事前に協力依頼をしてきましたが、一気に内容を詰める必要があるからです。それもカットやシーンごとなので1回や2回ではなく10回、20回となる場合もあります。しかし、協力者にとっても撮影は有益なことから皆さん、好意的に相談に乗ってくれます。
製作者とも断続的なやりとりは続きます。製作部とは撮影に伴う許諾関係や協力者との連絡調整、美術部からは大道具小道具づくりの資料や情報の提供、演出部からはエキストラの相談など、FCは頼られるままに全ての要望に応えるよう踏ん張ります。

クランクインすると忙しさから解放されて、現場を見守ることになります。撮影中は基本的に静かにしていますが、突発的なハプニングやトラブルが発生すると“その場”で解決しなければならず、現場は途端に“修羅場”と化します(笑)。
そんな撮影現場を経て、劇場などでの公開を心待ちにし、エンドロールに自分たちのFCの名前を見ては泣く(筆者です・・・。)のですから、変わっているかもしれません。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/

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