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フィルム・コミッション直送便(71)【新しい視点】

ワクチン接種も始まり、コロナウイルスへの対策も徐々に浸透し始め、街へ人が戻っている感じがします(ですが、油断は禁物です。くれぐれもお互いに気をつけましょう)。
旅で出たいと思いつつも、いきなり遠い外国というのも気が引けるので、もっぱらウェブを見ながら“旅気分”を味わっています。そんな中で【Osaka Metro NiNE】というサイトを大阪FCが紹介していたので、見てみると2020年12月に公開されたアニメ映画「ジョゼと虎と魚たち」の聖地巡礼の様子が掲載されていたので、見入ってしまいました。以前、この直送便でも取り上げた「ジョゼと虎と魚たち」ですが、記事では劇中に出てくる描かれたロケ地と実際のロケ地の写真を見比べて現実との既視感から不思議な感覚になりました。

世界観を自由に描けるアニメーションでわざわざ、現実世界を描く理由は何なのか?私は「作品と現実の“狭間”という魅力」と言うパラレルワールド(平行世界)と思います。現実世界の中でフィクションの物語に登場する人物とすれ違うかもしれない期待感が魅力と思います。登場人物が食べたメニューなどは実際に存在するので後追いができるから不思議です。

協力者を得やすいのもあります。劇中で固有名詞が出ることはPRにつながります。外観だけでなく実在する商品まで登場すれば、我々は“作品に登場したモノを現実に手にする”ことができます。単なるPRだけでなく実利にも結びつく可能性があるのも特徴です。

ただ、このような固有名詞や実店舗が登場する場合は予め許諾を取る必要があり、アニメだからと言って勝手に描くことはできません。「急に来客が多くなったと思ったら作品に登場してた・・・。」と、店の関係者が公開後に知って困惑したという事例もあります。

現実世界が登場するアニメ作品ですが、これまで黙認されてきた事柄への対応が求められ、一つずつ改善されることで描く側も描かれる側も有益になると思います。
「最近は現実を描く反動なのか、異世界系の作品も増えているんですよ。」と関係者が教えてくれました。洞窟、魔界、幻想世界などですが「でも、描く際に資料がゼロでは描けないので現実世界で洞窟や魔界、幻想世界に通じそうな場所は現実にありますよね?」と違う関係者。意見を交わしているとアニメ作品にも活用できる「異世界系ロケ候補地探し」が誕生しそうな勢いでした。
たしかに、地域には怪しく、異世界に通じそうな場所、異世界のような場所がありますからね・・・。自主的にロケハンをしているFCにとって新しい視点になります。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/

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