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待草雪
2021年11月24日 10:16
59 山道の一角に置かれた平たい岩の上で、陸鮫族の青年が仰向けになって日向ぼっこをしていた。鋸のようにギザギザした凶悪な歯が並ぶ大きな口を大きく開けて、大きな欠伸をして微睡んでいる。 茶色い小鳥が口の中に入ってきた。嘴で歯を突くと、罠が発動するように鮫の口が勢い良く閉じる。思わぬ恩恵に機嫌を良くしながら餌をムシャムシャ噛んで飲み込むと、そのまま昼寝をしようと白眼になって、 横から飛んできた