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脚本:ペーパー・ピグマリオン

ラブストーリーの脚本書きました。
pdfが欲しかったら、アップします。

第4回恵那峡 脚本部門応募作品

タイトル:ペーパー・ピグマリオン
<あらすじ>
大学在学中の主人公。教授の手伝いで書類整理を行うことに。事務室のシュレッダーが故障していたため、地下の古ぼけたシュレッダーを使うことにした。

数日間、シュレッダーで不要な紙を裁断しているとあることに気づく。それは、このシュレッダーで紙を裁断すると紙に書かれている内容が現実になること。このシュレッダーを使い、理想の女性を作り上げることにした主人公。自分の理想の女性とは誰か?魔法のシュレッダーを通して、自分の本当の気持ちに気づくことになる。

<人物表>

幼馴染:主人公と小学校からの付き合い。口うるさく、世話焼。

主人公:大学生。めんどくさがり。

魔法のシュレッダー:このシュレッダーで紙を裁断すると、書かれた内容が現実になる。

<本文>

<大学・校内・並木道>

幼馴染「今日、必須あったじゃん。」

主人公「そうだっけ?」

幼馴染「そうだよ!次取らないと留年だよ!」

主人公「あーそれはやばい。取らないと」

幼馴染「ボケっとしているからそのなるんだよ!昔からそうじゃん。」

主人公「もーうるさいなー。」

幼馴染「うるさいって何よ!」

主人公「あっ、そういえば、教授に呼ばれてるんだった!じゃ、また」

幼馴染「あっ、ちょっと!」

大学校内入口に向けて走る主人公。

<教授室>

教授「この資料、シュレッダーかけといて。」

主人公「えっ、この資料全部ですか?」

教授「そう、いい加減整理しようと思って、事務の人がネチネチ行ってくるからさー。」

主人公「えー、多分これ二、三日かかりますよ。」

教授「何?文句言っている?単位足りててないんでしょ。他の教授の資料もまとめて処理するから、少し口を聞いておいてやってもいいのになー。」

主人公「慎んんで、引き受けさせていただきます。これをやるために生まれてきたと言っても過言ではありません。」

教授「すごい変わりようだな。誰だよ。まあ、いいや。やっといて。」

主人公「はいっ!」

<大学校内・事務室>

主人公「えつ!故障中!」

事務員「そう。シュレッダー詰まっちゃって。今業者さん、呼んでるところ。業者さんいつくるかわからないね。」

主人公「えー。どうしようかな。」

事務員「あっ。そういえば、地下の資料室にシュレッダーがあった気がする。」

主人公「本当ですか?」

事務員「ただ、動くかどうか、わからないわよ。」

主人公「えー」

事務員「まぁ、行って、動くか確かめて見たら。」

主人公「はい。」

<地下室>

主人公「単位のためとはいえ、めんどくださいことになっちゃな。」

廊下を歩く主人公。

主人公「おっ、ここだ。」

地下の資料室に着く。

シュレッダーの前まで歩く。

主人公「汚いなー。」

シュレッダーは埃かぶっている。

主人公「とりあえず、電源を入れてみるか。」

シュレッダーの電源ボタンを押す。

シュレッダー「ブゥーン」※機械音

主人公「おっ、動いた。」

主人公「さっさと、やっちゃいますか。」

シュレッダーに紙を挿入する。

シュレッダー「ブゥーン」※機械音

しばらくして。

主人公「なんだ?水?」

シュレッダーから水が漏れていることに気が付く。

主人公「古いから、水漏れ?でもシュレッダーだから?んなアホな。」

シュレッダーに紙を挿入し続ける主人公。

<次の日・大学・校内・並木道>

主人公「あー、彼女欲しい。」

幼馴染「何よ、好きな人でもいるの?」

主人公「うーん、めっちゃ美人とか現れないかなー。」

幼馴染「気持ち悪い。そういうこと考えて得てるから、彼女できないのよ。」

主人公「うるさいなー。女子だって、白馬に乗った王子様に憧れるだろ。」

幼馴染「何よそれー。」

大学校舎の前に着く。

主人公「あっ、そろそろいくわ。教授の頼まれごとがあるから。」

幼馴染「うん。またね。」

<地下室・シュレッダーの部屋>

主人公「んー。」

シュレッダーから漏れている水が無くなっている。

主人公「(水漏れが消えてる?)」

気にせず、シュレッダーの裁断を行う主人公。

ゴトン、ゴトンゴトン。

シュレッダーから音が響く。大量のりんごがシュレッダーから出てくる。

主人公「何なに、何?」

裁断している資料を見ると、「河川に関する調査」「無農薬りんごの糖度について」の二つの資料が混在している。

主人公「これって、まさか。」

<回想>

主人公「めっちゃ美人とか現れないかなー。」

<回想終わり。>

主人公「これって、人間もいけるのかな?」

主人公「試してみよう。」

再び紙にペンを走らせる主人公。

書いた紙をシュレッダーに裁断する。

ゴトン。

芸能人の美女が出てくる。

主人公「嘘?やったー。」

美女「イタタ。何ここ?」

主人公「あっ。〇〇大学です。」

美女に近づく主人公。

美女「近づいてくるな!変態!」

主人公の頬を叩く。そして、スタスタと部屋から出る美女。

主人公「イッテー。なんだよ。あの芸能人めっちゃ性格悪いじゃん。」

主人公「そうか、性格も紙に書けばいいんだ。ふふふ。」

<大学・校内・並木道>

シュレッダーで出た別の美女と腕を組む主人公。

別の美女「ふふふ。」

主人公「へへへー。」

主人公「(やったー上手く行った。中身も具体的に書けばいけじゃん。)」

別の美女「ふふふーどうしたの?」

主人公「へへへ。何もないよ。」

中身のない会話がされる。

主人公「あっ。」

通りかかった幼馴染と目が合う。

幼馴染をこちらに気付き、伏せ気味で走り去ってしまう。

主人公「…」

別の美女「どうしたの?ムラムラしたの。ホテル行く?」

<次の日・大学校内>

一人でトボトボ歩く主人公。

主人公脳内「昨日は散々だった。いいところで、女の子は消えちゃうし。それに、、」

<回想>

シュレッダーから出てきた美女と主人公を目撃した幼馴染を思い出す主人公。

<回想終わり>

主人公「はー。」

ため息をつく主人公。

<教授室>

主人公「全部シュレッダーにかけてきました。」

教授「おお。ありがと、ありがとう。助かったよ。ご苦労様。」

主人公「はい。」

教授室を出ようとする主人公。

振り返り、教授に問いかける。

主人公「教授って、理想の女性とかって何ですか?」

教授「何?突然?悩んでるの恋とか?」

主人公「えっ、まぁ。はい。いや、なんかよくわからなくなって、自分の気持ちとか理想とか好きりかが。」

教授「そう。若いねー。」

教授「今のうちだけだよね。そういうことで悩めるの。どんどん大人になっていくとわからなくなっちゃうから。自分の本当の気持ちが。ちゃんと自分と会話した方がいいよ。今のうちに。」

主人公「そうですか。」

深く考える主人公。

教授「そうだ。紙に書いてみればいいじゃん。頭の中だけだと整理しきれないから。」

主人公「紙にですか」

教授「そう、紙に。」

教授「あっ!ごめん。まだ、処理しなきゃいけない資料があった。」

主人公「えっ。まだあるんすか?」

教授「ごめんごめん。大した量じゃないから、昼飯奢るよ。」

主人公「わかりました。もうないですよね?」

教授「ないよ。多分。」

主人公「たぶんって、、」

<地下室・シュレッダーのある部屋>

再び裁断する主人公。

シュレッダー「ブゥーン」※機械音。

主人公「…」

思い立ち。再び紙にペンを走らせる。自分の思いをのせて。

書いた紙をシュレッダーに裁断する。

ゴトン。

幼馴染「いったー。」

主人公「えっ!?」

幼馴染「何よ?ボーッとして、また単位を落とすわよ!」

にっこりと微笑む主人公。

<了>

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