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パルプ小説:賊害ペダル

声が遠くから聞こえる。
近くのモノをボヤけて見えない。
学なんてモノはない。だが、自分には正直に生きてきた。他人がどう思ってるかは知らない。
今まで生きてきた中で、それが自分の誇りだ。
肩の神輿ダコが疼く。

レバーに触れる。
ボヤけてよく見えない。
P、S、D、N?
英語はわからん!学なんぞはない!
声が遠くから聞こえる。

レバーとスイッチが、たくさんある。
何がなんやら、わからん!
小賢しいのは、漢じゃない!
その勢いで、右足に体重を乗せる。
景色が動く。

白い服を着た人が集まる。
声が遠くから聞こえる。
レバーに触る。
「〜〜にやっ〜、大〜〜〜〜?」
レバーに手を触れる。
頭はハッキリしてる。大丈夫。私は大丈夫。
右足に体重を乗せる。

声が遠くから聞こえる。
扉を開けて、外に出る。大丈夫。私は大丈夫。
赤色の水溜まりを踏む。
目がおかしい。
女の子が倒れてる。
馬鹿な女が、叫んでるようだ。
声が遠くから聞こえる。

青い服を着た人が来る。
そいつらが、この俺に触れる。
俺を誰だと思ってるんだ!?私には誇りがある。お前らになんか、俺の人生がわかるか!?
触るな!?
俺をどこに連れてくつもりだ!?

声が遠くから聞こえる。
これからどこに向かうんだ?

<続く>

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