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旅の思い出 8

セナンクから戻り、次の日はエクス・アン・プロヴァンスの街に繰り出した。時期はクリスマスで、シンプルな電飾で家族連れが沢山歩いていた。本場のクリスマスは日本と違うなと12月24日生まれの自分は思ったのでした。

次の日はいよいよ、本番、ル・トロネ修道院に向かいます。上にウィキのリンクがあるので見てください。行き方を考えるために、駅で時刻表と地図で考えた。

このまちから、LesArcsという街に移動した。今はどうなっているか知らないが、修道院への最寄り駅は Le Lucだとわかった。その駅に行くには、時刻表では一度LesArcsに一回行ってLe Lucに行かないといけない。なので、一旦その街で宿を取り、その田舎の街をフラフラしていたと思う。次の日も早朝4時くらいの電車しか泊まらない最寄り駅に行った。ここでも書きますが、本当に車で旅行した方がいい。その日も、駅から修道院まで歩くのだ。

少し雨が降っていて、寒いが歩けば暖かくなるということで、また歩き出した。前日にパンと水とハム(もうこれが建築を見に行く時の必須です)があるので、歩いてたどり着けると思っていた。朝から歩いて、昼前に着いた。ここは、コルビジェや安藤忠雄が建築を作る原点!としている所です。安藤さんの本を読むと貧乏旅行の時にマルセイユからこの修道院に車に乗って行く話が結構有名?なきがします。旅先で出会った、建築旅行者もここを目指していて、駅までは行ったけど、駅から遠いから諦めたという人に何人か会った。
当時本当に色々こじらせていた自分はなら歩いてでも行ってやる、そう決めた。ここに行くために無駄に宿に泊まり、効率悪い電車の旅、いつの間にか駅で行き先や電車の切符の買い方も覚えて、歩いていれば遅いけれど必ず、たどり着くんだと変な思い込みでいた。要は若いアホなやつだったのだ。

ここは内部のツアーはなかったのだが、入り口でチケットを買うとパンフレットをもらうと、日本語が書いてある!久しぶりに自分が書く文字以外で日本語を見て感動して、ここは日本人もよくくるのかと感動した。

内部はほとんど人はいなくて、独り占めしている状態だった。少し足場がかかっていて補修していた。ここも、とにかく、写真したり、気になったところを、スケッチしたり、もう二度と来れない思って見逃しがないようにと内部をくまなく歩いた。今思えば必死になっているだけで、その空間の構成など何も頭の中に残っていないと思う。セナンクと同様で、やはりセンスないなと今でも思うのです。そうしていると、小学生の団体さんがきて、奇妙な目で見られてしまった。一回外に出て、水とパンを食べて、歩いて帰ることにした。帰りの電車の切符も買っていたのである行きの時間もあるから、そんなに自由は聞かない。本当に車で行きたい。次行く時は必ず車で行く!

この日は曇ったり雨が降って止んだりを繰り返していた。駅と修道院を結ぶ道は、木々が生い茂っていて、時折民家がある少し寂しい道のりだった。帰りはだんだん疲れ始めて、もう、早くつかないかなと見知らぬ土地の何もない土地を一人で歩いていると、どこからともなく叫び声が聞こえてくる。周囲に人影はない・・・、とその林の奥の方に8人くらいの男たちが焚き火をしているのだ。
その人たちが僕に手招きをしているのだ、何せ道路には車も人もいない。私を呼んでいるのだ。なんだかよくわからなかったが、ふらふらと近づいて、男たちが一斉に喋り出す。もちろんフランス語は分からないが、どこから来た?何してるんだ?腹減ってるんだろう!!と言われたことはわかる。もう脳がエラーを起こしていたんだと思う。そのエラーは今現在も継続中だ。男たちは森林組合か何かで、間伐をしていると言っていた。木を切って、チェーンソーの燃料で火をつけて、2mくらいの炎を立ち上げて、昼の食事をとっていたのだ。車のトランクを開けっぱなしにしていて、そこには、ハムやチーズ、ワイン、ビールがどっさり積んであった、ジブリの映画のワンシーンみたいだった。ハムにナイフが突き刺さっていた。この中からどれでも食えよ!とフランス親父を絵に描いたようなおっさんが(どんなおっさんだよと思った方、ぜひフランスの田舎へ!!)僕の面倒を見てくれる。パンに乱暴にいろんなものを詰め込んだスペシャルサンドとビールを手渡してくれた。ビールせんも、手で開けて渡してくれる。豪快すぎんだろ!
食べながら、日本から修道院を見に来たというと、みんなで歌ったり、日本行きてーなぁとか色々話た。汽車の時間もあるので、お礼を言ってまた歩き出した。もはや、ル・トロネのことよりも、彼らの事しか印象に残っていない。特にここでは書ききれないが、フランスはいろんな人が親切で、何度も話しかけられて、日本いいぜ〜とよく言われた。楽しくて、色々食べさせてくれて、建築もいいのだが、そっちばかり覚えていて、やはり建築のセンスはないなと思うのです。

世界が落ち着いたら、車でフランスを心ゆくまで旅したい!

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