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Bounty Dog【清稜風月】

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遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達…
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2024年2月の記事一覧

Bounty Dog 【清稜風月】265(了)

265

 萌えし国
 暁(あかつき)浴びて
 未来(みく)へ行(ゆ)く
 桜花(おうか)の虫音(むしね)
 永遠(とわ)に響いて

 小枝で作った焚き火が燃えていた。卯月の最終日。日雨の家の庭で、ヒュウラとコノハは2冊の本を焚き火に投げ入れて燃やしていた。
 甘夏と槭樹から受け取った黒い革張り表紙の”元凶本”が、悪臭を放ちながら炭と黒煙になって、天の彼方に上っていく。人工の染料で染められている謎

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Bounty Dog 【清稜風月】263-264

263

(良い加減にして。調子に乗らないで)
(何で1回見せただけで、教えても無いのに私を超えて其の場で直ぐに再現するのよ。どんな事も)
(殺す時期を短縮してやる。今直ぐよ)

 ーー”人間”と同じか超えていると、調子に乗り続けていたからだ。ーー

 ーーどうして、人間じゃ無い存在は、人間では無いという曖昧な理由で、人間のように振る舞えば人間から容赦無く罰を受けさせられるのだろう?上では無く対等

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