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虎に翼 第74回 甘えないこと

自分が傲慢になっていたことに気づいた寅子。
家族に自分のよくなかったことを言ってもらう。一人一人に頭を下げる寅子。そして、新潟行きの問題。
直明と花江一家は東京に残る。しかし、、、

子供達は優未に行くかどうかの選択をさせようとする、その時
「おやめなさい。そんな決断優未にさせないで、この決断の責任は寅ちゃんが負うべきよ」
と花江がいう。

このシーンを見て、先日読んだ「叱らないがこどもを苦しめる」を思い出した。
今のお母さんは、2歳や3歳でもいろんなことを子供に選択させる。
そしてそれが子供を尊重していると勘違いしていると私は思う。
子供に選択させていいことと、親が責任を持つ選択の違いがわかっていない。
果ては、あの本に書いてあったように、子供がやりたいように合わせているうちにいうことを聞かなくなり、それが個性だと言い訳する。
判断能力のない子供に決めさせるのは親の甘えだと思う。

そんな決断優未にさせないで!

花江ちゃんの一言は筋が通っている。これは母親である寅子が子供の幸せのために責任を持つということだ。


場面が変わって家裁には多岐川、桂場、久藤もいる

寅子は自分が天狗になっていたことを桂場に謝罪する。
その戒めのために新潟へ行かせるのだと思っていたら

全く違う!

と言う桂場

腹立たしいが君は有能だ。そして俺たちに好かれてしまっている、それが問題なんだ。キャリアを重ね、俺たちという後ろ盾がある君は、もう昔の弱いものじゃない。今の君のはて?は非常に重い、周りを動かす力がある。

今のままでは、君の土台はいずれ崩れる。君は裁判官として正しく成長する道すじを飛び越え一躍時の人となってしまった。それに甘んじている君に家裁は、いやどんな役職も任せられん。だから地盤を作るんだ。

「俺たちに好かれてしまっている」
なんと鋭い、そして冷静な判断なのだろう。
桂場も寅子が反省したことは承知だけれど、今、彼女をとり巻く環境はどんなに彼女が変えたくてももう変わらない。「慣れ」ありきでは本当の苦労はできない。もう家裁も世間も寅子の一言で右でも左でも向く。
本来裁判官になるために味わう辛さは味わえないのだ。そして明らかに桂場自身も寅子を贔屓目に見てしまう自分を許してはいけないと思ったということ。

これもまた甘えない決断なのだ。

何気ないたった2つのシーンに込められた甘えからの脱却
そして寅子はまた新たな世界に挑んでいく

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