Fieldism必聴新曲リスト 2024 2/19~2/26
いつもお世話になっております、Ryotaです。
今回の導入は先日アナウンスしたこの話題、すでにチェック済でしょうか?
名古屋のディストロSTAY DUDE COLLECTIVEが毎年出しているコンピレーションアルバムSAVE OUR SCENE 2024で幣Fieldismは推薦枠をいただき、自分はvs. LDD東名阪ツアー全公演帯同/Blessthefallなど海外アクトとの共演決定が記憶に新しいSUBLIMINALS & 結成1年でChunk! No Captain Chunk!, In Her Own Wordsなどと共演を果たしているイージーコアLauncher No.8の二組をピックアップしました。
過去には音箱、Spread Colony、Harmoniaなどいろんなイベンターや関係者が選出されていたこのコンピレーション、Fieldismを始動させた当初から秘かに目標としていた節があったので実現できてうれしいです。改めて誘っていただいたSTAY DUDEの竹山さん、ありがとうございます。
今プレスの関係で納品が遅れているそうですが、STAY DUDEで一定金額以上買い物するとこのCDが付いてくるので是非チェックしてみてください。参加するバンドによっては物販で特典としてプレゼントすることもあるらしいです。
リストアップの条件ですが、下記2点です。
※今年からスタイルを変え、週刊に変更しました。
1. 2/19~2/26にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。ただしアルバムのデラックス盤のみetc.に収録予定の楽曲は選出対象。
Paledusk - PALEHELL
EP (2/21)
''FUKUOKA CHAOS CORE''と標榜している、福岡を拠点に日本のみならず世界規模で活躍しているロックバンドの最新EP。最近はライブ観に行けてませんが、まだプログレ色の強いメタルコアをやっていた2018~19年は年8~9回くらい観ていたくらいハマっていたバンドです(もちろん今も動向はチェックしています)。昨年はアメリカのSharpTone Recordsとの契約を果たし、海外の大きなロックフェスへの出演や盟友PolarisのUK/EUツアーへの帯同決定を始め、Gt. DAIDAIもBring Me The Horizon, Stand Atlanticなどの楽曲制作にも携わることでも話題を集めていますが、ついに待望の最新EPがリリースされました。
メタルコアやラウドロックからの影響をベースにヒップホップやダンスミュージックを大胆に取り入れた、カオティックながらもキャッチーな唯一無二の音楽性は今回も健在。あの名曲のタイトルをサンプリングした希望に満ち溢れたオープニングTr.1 ''PALEHELL''を皮切りに、先行でシングルリリースされていたTr.4 ''RUMBLE'' (feat. Masato from coldrain) & Tr.5 ''I'm ready to die for my friends'' (feat. VIGORMAN)など捨て曲ナシのキラーチューンばかりですが、個人的にはPaleduskの現在の音楽性の起点となったTr.6 ''NO!'' がここで収録される意義は大きいと思いました。
The Moment I Decide - Nami
シングル (2/21)
三重・四日市を拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新シングル。90'~00'sあたりのポストハードコア/ラウドロックから影響を受けたバンドサウンドに、ポップスやミクスチャーなどのエッセンスを取り入れたエモーショナルかつキャッチーな楽曲はPR型配信サービスearly Reflection & 音楽プラットフォームEggsによる共同オーディション企画「early Discovery 2023」の月間賞にノミネートされるほどの実力で、SCYLAやA Curtain Of Mistなどと共に東海地区で数少ない貴重なポストハードコアバンドとして活動を続けています。
筆者も最近友達の企画で初めてライブを観ることができたんですが、先日リリースされたシングル ''Nami'' は、2022年にリリースされたEP ''Blue Glow'' で提示したバンドサウンドにダンスミュージック影響下のシーケンス/エレクトロを取り入れたモダンポストハードコアをさらに進化させ、そこにVo. Franzの繊細な表現を内包したクリーンボーカル/日本語詞を交えたキャッチーな一曲。さらに客演としてu_endを加えエフェクトがかかった女性ボーカルが彼らのエモーショナルかつ形式にとらわれない音楽性をさらに押し広げてくれます。
Deviation From Reality - Toward the hope/Punishment
シングル (2/22)
新潟を拠点に活動している新鋭メタルコア/エッジメタルバンドの最新シングル。新潟のバンドシーンは母数が少ないながらも、日本のラウドロックシーンの代表的存在でもあるa crowd of rebellionをはじめ、T.M.Music主催のオーディションに勝利し後述のten56.のサポートアクトにも抜擢されたInvert Hourglass、DOOMS OF GHETTO, Slut Needs A Kongamato, (東京に拠点移しましたが)DIVINISTが在籍している NORTHLANDPUREHATEなど精鋭揃いではありますが、その「残虐王国新潟」からまた新しいバンドが生まれました。
新潟には先述のInvert Hourglassのメンバーも在籍しているWhite Windというインカレサークルがあるんですが、そこのメンバー達を中心に結成されたのがこのDeviation From Reality。先日ドロップされたデビューシングル''Toward the hope/Punishment''では、2000年代のメタルコア, ニュースクールハードコア, 90年代のメロデスから影響を受けた攻撃力とメロディを兼ね備えた単音リフワークとモッシュせずにはいられないブレイクダウンに満ちた音楽性は近年ニュースクール/エッジメタルへの熱が高まっているハードコアシーンに一石を投じるものになるでしょう。個人的にはTr.1 ''Toward the hope'' の4:20からのリフの応酬は必聴。
ちなみサウンドエンジニアリングはInvert HourglassのBa. koma、ライブでもサポートギターを務めることもあるそうです…。
ten56. - Good Morning
シングル (2/22)
ex. Betraying The MartyrsのVo. Aaron Mattsを中心に、Uneven StructureやKADINJAなどフランスのメタルコアシーンで活動してきたメンバー達が集結したスーパーグループの最新シングル。先日T.M.Music主導で国内4箇所の来日ツアーが行われたのも記憶に新しいですね。デスコアやプログレメタルコアを基軸にニューメタル・インダストリアル・トラップなどのデジタルサウンドを導入したトレンドの最先端を行くニューメタルコアスタイル、筆者も観に行きましたが、ギターから本来出るはずのない鋭い音が音源と同じクオリティで出ていて四肢がちぎれないかヒヤヒヤしていました。
来日ツアー直前にリリースされ、当日もセットリスト入りしていた最新シングル ''Good Morning'' では、人間の精神をダイナミックに探求しており、絶望、内省、混乱の中での救いの探求といったテーマを掘り下げた一曲。イントロのデスコア影響下のブラストビートからストップをかけるような静と動の振れ幅から度肝を抜かれますが、もはや打楽器と化している弦楽器隊のサウンドとAaronの苛烈なグロウルの応酬はジャンルという枠組みに従うことを拒否するバンドの意思表示とも取れます。コンポーザーのGt. Luka Rozakaはバンドでも一番年下なんですが、どこまでも底が知れない天才肌気質なのが伺えます。
ABLAZE IN VEINS - Vanquished Sanity
シングル (2/22)
東京を拠点に活動しているメロディックメタルコアバンドの最新シングル。1st EP ''Scapegoat'' を出した頃、筆者が彼らのレコ発に行って喰らって帰ったのはいい思い出。昨年の初めに盟友ALIOTHとのスプリット ''Our Sanctuary at Daybreak'' を引っ提げて東名阪ツアーを完遂させた矢先に、Dr. RyuyaがTOROでの活動に専念するため脱退。しばらくはサポートを入れながらライブ活動は継続していたものの、12月にex. An Iced GraveyardのDr. 金子が正規加入したことでフルメンバー体制が復活。苦難を乗り越えた今年はさらなる躍進に期待がかかります。
現体制初のシングルとなる ''Vanquished Sanity'' 、Tr.1の表題曲はキャリア史上最高BPMでの爆走メロデスリフをふんだんに使ったメタルコアナンバー。Vo. Matuwelも今までやらなかった詰め込み系ボーカルアプローチに挑戦したり、サビパートではナヨくならない程度にバッキングコーラスを加えていたり、アウトロでしっかりブレイクダウンで落としたりと聞きどころも多数。Tr.2 ''Beyond the Parting Paths'' では以前からライブで披露されていたインスト。Gt. Yuki Hasaのメロディアスなリードワークが光る一曲になっています。
また、すでに次回作のシングルとミュージックビデオの公開、4月には次のレコ発も予定されており、彼らの動向にますます目が離せません。
A Scent Like Wolves - Distant Distopia
アルバム (2/23)
アメリカ・ペンシルバニア州ランカスターを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新アルバム。SCYLAも在籍しているTheoria Records所属、これまでRNR TOURS主催で2度の来日ツアーを経験していたり、Sailing Before The WindやAbstractsの楽曲に客演で参加していたりと、日本とのかかわりも深いバンドです。プログレッシブメタルコア特有のテクニカルなリフワークや独特の浮遊感、Al & Nick Boltzの兄弟によるボーカルアプローチを活かしたポストハードコア要素と繊細なメロディは根強い人気があります。
前作 ''Mystic Auras'' 以来3年ぶりのフルアルバムとなる今作 ''Distant Dystopia'' では、終末後の惑星を舞台に繰り広げられるスペースオペラの要素を取り入れたコンセプトアルバム仕立てとなっており、上述したサウンドはブレずに所々宇宙をイメージさせるようなエレクトロサウンドが盛り込まれており、それが静と動のコントラストも相まって独特の浮遊感を際立たせています。また、客演にはInvent AnimateのMarcus Vik (Tr.6), サイバーグラインドZOMBIESHARK! (Tr.8)が参加していますが、最後のTr.12 ''Escape Hatch'' で盟友のSBTWが参加しているのが一番のポイント。アンセミックなメロディに満ちたエンディングに華を添えます。
AULVIEW - So I…
シングル (2/23)
東京を拠点に活動しているオルタナティブロックバンドの最新シングル。Gt/Vo. Kaishiを中心に、(両バンドとも活動止まっているっぽいですが)横浜発ポストハードコアUNBLEEDのBa. Koseiと東京発ダウンテンポCIVILIZERのDr. Ryoheiの3人で2022年に結成。昨年リリースされたデビューフルアルバム ''BRIGHTSIDE.'' では、ギターロックを主軸にヒップホップ、R&B、EDMなど独自のセンスで融合させたハイブリッドなオルタナティブサウンドはもっと注目されてもおかしくないクオリティ。CVLTEやCrowsAliveあたりのリスナーにもお勧めです。
アルバムリリース後、2024年初のシングルとなる今作 ''So I…''は、''Fate''シリーズでも有名なノベルゲームTYPE-MOONの作品 ''月姫'' にインスピレーションを受けて制作され(筆者はリメイク含め未プレイですが…)、ピアノやベースミュージックから影響を受けたハイブリッドなアプローチをふんだんに盛り込みながら登場人物(おそらく主人公)の心情をなぞっていきます。コンポーザーも務めているKaishiの色気を感じるボーカルワークにも注目です。6/1には下北沢で自主企画 ''fauxmemory Vol.2'' も行われますので未聴の方は過去作含めチェックしましょう。
Austrian Death Machine - Quad Brutal
アルバム (2/23)
メタルコアバンドAs I Lay DyingのフロントマンTim Lambesisによるサイドプロジェクトの最新アルバム。ジャケットや楽曲を聴けばわかると思いますが、元々は彼が敬愛する俳優Arnold Schwarzenegger出演作のパロディとトリビュートを表現するコンセプト・バンドとして立ち上げられたプロジェクトでこれまでに3枚のアルバムがリリースされています。以降はTimが別居中の元妻の〇人依頼をしようとした罪で刑務所に入ったり、出所後も再始動したAILDでの活動を中心としていましたが…昨年新曲がリリースされたことで久々のアルバムが来るのではと噂されていました。
噂通り前作 ''Triple Brutal'' 以来10年ぶりにリリースされた最新アルバム ''Quad Brutal'' では、スピーディーで駆け抜けるような爽快感こそ変わらないものの、それまでスラッシュメタルをベースにハードコア/デス/メタルコア的をプラスしたクロスオーバースタイルから変化し、よりAILDでも提示されているメロディックメタルコア寄りな作風へ。Angel Vivaldi,Clayton King, などゲストギタリストを加えていますが、基本的に作詞作曲をTim自ら手掛けているのは変わりません。さらにTr.8 ''Destroy The Machines'' では彼の妻であるDany Lambesisもゲスト参加。MVでも彼に負けず劣らずド迫力のスクリームを披露してくれます。
また、「ターミネーター」シリーズを始めArnold Schwarzenegger出演作の音声をサンプリングするのは今作も健在のようです。
Darkest Hour - Perpetual | Terminal
アルバム (2/23)
アメリカ・ワシントンD.C.を拠点に活動しているメタルコア/メロディックデスメタルバンドの最新アルバム。30年近くのキャリアのなかで、出自や核はハードコアでパンキッシュかつ躍動感のあるビートを取り入れながら、At The GatesやEdge Of Sanityあたりの北欧メロデス直系のリフワークを取り入れたハイブリッドなスタイルを初期の段階から確立させており、今でもその芯はブレていません。昨年Sable HillsのVo. Takuya & Gt. Rictがキュレーターを務めているEverlasting Fireにより7年ぶりの来日が実現、''Undoing Ruin'' ''Deliver Us'' 完全再現セットリストで2Daysを成功させてのも記憶に新しいです。
前作''Godless Prophets & the Migrant Flora''以来約7年ぶり、通算10枚目のアルバムとなる ''Perpetual | Terminal'' は30年近く培われてきた彼らのスタイルを総括するような作品となっており、Tr.1の表題曲やTr.3 ''A Prayer to the Holy Death''を聴けばわかる通りメタルコアとメロデスの境目を常に行き来するアプローチとよりモダンに洗練された音像は決してノスタルジーへの依存ではないことを証明しています。死と生・諸行無常・一見無意味に見える世界での意味の発見などより広いテーマに探求に内省的に考察したのもポイントで、特にアルバムを締めくくるTr.11 ''Goddess of War, Give Me Something to Die For'' の重々しいイントロとアグレッシブなビートアップは膝を付かずにはいられません。
Lost in Separation - Sabertooth
アルバム (2/23)
アメリカ・テキサス州ダラスを拠点に活動しているプログレッシブメタルコアバンドの最新アルバム。デビューアルバム ''Sister Moon'' からテクニカルなリフワークや浮遊感とヘヴィネスを自由に行き来する、そのクオリティの高いサウンドはコアなメタルコアリスナーの間で話題になっていましたが、2022年にはEP ''The Secrets We Keep'' をSpiritboxも所属しているPale Chord Musicからリリースし、スペーシーかつ近未来的な雰囲気を取り入れながらも一貫した作風は期待を裏切りませんでした。Sailing Before The Windの楽曲 ''Rain or Shine'' ではフロントマンMilad Parsaが参加したこともあり、日本ともつながりがあります。
フルアルバムとしてはデビュー作以来6年ぶりとなる今作 ''Sabertooth'' では、人間性への絶望と神性への挫折といった悲観的なテーマを歴史的および文化的に重要な場所や物事になぞらえて展開されており、Tr.2 ''Persepolis'' やTr.6 ''Dakhma'' は今も戦争が絶えない中東・イスラム圏にバックグラウンドがあるMiladだからこそ提示できるんじゃないかと。Tr.1 ''No Kings'' から始まる激しいオープニングから、そのテクニカルなリフワークと一聴しただけで彼だとわかるMiladのハイピッチなシャウトが存分に発揮されています。テーマがテーマだけあってこれまで以上にダークかつ重々しい方向へ舵を切っており、Tr.5の表題曲や''Dakhma''ではそこが生々しく出ているのポイントです。
PLEIADES - 独白
EP (2/26)
首都圏を拠点に活動するオルタナティブ・マスロック・エモバンドトドメドリ.のコンポーザー/ギタリスト斎藤空大によるソロプロジェクトのミニアルバム。これまで何度か取り上げてきましたが、トドメドリ.で提示されている変拍子・アルペジオを織り交ぜながらもレイヤーが重なったギター主体のバンドサウンドはブラさず、ピアノやエレクトロなど取り入れた音数多めの作風は複雑でありながらもキャッチーで、過去にはFall of TearsのVo. Mochinaga、(もうすぐ脱退しますが)同じトドメドリ.のVo. 相良心、そしてアイドルポエトリープなどをゲストに加えた楽曲をリリースしています。
待望のデビューミニアルバムとなる ''独白'' は、ゲストボーカルに中村エリ、ex. tipToe.の花咲なつみ、ex. 代代代の梨央とエモポップ/アイドルシーンで活躍してきた方々を招いて制作。変拍子と綿密なギターワークが際立つマスロックを軸に、ピアノサウンド・激情ハードコアなどを取り入れたサウンドは、晴れやかなのにどこかもの悲しさを感じてしまう魅力があります。デビュー作の時からそうでしたが、アニメ・ゲーム・同人音楽・アイドル・クラブミュージックに自然に触れてきた世代の人間だからこそ成立できるスタイルはオタクの心をくすぐります。トドメドリ.もメンバーが抜ける前に一度観ておきたかったですね…。
ここまでお読みいただきありがとうございました。気に入ったら是非こちらのnoteや下記Twitterアカウントをフォローしてもらえると幸いです。あと感想やシェアして広めてもらえると励みになります。
バックナンバーはこちらから読めます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?