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レスター第3週 ラグビー校を訪問したり

今年3月上旬の最終面接(電話)にて「FIFAマスターに入学したらラグビーW杯を日本で観戦できないですよ?」という難問に対して「私にとってはFIFAマスターの方が大事です」と答えたものの、予想以上に遠くイギリスからfacebookなどで友人の観戦記を見ると羨ましいものです。そしてレスター第3週はナイスタイミングでラグビー関連の授業が続きました。

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ラグビー発祥の地と言われる名門私学のラグビー校を訪問。寮費を含めた学費は年間500万円ほどということもあり、ラグビー場もクリケット場も芝生がとても丁寧に管理されていました。担当者曰く、部活の試合開催日に主審が芝生の状態を確認し、状態次第では時に試合を中止することもあるそうです。

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また、ラグビーにせよクリケットにせよ、正しい技術を身につけるためには最高の芝生を提供する必要がある、という話ではストリートサッカーで応用の効く技術を身につけていたらしい南米サッカーのことを思い出しました。どちらが正しいかは人それぞれなのでしょう。蛇足ですが、主に学校の駐車場で練習していた自分の高校時代のサッカー部のことも思い出しました。

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フットボールの試合で突然ボールを手で持って走り出したことでラグビーを発明したとされ、ラグビーW杯の優勝杯「ウェブ・エリス・カップ」の由来にもなっているウェブ・エリス氏の記念プレートもありました。諸説ありますが、ラグビー校とは利害関係の無い講師は「それただのおとぎ話だから」と一蹴していました。

また、同級生とは「自分の子供をラグビー校に入学させるか」というお題で意見交換。私は見たことのない世界を経験してほしいという思いで賛成でしたが、あまりにも浮世離れしている印象を受けた反対派も。たしかに「花より男子」の世界かと思うと即決はできないかも。

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また、イングランド国内リーグを10度制し、欧州王者にも2度輝いた名門「レスター・タイガース」も訪問しました。前回の投稿で失念していたW杯開催中にも関わらず国内リーグが開催されている理由は「そういうものなのです」とのことで、何と返事をすれば良いのか分からず。

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レスター・タイガースの選手たちはかつて、背番号ではなくアルファベットが振り分けられていました。スタジアム内のパブはその習慣にちなんで「The ABC Club」と名付けられています。

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1880年に設立され、多くの栄光を経験してきた歴史あるレスター・タイガース。しかし近年は成績の低下に観客動員も比例してしまい、チケット営業担当者の講義は重い雰囲気に。予算も人員も限られている中で新規ファンを開拓するのか、それとも成績低迷に伴い離れてしまったファンにまた来場してもらえる施策を打つのか。

新規ファンを開拓するにしても、ターゲットは学生なのか、女性なのか、家族連れなのかは担当者間でも意見がまとまっていない印象を受けました。まさにスポーツビジネスのリアルであり、マンチェスター・ユナイテッドのメガクラブっぷりを再認識しました。

そしてアイルランドの国技「ゲーリック・フットボール」について歴史学者のマイク・クローニン氏の講義を受けました。選手たちは完全にアマチュアであるものの、入場料収入やスポンサー収入、さらには政府からの支援も充実しています。ではそれらの収入は何に使われるのか。答えは次世代を育成するための環境整備に投資しているようです。だからこそ選手たちはアマチュアであることを誇りに思っており、歴史が紡がれているとのこと。

日本の野球以上に多くの国民に愛されている印象を受けたゲーリック・フットボールの脅威となり得る他競技はあるのかと聞いたところ、それはサッカー欧州チャンピオンズリーグの進化版とも言える「スーパーリーグ構想」でした。アイルランドの首都ダブリンを本拠地とするチームがスーパーリーグに参加することになったら、毎月レアルマドリーやバルセロナ、パリ・サンジェルマンだけでなく、隣国イングランドからもマンチェスターユナイテッドやリバプールが訪れることになりファンを奪われる(特に若年層)恐れがあるようです。

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週末はレスターから電車で50分のバーミンガムへ日帰りサッカー観戦へ。同級生の地元なので、馴染みのパブで昼からビールとインド料理を満喫してからスタジアムへ行くという贅沢な時間を過ごしました。

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週末にサッカーを見に行くのに10人以上も集まることがとにかく熱いです。今後も週末は昼からビールとサッカー観戦を満喫できるよう頑張ります。

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観戦した試合はともに稲本潤一選手がかつて所属したウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(ウェストブロム)対カーディフ。2部リーグの試合でしたが、2.6万人収容のスタジアムはほぼ満員でサポーターの圧を強烈に感じました。

ウェストブロムが現在プレミアリーグ昇格に向けて好調ということもあると友人は謙遜していましたが、ベルギーやポルトガル出身の同級生たちは「ヨーロッパの2部でこんなにも熱いのはイングランドだけなのでは」と唸るほど。

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そしてついついタオマフを購入。渡欧して1か月ですでに3本目なのですが、これからどれほど増えるのか楽しみです。

ちなみにチケット代は23ポンド(3000円弱)でバックスタンドの前から2列目でした。J1より少し安いぐらいでしょうか。これがプレミアリーグのロンドンを本拠地とするクラブだと倍以上するので、交通費だけでも電車だと往復1万円ほどするロンドン(バスだと片道3時間で千円ほどのプランもありますが・・・)に行くよりも、近場の街で「今そこにあるサッカーを愛せ」を継続したいなと思いました。

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