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「目指すのは“みんなでつくる みんなの箕面”」 【大阪府・箕面市】浦川倫子さんに政治に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。
久しぶりの『推しを見つけて応援しよう!#35』
今回は大阪府箕面市の浦川倫子(ウラカワ ノリコ)さんです!

「なぜ政治に挑戦しようと思ったの?」「どんな政治家を目指しているの?」
大阪府箕面市の浦川倫子さんに気になることをインタビューしました。

公園で笑顔の浦川さん

政治に関心をもったきっかけは?

 もともと私は公立高校の教員をやっていて、教員2年目の時に橋下さんが大阪府知事になったんです。私のいた教育現場にもすごく影響があって。教員の給料や退職金がカットされたり、3年連続定員割れしたら廃校とか、アドミッションポリシー(学校が求める生徒像)を念頭に置いた作文を高校入試で出題するだとか、公立の学校なのに稼がなかったら3年後の予算はカットだとか。
 また、公立の学校は設備が古いって言われるんですけど、予算がもらえないんですよ。トイレの改修とかエアコンの付け替えを毎年10項目くらい要望を出すのに、1個も通らない。しかも、ある学校でトイレの改修工事をしたら、同じ学区内にある他の学校は5年間改修はできないと言われていたり。私学に人が流れるように作っているのに、先生の努力が足りないって言われているようで。先生の加配(学校が抱える特別な課題に対応するため基本的な教員の人数に加えて特例的に配置される教員の数)に付けれる予算がこれまで常勤だったのに来年は非常勤しかつかないというのも、政治のせいだなって。
 リーダーが変わると政策が変わる、政策が変わると環境が変わるというのを目の当たりにしたのがきっかけでしたね。

政治への挑戦を考えるようになったきっかけは?

 教員時代に、いつかは社会の不平等をなくしたいとは思っていたんですが、けっこうしんどい世界じゃないですか。もう全部目を向けるのやめようって1回は思ったんです。もう一度政治に興味をもつようになったのは、自分にも子どもができてからでした。
 子どもが保育所に入所した時に能條桃子さんの発信で「公立の保育園や幼稚園を民営化する流れがある」というのを知ったんです。まあ、東京かどこかの話だろうと他人事に思っていたら、2021年の保護者会で、なんと箕面市の公立保育所と公立幼稚園が全廃するらしいと。
 そこで、全廃反対の勉強会に参加してみたら、新箕面市アウトソーシング計画(新MOS計画)とやらがあり、全部民営化をするという計画なんです。お金はかかるけどすぐ利益にはつながらないことを、民間に任せたらお金も浮いて責任もないというやばい政策で、「そういうことじゃなくない?」というところから公立園全廃反対運動を始めました。人生初のロビー活動や署名活動をやったんですが、耳を傾けるどころか言い訳をする人ばかりで。誰かにお願いするんじゃなくて、もう自分でやろう!って思ったんです。
 私学を否定しているわけじゃなくて、公立ってやはりセーフティーネットなんですよね。公立の園には支援が必要な子も入園されてて、きめ細やかな教育環境で見守られて尊重されている。保護者会で公立園存続運動を始めて、自分の任期が終わっても私はやり続けようと思って、今も継続中です。
 2022年の2月議会で公立園全廃案が可決された日に、めっちゃ泣いたんです。泣いたところで始まらない、私自身が政治に挑戦しようと決意しました。

公園でお子さんと遊ぶ浦川さん

今回の挑戦を決意するまでにハードルを感じたことは?

 ハードルはめっちゃありました。まずは金銭的問題。日々の暮らしが精一杯で、どうやってやるのか。お金がないからどこかの党に所属した方がいいのかなあ、と家族に軽く言ったら反対されました。でもたしかにそうだよなって。私が思っているのはセーフティーネットが必要なんだっていう、新自由主義とは反対のことなのに、反対の考えのところに入っても全く意味がない。じゃあどうするのかってなったら、しがらみのない無所属でいくしかないけど、お金はどうする?挑戦したものの不発で終わったら、自分とか子どもの人生どうする?とぐるぐる考えて。 
 貧乏選挙を回そうとしてるし、今も仕事しながらなので寝る時間を削ったり、日々の生活をしながらです。でも、もしこれで当選したら挑戦するハードルが下がるんじゃないかと思うんです。誰もが挑戦できなかったら意味がない制度なのに、バックアップとか権力とか、もともとお金持ちじゃないとチャレンジできないような制度自体が間違っているから、それを変えてやる!私が前例を作る!っていう気持ちでやってます。

浦川さんが実現したいことは?

 “子ども真ん中社会を実現させて、ポジティブな市民参加のある街にしたい”というのが大きなビジョンです。杉並区のミュニシパリズム(住民の主体的参加に基づく自治的民主主義のこと)のように、みんなが平等に公平に情報を得て、市民が市民のための街づくりを考えられるようにしたいんです。
 具体的な政策として、1番は子育て真っ最中なので、母子保健事業や保育、教育を中心に、産み育てて死ぬまで暮らせる箕面市にしたいです。リアルなしんどさに寄り添った伴走型の支援が必要。孤独な子育てじゃなくて、社会で育てる。今は土台がないので難しいんですが、「あの人ほんまにしんどそうやな」って思った時に手を差し伸べられるような地域にしたいです。地域がまだ未熟だったら行政がその役目を担えるように。
 2番目は、高齢の方でも健康寿命を伸ばせるように予防医療、また、アクティブシニアが生きがいをもって活躍できるような生涯学習を推進できたらと思います。それと、ワクチンの適正接種です。帯状疱疹の不活化ワクチンの接種費用の全額助成は関西ではまだどこもやっていないので。ワクチンは打ちたくない方もいると思いますが、費用が2万円もかかるので打ちたくても打てない方の負担を減らしたいです。
 3番目は、情報開示と顔の見える関係づくりです。私は待機児童の数や保育関係の情報を毎月開示請求しているんですが、のり弁(真っ黒)すぎて何も情報が入ってこない。今まさに闘っているのが、市道今宮線(桜通り)の道路拡張計画についての情報開示です。プライバシーや工事への影響を理由に、住民の土地と市の土地の境界線を交渉する会議や保証金の交渉内容を市が一切出さなくて。情報と行政文書は市民の財産なので、開示するのは義務なのに。また、水路埋め立ての安全性について尋ねると、市は「計算上大丈夫です」と。そんなやり取りを2年半くらいやってます。それと、今どの地域でも自治体の事業の民間委託や指定管理が増えていて、それが適正にされているのか、質が落ちていないかの検証がされていない。検証してみてダメなら、再度調整し直したり再公営化や選定し直しなども必要だと思います。
 あとは、農業大学で勉強したので景観と農業を守りたいですね。体を作っているのは食べ物なので、食べ物、空気、水などの環境問題に取り組みたいです。箕面の田舎っぽい森や自然の景観を残したいと思っています。


チラシをポスティングする浦川さん

「自分だからできること」浦川さんの強みは?

 市民のリアルな声をあげてるところ。誰でも政治に関われると、私が体現しますっていうところは負けないと思います。
 保育などに関してロビー活動していることもあって、去年は兄弟別々園の悩みを相談されました。兄弟で同じ園に入れたいのに、全然入所できない。その理由がはっきりしない。0歳で入れるなら、結構な確率で入れますが、1歳児とか第7希望でも入れなかったりするんです。ほかの市は入園申請時の点数表を開示していて、何点取れば入園できるか可視化できているんですが、箕面市には、それがなかった。入園できる点数は落ちた時に開示されるけど、それまでは不透明で、裏で操作されているのかと不信感にもつながります。現職の議員たちに話を持ち掛けて、色々とロビー活動を続けてた結果、ようやく去年4月から、点数表などの情報開示がされ、可視化され始めました。自分の点数目安を予め確認でき、相談をくれた6人くらいの方は兄弟同園に入所させることができました。
 一定の成果が得られたからか、周りから相談されることがさらに増え、一時保育の相談や駐輪場にまつわる課題、バスの問題まで、色々な相談がきています。

「こども真ん中 やさしい箕面へ」と書かれたのぼりを持ちながら市民と話す浦川さん

箕面市の好きなところ、今後も大切にしていきたいところは?

 箕面市は見た目は田舎ですが、電車に乗れば30分ほどで梅田に出られますし、都心から地元に戻るとき、夜は静かで、川やカエルの音がして、駅を降りたら涼しい風が吹いてきます。少し足を延ばせば都心に行けますが、緑いっぱいのところで暮らしたい方もたくさんいます。そんなに開発をしなくてもいいでしょうという意見もあります。

箕面の自然を背に素敵な笑顔を向ける浦川さん

FIFTYS PROJECTの活動に参加したいきっかけは?

 ネット上で能條さんの幼稚園の廃止(「保育の民営化」問題)に関する配信をみてFIFTYSのことを知りました。多様な議員さんや候補者が参加されていて、考えのベクトルが違っていても、共感し合えるところが素敵だと感じました。
 また、ジェンダーのことについて、学生の時はあまり意識する機会がありませんでしたが、大人になってジェンダーギャップが大きいなと思う職種があったり、議会を見ても、防災の取り組みをしていても、大変なジェンダーギャップがあるなと感じることがありました。FIFTYSの若い人たちが頑張って取り組んでいるのを見て、自分も一緒にやっていきたいという気持ちが湧いてきました。

これからどんな活動をしていきたい?

 選挙をもっと楽しくできたらいいなと思います。山添拓さんのように、みんながステージにあがって、「私の理想の街づくり」を言い合えるような会は素敵だなと思いました。自分の場合、みんなと地べたに座って、「箕面のこういうところを守っていきたいな」と語り合える会をやれたらいいなと考えています。「楽しそうにやっているな」、「自分もやってみたいな」と思ってくれる方が増えたらうれしいです。
 また、議員の方に会いに行くために固い文章を作って、休みをとってまで話をしに行くのではなく、「相談あるんですけど」とLINEとかからメッセージが気軽に送れるようにするといいなと思います。
 活動と並行して、大阪市の地域コミュニティの醸成を目的としたイベントなどを企画する団体で働いています。市民と共に街を守ったり作り上げていく仕事で、地域の人と関わりが深いです。こんな風に、箕面の市民の方々とも“ポジティブな市民参加のある街”を作ることが目標です!子育てとの両立も大変ですが、「普通の市民」として私が前例を作ります!

以前から取り組んでいる活動「子どもたちにもう1人保育士を!」のプラカードを持ち街に立つ浦川さん

インタビューを終えて
 市民と同じ目線で小さな声も議会に届け、街を良くしていきたい!という熱い想いが伝わってくるインタビューでした。浦川さんの人柄と行動力で政治をもっと身近なものにしてもらいたいと思います。(あさみ)
 すでに積極的にロビー活動をされているため、たくさん具体的なお話を通じて、単なる理想ではなく、浦川さんのやりたいこと、実現したいことを詳しくお聞きすることができました。浦川さんなら、一つ一つの課題をクリアしていくことで、大好きな地元、箕面市を守れるのではと強く感じます。(ひかり)
取材・執筆:あさみ&ひかり
取材日:2024年7月20日

基本情報
浦川倫子(うらかわのりこ)

1987年11月1日生まれ(36歳)/大阪府箕面市出身/箕面自由学園高等学校卒業
東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科卒業
学校法人事務職勤務(就職支援)/大阪府立高校教員(府立園芸高校にてフラワーファクトリ科 草花・園芸デザイン)/団体職員在職中(防災・コミュニティ育成事業担当)

浦川さんについてもっと知るには?✨
・X:kodomo_Minoh
・YouTube:こども真ん中やさしい箕面へ
・Facebook :浦川倫子
・Instagram:https://www.instagram.com/shizuru1101/
・公式LINE:https://lin.ee/pLIrBB3H
・Blog:https://kodomowomannakani.com/
・Lit.Link:https://lit.link/urakawanoriko
・選挙ドットコム紹介ページ:https://go2senkyo.com/seijika/191642

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#35、いかがでしたか?仕事や子育てをする中で政治の生活への影響を強く感じ、誰かに頼るのではなく自分がやろう!と決意された浦川さん。応援したい!と思った方は、ぜひ浦川さんの発信も覗いてみてください👀✨

次回もお楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。


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