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スポーツ法学@オンライン最終週 筆記試験と口頭試問が終わり寂しくなったり

今学期の授業が全て終わり、今週は筆記試験(レポート4問、各最大1,000語)と口頭試問(2問)が行われました。試験を終えた後はいよいよ残すは卒業研究のみだと思うと寂しくもなったり。

筆記試験の制限時間は約100時間

模擬裁判を終えた直後に筆記試験の問題が送られてきました。提出期日が当初の予定より1日延長されて嬉しかった反面、合計4問あることを知った時点での「こりゃまた難題だろうな」との予想が的中。

そして全てオンラインで実施された講義は録画されて専用サイトで視聴可能なので、お題について触れていた講義を再視聴して要点を探ることでどうにかなった前回の試験のようにはいかず。

予め資料が指定されており、100ページ以上の分厚い資料でしたが検索機能でキーワードを探ったり、でも気になって前後を読んでたら時間があっという間に過ぎていたり。そしてもっと知りたいと思い、直近の事例などを探していたら時間はあっという間に過ぎていました。

第1問:IOCと組織委員会にとって東京五輪の開催への最大の課題を述べよ

「いきなりざっくりとした質問が来たなー」というのが正直な感想でした。指定された資料は【開催都市契約】と【大会運営要件】の2つ。そもそも現時点で来年の開催が確定していないから追加費用の計算もできないのではと頭を抱えていた時に「衛生面での安全を確保」を軸に書こうと思いつきました。

果たして思い付きで書いて良いのかとは思ったものの「東京五輪を実施できるか否かの判断をするには、そもそも衛生的に問題なしであることが大前提」という理由で展開しました。

最高の選手たちが出場する舞台を用意できるのか
大会運営要件1.1序論に「最高の選手たちが最高レベルで競う世界的舞台を提供すること」と記載されています。そして2016年のリオ五輪では、ゴルフの松山英樹選手をはじめ、ジカ熱への感染リスクを懸念して(賛否ありましたが)出場を辞退する選手が多数いました。果たして今回は?
最高の選手たちが集まれるのか
練習場所を確保できなくなったり、経済的な困難に直面して競技どころではなく東京五輪を諦める選手も出てきている。2021年に延期されたことで「2021年での最高の選手たち」と定義することも可能だが、果たして今後も引退する選手が増えたら上記の定義は当てはまるのか。
あと東京五輪のスケジュールが決まらないと、そもそもの選考会を実施できない。
選手と大会関係者の宿泊施設
選手村は大会終了後に分譲マンションとしての販売が決まっているものの、すでに契約が成立している人への対応はどうなるのか。仮に契約開始が2020年9月1日などの「具体的な日付」でなはなく、「大会終了後」であれば大会側はホッと良いかもしれないが、購入済みの人は現在住んでいる家を2020年8月31日に売却する契約が成立済みであれば大問題。果たしてこれは組織委員会の責任範囲内なのかは不明ですが。
大会関係者の宿泊施設も大会運営要件によると5万部屋ほど必要で、こちらは既存の予約のキャンセルと新たに確保することが必要。さらにキャンセルされる宿泊施設側も大口案件が吹っ飛んで大打撃です。
東京都知事選の影響
7月に開催される東京都知事選で東京五輪に猛反対する方が勝利して追加費用の負担を拒否したらどうなるのか(そもそもできるのかは不明)。

などなど課題は山積みなのですが、これらは東京五輪の開催が決定して判断できることなので、その判断に必要な「衛生面の課題をクリア」こそが一番の課題だと様々なニュース記事と要人のコメントを引用しまくって述べました。

第2問:八百長のホウレンソウ

某大会の大会実行委員であるあなたは試合前と試合中に八百長と疑わしき状況・情報を見聞きします。どのように対処しますか?

・八百長に誘われた選手や関係者は報告窓口に連絡をしないと罰せられる可能性があるので、報告するよう伝える。
・疑わしき現場にいる人物を写真か動画で抑えておく。
・自分からも報告窓口や警察などと情報共有する。

ざっくり言うとこんな感じなのですが、授業で印象的だったのは「A対Bの試合において、Aが負ければリーグ優勝が確定するC(第三者)がBに勝利ボーナスを支払うことはNGか」という事例。倫理的にNGというのは回答にはならず、英プレミアやブンデスリーガはリーグ規約に「試合結果に基づく報酬を第三者から受け取ることを禁ずる」と書いていました。

スペインも禁じているようなのですが、昔から当たり前のように実施しているとの情報も。まぁ気持ちは分かるけど、試合の公平性を保つために明確に大会規約にNGと表記されていることはやめましょう。

第3問:サイクルレースで発生した事故の補償問題

大会実行委員、セキュリティ担当企業、選手、接触事故に遭った観客などなど多数の人物が登場したこの問題。責任の所在がどうなるかという問題だったのですが、登場人物が多ければ多いほど説明することも多くなるので、むしろ解きやすかったです。

ただし判決結果を含む過去の事例をネット上で見つけることができなかったので、UCI(国際自転車競技連合)の競技規則を読み漁って答えました。

第4問:改訂されたWADA規定について

最も苦戦したのがこの問題でした。改定箇所の良い面、逆に悪くなった点、次回の改訂に向けた改善点、そして「リアルドーピング」に関する総合評価という4つを述べる必要がありました。

そもそも96ページもあるアンチドーピング規定に目を通すのは非効率ですし、どこが改定されたかを過去の規定と照らし合わせるのも非現実。というわけで改善点について解説しているサイトを探しまくりました。

救われたのが、今回の改訂で告発者に対する報復行為を禁ずることが明文化されたことです。卒業研究で告発者について調べているので、この部分はだいぶガッツリ書けたものの、残り3つはまぁ・・・という出来でした。

最後の試験:口頭試問

3学期の授業が全て試験範囲という泣く子も黙るわけない口頭試問。とはいえ試験時間はひとり12分で、教授2人から一問ずつ質問されて答えるというもの。色々と話していたらあっという間に時間切れとなりましたが、無事に答えられたからあっという間だったのかな、という感じでした。

3学期ふりかえり

ゴールデンウィーク明けにはスイスに戻れると信じて始まった3学期。願いは叶わず全講義がオンラインで実施され、海外留学のはずが大阪の自宅からオンライン留学になってしまいました。

世界各地にクラスメイトが散ってしまったので時差の都合もあったり、個人個人でモチベーションの差があったのは事実。とはいえ、思った以上にオンラインでの講義にも慣れて私も気になったことは教室開催時と同じように質問しまくっていました。

もちろん教室で開催される時の熱気や、自然発生する議論ができなかったことは残念です。しかしこればかりはどうしようもないから、前向きに考えようと思ったら自然と授業にも集中して取り組めました。幸いにも卒業研究の内容が法律面について調べることが多く、ゲスト講師の方々にも休み時間に話しかけてはインタビュー取材のお願いをしたりワクワクする機会をグループメンバーたちと能動的に作ることもできて楽しかったです。

何よりもレポート提出の筆記試験は調べ物が不可欠で質問内容も回を重ねるごとに難しくなりましたが、それだけ学べたことも事実。特に今回の試験は調べ物に火がついて気が付いたら朝4時みたいなことも続き、なんだかんだで夜中の変なテンションを楽しんでいました。結果的に口頭試問があっけなく感じたのは積み上げてきた知識があったのかな、と嬉しかったです。後はその知識が脳に定着してくれれば最高ですな!

修了まで残り1か月

残りの1か月はひたすら卒業研究に没頭する時間となります。とはいえやるかやらないかは自分次第。サボろうと思えばいくらでもサボれますが、大学時代の卒論で経験できたような達成感と、逆にサボった時の不完全燃焼感のどちらを味わいたいかと言われればもちろん前者。

上記リンクは私の大学時代の卒論なのですが、妻を含む後輩たちの協力があって完成することができました。また、ラスト一週間は教室で友人と夜な夜なヒーヒー言いながら、なんだかんだで楽しんでしたのも良い思い出。

今回はグループメンバーとも離れ離れということはあれど、幸いにもインタビュー取材はガッツリできています。後は書きながら足りないなと気付いた部分を先行研究や文献を再度漁ったり、取材をしたりという日々も残り24日。

まだ卒業前ですが、振り返ればFIFAマスターの日々は高校生活みたいでした。明日のことなど気にせず毎日をただただ楽しみまくった1学期は高校1年、クラス中の絆がさらに深まった2学期は高校2年、そして卒業後のことを本格的に考える3学期は高校3年。30代になってもこんなに楽しい時間を世界中から集うサッカー好きと過ごせたのが何よりもの宝物です。

ひとまず一区切り

そんなわけで残り1か月、授業が終わったので毎週の更新は今回にておしまいとします。自分自身が受験する時に日本語の情報源がもっと欲しかったのと、卒業生の方に背中を押してもらえたこともあって始めた当note。ありがたいことに多くの方に読んで頂けたり、お問合せまで頂けたり、フットボリスタに寄稿させて頂けたり想定外の楽しい経験をさせて頂きました。

FIFAマスター卒業生の増加が日本サッカー界の人材強化につながると信じているので、当noteを通じて微力ながら受験希望者の背中を押すことに貢献できれば幸いです。よほどの理由がない限り当noteを消すことはないと思うので、今後も多くの方に読んで頂ければめちゃ嬉しいです。(自己紹介の回があっさりし過ぎているので加筆予定です)

何よりも当noteのおかげで他校に在学中の日本人の方々をはじめ、多くの方々と出会えたのが嬉しかったです。毎週更新することで授業内容を整理できたのも良かったのですが、やはり一番は出会いです。

勢い任せで書いては内容がグチャグチャの回も多数あったかと思いますが、これまでお付き合いくださりありがとうございました。

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1985年神戸生、地元は横浜。関東とアジア諸国で育ち、98年W杯から現地観戦を継続中。大阪のCS局で10年半勤め、日本で再度W杯を開催するには本丸へと思い2019年9月FIFAマスターに入学、2020年7月修了予定。連絡先はtaizouchida @ホッとメール.comです。