自費出版備忘録(その10)

7月12日(金)
 久しぶりにインデザインをいじる。
 今日は仲俣暁生さんと会う約束をしたのである。雨の中パソコンを持って仲間さん宅に近い(らしい)レストランで待ち合せ。
 仲俣さんの「授業」は理解しきれないところもあった。普段Macで作業しているはずなのに、僕のウィンドウズをばりばり操作して、インデザインにできることを目の前で展開してくれる。ついていくのが大変だった。
 しかし僕の無理やりっぽいやり方は思ったほどデタラメだったわけではなかった。そもそもインデザインが手作業的なツールなのでもあった。根本的なところで安心できたのは、本日最大の収穫。
 天地やノド、小口の調節の仕方も判ったし(これが結構、アナログ)、ノンブルも打つことができた。帰宅したらやり方を忘れちゃったような気がして、もう一度仲俣さんに電話したけれど、よく見たらできていた。

 原稿が整っていることが最も重要だと、仲俣さんに言われた。言われてみれば当たり前なのだが、インデザインなんだからと、意味不明に気負ってしまっていたことに気づく。要は印刷屋さんに印刷されてから「アちょっと待って!」とならないものを作るためにインデザインはあるので、インデザインのために僕の原稿があるわけではない。
 だからいつも編集者とやり取りをしている時と同じく、誤字脱字をなくし、文章を満足いくよう推敲するのが最重要なのだ。それならある程度、僕にも自信がある。

 これからやること。
 現在の原稿はPDFにしてプリントしたので、まず、それで文章を直す。
 それから親ページの天地・ノド・小口を調節して、読みにくくないようにページ数を減らす。
 それができたら表紙を作る。これはなかなか大変かもしれないが、まあ何とかなるだろう。
 それでインデザイン内の作業は終わりだ。印刷屋さんを探し、安いところを選んで、値段を決め、販路を開拓する。それはもう別次元の問題である。
 本屋で働いたり、本屋を開いたりしていた経験が、役に立つかもしれない。今から「売れますように」と、神田明神に手を合わせておこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?