ふじたにおさむ

小説家です。おもしろい小説を専門に書いています。

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最近の記事

自費出版備忘録(番外)

製本や印刷のことを考えていたら、自分の本棚にある古本のことを思い出したので、ちょっと書いておく。 今、本の綴じ方といったら、平綴じ・無線綴じが当たり前で、平綴じは週刊誌の綴じ方だというイメージが強い。 だけどこんな本もある。 瀧井孝作『無限抱擁』の、多分初版。創元社刊。昭和十年九月発行。 362ページくらいあって、紐で綴じてある。 これ、どうやって作ったのだろう。多分、綴じるところまでは、でっかいミシンみたいな機械があったんじゃないかと思う(そう思う理由は後述)。 だけど

    • 自費出版備忘録(17)

      8月24日(金) 表紙は仲俣さんに直してもらった。自分で直せるところも9割直した。 つまり、9割完成だ。いや、99.9%完成している。 ここからが猛烈にドギマギする。 印刷だ。 印刷屋さんを探して、部数を決める。 印刷屋さん数か所に、見積もりを出してみた。まちまちだ。 それが不安をあおる。 いいもの作らなきゃ意味がない。ここにきてしょうもないものは作れない。 といって僕は、立派な本を作るつもりはない。 最初は、新書版で作りたかった。それはアメリカの安っぽいペーパーバックが好き

      • 自費出版備忘録(16)

        8月21日(水) 表紙を作ってみた。 右側に背表紙が見切れているのはなんなんだ。直らぬ! 著者名はもうちょっと左の方がいいと思う。それはすぐ直せる。 背表紙だ問題は。 表紙は素人臭くていいんだ、素人なんだから、と、開き直っております。

        • 自費出版備忘録(15)

          8月12日(月) 前回書いた「版型が変えられない」問題は、もう一回やってみたらできた。こういうことが少なくないの! 昨日できなかったことが今日はアッサリ、ってことがね! 何が違うのかなんて原因究明しない。できりゃいいんだから。結果オーライなんだから。 しかし天地の余白が直らないので、またしても仲俣暁生さんにすがりついてしまった。仲俣さん、親切に教えてくれただけでなく、地の部分に余白も作ってくれて、アドヴァイスもくれる。仲俣様方面に向かって手を合わせました。 仲俣さんは課題

        自費出版備忘録(番外)

          自費出版備忘録(14)

           突然、振出しに戻ったような気分になる。こういうことがあった。  インデザインのファイルを仲俣さんに見てもらったところ、やはりサイズが小さすぎるのである。文庫本サイズで、それを僕は2段にして作っていた。それじゃ豆本みたいだ。サイズを変えよう。  サイズについて、僕はずっと勘違いをしていた。インデザインでファイルのサイズを変えるには、「プリセット」を変えなければいけないと思いこんでいたのだ。そんな必要はないのである。一番左の「ファイル」から「ドキュメント設定」をクリックして、好

          自費出版備忘録(14)

          自費出版備忘録(13)

          8月6日(火) 前回書いたはずの「フォントを直す」問題だが、 ファイルを開いて「T」ボタンで全文をCtrl+Aで選択し、右クリックしたら「フォント」っていう選択肢が出て、いっくらでも直すことができた。 僕はその時思った。(こ、こんだけのこと~!) フォントを変えて3個も4個もファイルを作って、いちいちPDFにして字面の印象を比較検討したところ(贅沢なことしてる~)、「小塚明朝」というのが柔らかくていいんじゃないかと思ったので、これで行こうかと思う。残りのファイルはこの備忘録を

          自費出版備忘録(13)

          自費出版備忘録(12)

          8月3日(土) 多分だけど、本文は全部できた・・・ あとはプリセットを変更して版型を小さくし(やり方、判らない)、全体のフォントを軽くし(やり方、判らない)、表紙を作れば(やり方、判らない)、完成だ。多分だけど・・・ 本文全部というのは、小説と、あとがきと、付録だ。 そのうちあとがきと付録は、ワードに書いて、全体をコピーして、インデザインを開いて、くっつけたいところに「T」のボタンでペーストしたら、あっさりできた。 インデザインでも文章については、ワープロと同じ要領でできる

          自費出版備忘録(12)

          自費出版備忘録(その11)

          7月18日(木)  あれこれ忙しい日だった。インデザイン関係ばかりではない。疲れて目がしっかり開かない。でも今のうちに書いておかないと忘れそう。  出版社から実費で絶版になった僕の小説のデータを引き取った。これは本になったテキストだから、こちらに保存している生原稿みたいに、いちから文章を検討し直す必要もなく、事実上、インデザインと取り組んできた今までの苦労はしなくてすむ。1作や2作ではないから、こんなありがたいことはない。  担当編集者とも電話で話した。僕のやることを理解して

          自費出版備忘録(その11)

          自費出版備忘録(その10)

          7月12日(金)  久しぶりにインデザインをいじる。  今日は仲俣暁生さんと会う約束をしたのである。雨の中パソコンを持って仲間さん宅に近い(らしい)レストランで待ち合せ。  仲俣さんの「授業」は理解しきれないところもあった。普段Macで作業しているはずなのに、僕のウィンドウズをばりばり操作して、インデザインにできることを目の前で展開してくれる。ついていくのが大変だった。  しかし僕の無理やりっぽいやり方は思ったほどデタラメだったわけではなかった。そもそもインデザインが手作業的

          自費出版備忘録(その10)

          自費出版備忘録(その9)

           昨日作ったファイルを呼び出して、段落の頭を1文字下げたり、エピグラフのレイアウトを変えたりして、楽しく過ごす。BGMはプーランク。  この日記も昨日みたいにテンパらずに、軽やかな気分で書ける。  僕は、自慢ではないが、野蛮人である。プレフィックスとかダイアログボックスと言われても判らない。そして判らないことを判ろうとしない。結果として、きちんとできるはずのことができないし、楽にできるであろうことも手作業で無理矢理片づけてしまう。  おまけに一昨日くらいから、キンドルが開か

          自費出版備忘録(その9)

          自費出版備忘録(その8)

          6月29日(土)  どうもインデザイン、やればやるほど混沌の泥沼に陥っていくようだ。今日やったことを最初から思いだせるかどうかもわからない。やってみよう。  とにかく昨日までいじくっていたファイルの行数が変えられないのがシャクでシャクでならないから、新しいファイルを作り直そうと思ったのだ。そこでまず、アクロバットを開いた。行数の変わらないファイルをPDFで開き、これをテキストファイルにして、『本文2』として保存した。・・・今にして思えばこの作業は、若干無理やりなところがあった

          自費出版備忘録(その8)

          自費出版備忘録(その7)

          6月25日(火) ここ何日か、諸事に追われてインデザインを開いていなかった。いろんなことを忘れている。これまで作ったファイルを開いて、まずは「俺はそんなに馬鹿じゃない」と自分に言い聞かせるところから始めなければならなかった。「頭の出来は、せいぜい『合格より少し下』くらいなもんだ。大丈夫」 しかしファイルの行数を変えられないのは同じなので、久しぶりだから許してもらおうと、恥を忍んで仲俣さんにメールをする。 すると、とうとう仲俣さんの返信が読み取れなくなってしまった。 マスター

          自費出版備忘録(その7)

          自費出版備忘録(その6)

          何時間も全速力で走って2センチ進む。それがインデザイン。 今日は「TはテキストのT」ということを学ぶ。インデザインの左側に並んでいるハイテクっぽい記号のうち、Tの字が書かれたところをクリックすると、文章の書き直しができた。なんかこれ、ほかのソフトでもTはテキストのTだった気がする。なんだったかは憶えていない。 ついでにAdobe Proを使って、インデザインのファイルをPDFに変換するのにも成功。 PDFでようやく完成図、というか「この状態で完成したらどうなるか」を見ることが

          自費出版備忘録(その6)

          自費出版備忘録(その5)

          6月14日(金) テキストファイルが最初のページしか流し込めない問題、なんとShiftキーを押しながらクリックしなさいと「基本のインデザ」5-1-9の247頁に書いてある。その通りにしたら流し込めた。 おかしいだろ。ファイルを開くところには「開く」って書いてあるんだよ。「開く」っていうのは「そのファイルを全部開く」って意味なんだよ当たり前だろう。なんでシフトキーなんか押さないといけないのよ。なんでそんな、裏技みたいなことしなきゃいけないの! 今日さらにこれから先のことをやるか

          自費出版備忘録(その5)

          自費出版備忘録(その4)

          6月13日(木) インデザイン判らぬ。一切判らぬ。何が判らぬかも判らぬ。 だいいち自分の原稿が全然インデザインに流し込めない。夜中に仲俣さんへメールを送る。仲俣さんすぐ返事くれる。藤谷が何を判ってないかが判ったとの由。 僕はインデザインとはゲラを作るソフトだろうと書いた。すると仲俣さんは、インデザインは組版を作るソフトだという。ゲラとは「見本刷り」のことだという。楯突くわけじゃないが、それはおおむね知っていた。専門用語を知らないだけだ。 仲俣さんはまた「インデザインはワープロ

          自費出版備忘録(その4)

          自費出版備忘録(その3)

          6月10日(月) Adobe InPrintを買う。インストールはできたはず。 今日の仕事はもう終わり。

          自費出版備忘録(その3)