フィルム・コミッション直送便(69)【日本映画批評家大賞プレゼンター】
5月31日に【第30回日本映画批評家大賞授章式】が新宿文化センターで行われました。
日本映画批評家大賞は、「日本でも各種の賞がありますが、純粋に映画評論家だけが集まって催す賞はありませんでした。この日本映画批評家大賞は、映画界を励ます目的のもと、 現役の映画批評家が集まって実行するもので、1991年 水野晴郎 が発起人となり、淀川長治、小森和子等、当時第一線で活躍していた現役の映画批評家たちの提唱により誕生した。
現代文化の一翼を担う映画を更に充実、そして向上させたい。そんな願いで純粋に映画を見続け長い映画の歴史を知り尽くした批評家たちが、限りない愛情を注いで選ぶ賞です。」と、ウェブサイトに書かれている通り、【歴史を知り尽くした批評家たちが、限りない愛情を注いで選ぶ賞】です。
そのような場にJFCがいるのは、昨年の第29回にて「特別賞(松永賞)」を受賞し、第30回の特別賞受賞へのプレゼンターとして列席しました。本当なら昨年、壇上に立ちトロフィーを持ちながら受賞の喜びを語っていたはずと思うと少し残念ですが、第30回という節目に居合すことができたのは光栄でした。
今回、私は受賞される新文芸坐さんへ花束を渡し、昨年度の受賞のお礼をのべる、そして新文芸坐さんへエールを送る役目でした。控え室で待っていると「JFCさん!」と呼ばれ、本番中のステージの裏を通り舞台の袖に到着しました。客席からは見えない舞台裏、袖は何とも言えない緊張感が漂い、私は用意された椅子に座り、挨拶をしてくださる行き交う方がどなたかも分からず待機していました。
主演男優賞の中村梅雀さんと津田寛治さんが受賞(お二人とも「山中静夫氏の尊厳死」で受賞)の喜びを語っているのを聞いていると、舞台袖に立つ後ろ姿の女性が目に留まりました。(プレゼンターかな?)と思ったのですが、ステージの照明で女性の白い衣装が反射し輝き“ただものではない”雰囲気でした。するとスタッフが「のんさん、よろしくお願いします。」と声をかけて、初めてその女性が「のんさん(「私をくいとめて」で受賞)」とわかりました。しばらく見入ってしまうほどの輝きでした。
私は、のんさんの次が出番でしたので袖で待機していると、台本を持ったスタッフから「スミマセン、押しているのでコメント無しの贈呈のみでお願いします!」と非情な宣告。コメントとエールを考えたのに出番無しでした(涙)。なので舞台袖で読み返した昨年度のJFCの受賞理由を反芻してモチベーションを保ちました。以下に記します。
「特別賞としてジャパンFCに表彰できたのは映画人にとって本当に嬉しいものだった。映画の舞台を作る上でなくてはならない存在。屋台骨として長く映画界を支えてくださっていた。」
ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/
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