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フィルム・コミッション直送便(68)【話題溢れた一週間】

きっと2021年で今週ほど映画の話題に溢れた一週間はなかったのではないでしょうか。本来なら掲載予定の記事がありましたが、(んっ!?こんな一週間は、この先ないかも!)と思い急きょ、原稿を差し替えました。星野源さんと新垣結衣さんの結婚は先週でしたね(笑)

【鬼滅の刃】が5月23日付で興行収入400億1694万2050円、動員数2896万6806人と、日本映画史上初となる偉業を成し遂げました。昨年10月から公開が始まり7ヶ月間をかけての達成、コロナ禍で劇場が閉館を余儀なくされる中で、この記録は偉業です。ちなみに歴代2位は「千と千尋の神隠し」の316.8億円です。来月にはDVDも発売されるということで、明るい話題が少なかった日本映画界の頂点に炭治郎が立ちました。

【アマゾンによるMGM買収】は、コロナウイルスの影響で突然、ビジネスモデルが崩壊し、勢力が一変した業界の再編成は“おわり”ではなく“はじまり”と個人的に見ています。この業界はこれまでディズニーとフォックス、バイアコムとシービーエス、エーティーアンドティーとタイムワーナーなど、勢力争いの歴史がありました。
現在はオリジナルコンテンツに注力するネットフリックスがミラーワールドを買収したり、そんなネットフリックスをアップルが買収するかも!?噂が出たり、そんな話題を横目にソニーがクランチロールを買収してアニメ作品の強化を狙ったり。この“弱肉強食”の戦国時代の様子を映画化したらいいのにと勝手に思っています。

【唐人街探案3】の試写会が東京で行われました。この映画は中国の大人気作品で、中国では公開初日に約170億円、公開わずか5日で約512億円と、「鬼滅の刃」も吹っ飛ぶ勢いの作品です。そして「3」の舞台は日本。各地のフィルム・コミッション、JFCが撮影に協力しました。この作品は「地域経済の振興等に資する外国映像作品ロケ誘致に関する実証調査」として扱われた作品でもあり、海外作品が日本で撮影をする際のモデルケースとなりました。一時はコロナウイルスの影響で公開も危ぶまれましたが、試写会が行われ、JFC事務局長は「スピード感があって面白かった」との感想でした。劇場で日本各地を探しましょう!

【日本映画製作者連盟による映画館再開の声明文】は、3度目の緊急事態宣言下にて映画館が休業を余儀なくされたことに対して、合理的な説明を求めていたのに納得いく説明が得られなかったという背景がありました。劇場で映画を鑑賞された方はお分かりと思いますが、上映前に劇場内の換気システムなどの紹介映像が流れて万全の体制とのことです。これまでにも映画館でクラスターは発生していないことなどもあり、要望の提出となったようです。6月から一部緩和との報道も出ていますから、映画館の再開を望む一人です。

他にも「道路使用許可のオンライン化」など、この一週間は話題に追いついていくだけで精一杯でした。撮影の相談依頼も並行してあり、ウィズコロナ、アフターコロナへ向けての業界の動きが活発化しています。

ジャパン・フィルムコミッション
https://www.japanfc.org/

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