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フィルム・コミッション直送便(65)【前編:FCとは何か?】

今年のゴールデンウィークも昨年と同様に“巣篭もり”の方が多いと思います。私も“巣篭もり”です。予定も特にないので普段通りに起きて仕事をしたり、ネットで映画を見たり、オンラインセミナーを聞いたりしています。先日は映画映像関係者が集まるclubhouseがあったので参加してみました。

自己紹介の時です。「フィルム・コミッション」と名乗った時に発言者側にいた6-7名のうち、反応があったのは映画監督1名のみ。その後沈黙があり「フィルム・コミッションって何ですか?」と質問が出ました。FCについて紹介しても「???」という雰囲気がネット越しに伝わり(活動歴20年でも知名度は低い・・・)と痛感しました。
そこで、今号から3回にわたり、改めてフィルム・コミッションとは何か?どんな仕事内容なのか?そして、どんな価値を創出しているのか?ゴールデンウィークというタイミングに(へっ〜)と思っていただければ幸いです。

フィルム・コミッションを一言で表せば【映画・映像作品の撮影を地域へ誘致・支援する非営利機関】です。日本各地にあり、その数は300団体を超えています。その多くは県庁や市役所、町役場、観光協会、商工会議所、コンベンション協会、NPOが設立しています。
発祥は1940年代のアメリカで、今では世界30カ国以上で活躍しています。300を超える日本のFCは、基本的に自分たちの地域への撮影誘致および支援が目的なので、「日本で撮影をしたい海外作品」や「単独FCでは効果や成果が限定的なこと」などへの対応策に“日本”を掲げたナショナル・フィルムコミッションが必要となり、全国各地のFCが加盟して作られた全国ネットワーク組織が【ジャパン・フィルムコミッション(JFC)】です。海外の映画祭やマーケットでの撮影相談はジャパン・フィルムコミッションが窓口になります。

日本各地のフィルム・コミッションが行なっている業務例は以下の通りです。
*映画、映像作品の撮影相談対応
*シナハン、ロケハンの随行および情報提供
*撮影協力者、関係者との連絡調整、許諾申請
*撮影現場での現場管理
*国内外の映画祭やマーケットへ参加し撮影の誘致(一部にのFC)
*撮影への補助金など(一部のFC)
*エキストラなど協力者の紹介(一部のFC)
*支援作品の公開時支援、協力(一部のFC)
*撮影経験や実績を生かした地域づくり(一部のFC)
など

そして、ジャパン・フィルムコミッションの主な業務は以下の通りです。
*海外作品の撮影相談窓口
*海外映画祭、マーケットへの参加
*関係省庁との情報共有
*映画、映像団体との連携
*加盟会員との情報共有
*全国各地の撮影状況の把握
*撮影支援業務の質向上などを目的にした研修
*撮影の確度を高める制作関係者とのマッチング
「全国ロケーションデータベース(全国各地のロケ候補地情報)」の運営管理
など

多種多様で幅広い業務内容です。そしてFCの最も大きな特徴は【撮影相談や情報提供は無料】という点です。なぜ、無償対応できる理由は「主に行政系(非営利系)」が運営しているからです。
これらについては次号で紹介します。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/

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