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レビュー:哀れなるものたち


哀れなるもの

はしがき

Disney+にて鑑賞。私は、Disney+は嫌いだ。面白い映画を独占するからだ。それと他のサブスクより高い。Disney+の話はさておき、Disney+が独占していた映画を見ることができた。なかなか強烈な作品だった。Disney+はファミリー向けのサブスクだと思ったが、どうやら違ったようだ。

オープニング

映画のオープニング。30分ぐらいはとにかく退屈。
主人公であるベラ(女優:エマストーン)の観察が描かれている。
ベラは、日本語で表現すると、いわゆる「白痴」な女性だ。
父親代わりであるマッドな外科医と暮らしている。
とにかく、最初はベラが何者で、なぜ白痴になったのか?
視聴者としては、とにかくそれが気になる。
しかし、意外に序盤にそれはマッドな外科医から明かされる。
ベラの"外見"は、自殺女性。
ベラの"中身"、つまり脳みそは、自殺した女性が妊娠していた胎児。
白痴の理由は、産まれたばかりの赤ん坊だったから。

この映画のテーマは、なんだと思い、ずっと見ていたが。
だんだんそれが、わかってくる。(自分なりの解釈だが)

ベラは、毎日学習する。ある日、自分の股を摩り、快感を知る。
性に目覚める。
その直後、マッドサイエンティストのアシスタントの婚約する。
婚約前に、ベラは、婚約執行人と駆け落ちする。
若者が火遊びをするように。
この時から少しづつ、ベラにも自我芽生え始める。

ベラ「あまり安全じゃない人と旅に出る」

リスボン

行先では生々しいセックス三昧。
獣のようにヤリチンの執行人とヤリまくる。
ベラ「冒険をして、砂糖と暴力を知った。
   とてもエクサティングだった。」

初めは余裕を見せていた執行人も、ベラの素直な発言(空気の読めない発言)や行動に手を焼く。
ベラは、素直に世界を見て、素直に発言しているだけ。
人間は本来そうすべきなのでは?ベラを見ているとそう考えてしまう。
世間の目や常識なんてものはあまり意味がないのでは?そう問いかけたくなる。

執行人も、はじめは、遊びで付き合うつもりが、どんどんベラに対して”マジ”になってしまう。この時、ベラの知性や考えは、執行人が反論できないぐらいになってしまっている。(ベラはチェスやバナナを知らない)

困った執行人はベラを船に乗せる。大きい旅客船だ。
そこで、老婦人と黒人紳士と出会う。
彼らは、セックス三昧しているベラとは異なった考えを持っていた。
それが、ベラにとって刺激になり、ベラはその人たちと刺激のある会話をする。

世間を知らないベラを、黒人紳士は、世間を見せる。
高級ホテルの階下には、飢えで苦しんでいる人間がいる。
ベラは、それを見てひどくショックを受ける。
死について子供のように軽薄な態度をとっていたのに。

パリ

お金を貧しい人に渡し(正確には船員に金を渡すように頼む)
無一文になり、パリに降ろされる。執行人と言い合いになる。
ベラ「その言葉矛盾するし、無意味よ。
   私の美を退屈な言葉で褒めたのに
   見ず知らずの男が、私に跨ったぐらいで全て帳消し?」

世の中のことや、自分自身のことを学ぶため、売春宿で働く。
売春宿のババァがまたいい感じ。

売春宿のババァ「うわついた子供から脱却する。」

自分の都合のいい言葉を並べているが、一種、真理でもある。

ロンドン

しばらく売春宿で働く。
父親代わりであったマッドサイエンティスト・ゴッドの訃報が届き(死んでない)
帰国する。
ベラ「痛みを感じている人を殴りたい気持ちは複雑よ」
ベラは、自分の帝王切開の傷の疑問をゴッドにぶつける。
ベラは自分を知る。

ゴッド「慈愛を持って切れ」
ゴッドと和解を行い、アシスタントと結婚と思いきや
まだあった。

「君の行為を知れば、キリストもバッドで君を殴る」
結婚式の時に、自殺する前の夫があわれる。
また、この夫がクレイジーで良い。
拳銃片手に、メイドや使用人を脅し、妻であるベラを監禁しようとする。
「君は幸せな方へ進む」
「川に飛び込んだ時のように?」

ラスト

「私は、新しい自分とクリトリスを大事にする。」
かなりイカれた夫は、ベラのクリトリスを切除しようとする。
が、それを回避。
イカれた夫に、お似合いの脳(ヤギ)を移植する。

後書き

ここで終わり。
何も知らない白痴のベラが世間を見て旅をする。
イカれた描写が多い映画だが、一番イカれてるのは、この世の中なのでは?
そういう感想が出る映画。
エマストーンは本当に最高でした。
みなさん見た方が良いです。

<了>

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