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おいみんな、PlayStation5を語らせてくれ【機能や仕様を簡単に紹介・解説】

6月12日、朝5時からYouTubeなどでPlayStation 5専用ソフトを次々に紹介する動画配信イベントが行われたのですが、その最後にサプライズでPlayStation 5本体のデザインが世界初公開されました!!(遂に!!)

紹介されたソフトについては、感想を述べつつ簡単にまとめた記事も書きました。

ので、今回はPlayStation 5というハードウェアについて、これまで発表されてきた情報をまとめながら簡単に(短くとは言っていない)解説をしていきます。ゲームを愛する民なので。

厳密には専用OSなども含まれますが、この記事ではPlayStation5 をわかりやすくまとめてハードウェアとして紹介します。そんなとこ気にする人もいないと思うけど。

なお、あまりに専門的だと勝手に判断した要素は割愛していますが、それでもある程度は深堀りされているため、どなたでも伝わりやすそうな例えも掲載します。わけわからん方はそこだけでも読んでください。(目次の各項目に飛んで少し上にスクロールすれば、前項のそれが書いてあります。)
7400字近くあり、正直全部読むと疲れると思われるので…

概要

PlayStation 5(以後、PS5)はSONYが長年製造しているゲーム用ハードウェア(ゲーム機)『PlayStation』シリーズの次世代向け最新機。現行機である PlayStation 4の発売された2013年(日本発売は2014年)から7年ぶりの新ハードとなります。

正直 PlayStation 4 が出た時も1つのステージにある物体の量やグラフィックの綺麗さに度肝を抜かれたのですが、今回のPS5でさらにその性能が上がるようです。すごい。

そしてゲームという体験型エンタメの観点で見てもより上質なハードになりそうなので非常にワクワクしています。

そのPS5のどこがレベルアップしたか、どんな新機能が出てきたか、1つずつ見ていきましょう。


ロード時間の短縮【カスタムSSD・カスタムI/O】

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ゲームを遊ぶすべての人にストレスを与えるのがロード時間。たとえばロールプレイングゲームで「Aの洞窟からBの街にワープする」というシチュエーションがあったとき、現在のPS4では約20秒から60秒以上の待ち時間が発生します。たかが数十秒でも、ゲーム中になんども発生したりするとかなりのストレスになります。

そのロード時間がPS5では理論上100倍以上速くなるようです。

100倍以上!?!?!?!?
そんな一気に飛躍することあるんだ。

このパワーアップの理由は2点。

① 標準ストレージをHDDからSSDに変更
PS4までは購入時点ではHDDが搭載されていました。これはユーザーが自由に換装できる仕様になっていたため、PS4のロードを早くするためにSSDに変更した方も多くいます。

それがPS5では最初からSSDが搭載されており、物理的な改善によって高速化を図ったみたいです。これにより、メインメモリ内のバッファ領域縮小とそれに伴うメモリ効率の向上の効果も表れます。

HDD、SSDについては簡単に以下の記事にまとめています。

② SSD、APUを独自カスタマイズ
PS5に初期搭載されるSSDは市販のものではなく、SONYが独自にカスタマイズしたものだそう。厳密には、SSDに内蔵されているデータアクセスを制御するコントローラーをカスタマイズして高速かつ柔軟なものにしたことでロードの高速化に貢献しているみたいです。

加えて、APU(AMD社のGPU内蔵CPU)にもカスタマイズしたI/Oコントローラーを搭載し、SSDから読み込んだデータをメモリに配置するまでの処理も高速化しているとのこと。

実際にPS5タイトルの映像を見ると、紫の異次元空間を経由して高速に別のマップを移動していることが分かります。

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【簡単に言うと…】
荷物を入れる棚を、大きく取り出しやすいものにしたよ!
その上、荷物を取る係の人に仕事が早くなるアドバイスをしたよ!
すると超高速で荷物が出てくるようになったよ!


グラフィックもよりきれいに!【GPU・CPU性能の向上、レイトレーシング】

3DCGのゲームでは、違和感のない(≒リアリティのある)映像がプレイヤーの情報整理のしやすさや物語への没入感を高めます。とは言え、正直グラフィックに関しては細かい話ができないため、分かる範囲で見ていこうと思います。

〇 GPU性能
ゲーム内のモノを実際に画面上に描いてくれるGPUは、通常TFLOPS(テラフロップス:秒間何兆回計算できるか)という指標で測られることが多いです。

現行のPS4は1.84 TFLOPS。高性能モデルのPS4 Proは4.20 TFLOPSまで性能が引き上げられ、仮想的な4Kに対応できるようになりました。

そして今回発売されるPS5のGPU性能は、なんと10.3TFLOPS。より繊細なテクスチャが貼れるようになり、将来的には8K対応も可能だそう。それはそうと、8Kって解像度の良さを視認できるレベルを超えてそうですよね。

〇 レイ・トレーシング

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また、PS5には新たに「レイ・トレーシング」という光を追跡して反映する機能が加わりました。これこそGPU性能が上がったことの一番の効果でしょう。

例えば水たまりにビルが映っているとすると、現実では太陽などからの光がビルに反射して水たまりに届き、さらに反射して目に入ることで成立します。レイ・トレーシングは、これを再現するために水たまりに当たる光を逆方向に辿って、ビルにぶつかったらそのビルを水たまりの上に描き足すような機能です。

これにより、さらに現実味のある環境を描くことができるようになるわけです。

そんなことできていいの?  いい時代になったな。

〇 CPU性能
さらに、CPU性能も上がっているため物理計算(重力や慣性や衝突判定など)をより細かく行ったり、画面内にさらにたくさんのオブジェクトを配置したりできるようにもなってるんじゃないでしょうか。例えるなら、森を表現するとしてこれまで以上に草花や木々を自然っぽく置けて、風で葉っぱが揺れる様子もさらに臨場感が増すようになる感じですかね。

【簡単に言うと…】
モノをもっといっぱい置いて、遊びの幅を増やせるようになったよ!
モノの表面にもっと綺麗な絵を描けるようになったよ!


体験型コントローラー【ハプティック、アダプティブトリガー】

ゲームのコントローラーは、ただソフトを操作するための道具というわけではありません。反対にコントローラーからそれを握る手にリアクションが返ることによって、ゲーム体験の質をさらに向上させています。

コントローラーにはこれまでも振動機能が搭載されていて、操作する対象が得たであろう感覚を疑似的に体験することができました。しかしPS5のコントローラーはそれがさらにパワーアップ!

〇 ハプティック

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ハプティック技術は以前にも別の記事で取り上げました。

改めて説明すると、この技術は触感を情報として伝えるもので、ゲームにおいては「振動の位置や量を微調整することでより繊細な体験を得ることができるもの」です。Nintendo SwitchのJoy-ConにHD振動と名付けて搭載されている機能もこちらです。

例えば手に持つグラスに氷をゴトッと落とし、そこにシュワシュワの炭酸水をトクトクと注いだとしましょう。まずコントローラー下部あたりで氷がグラスにあたった振動が起こり、そこから上に向かって少しずつ小さな泡が弾ける感覚と液体が注がれる感覚が伝わっていき、あたかも実際にその出来事を体験したかのような感触を得られる、といった使い方ができるわけです。また、この些細な感覚の違いを謎解きに使ったりもできるでしょう。

〇 アダプティブトリガー

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PS4やPS5のコントローラーにはトリガー型ボタンがあるのですが、このトリガーの抵抗をプログラミングできるようになったみたいです。

ゲーム中の使用例で言うと、例えば軽いものを手に取る時は軽く握れるように、重いものを持ち上げる時は実際に少し力を加えて操作できるようにする、といった動的な体験をもたらすことができそうです。

このハプティック技術やアダプティブトリガーといった要素が加わることで、遊び方のデザインや演出などに多様性が加わりさらに上質な体験ができると思われるので、ワクワクしますね!!

【簡単に言うと…】
もっと多彩でリアリティのある体験が手に直接伝わるよ!


サウンドの進化【Tempest 3Dオーディオ】

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ゲームから流れる音も時代と共に進化してきました。これまでもステレオ・サラウンドシステムが採用されており、前後左右どの位置から音が発生しているかを判断できるような環境がありましたが、ここもさらなる進化がありました!

PS5で新たに搭載される「Tempest 3Dオーディオ」は複数の技術で構成されていますが、中でもわかりやすく目玉になる機能がHRTFマッピングです。

人間は鼓膜に到達する前に耳というアンテナ上で変調された結果の音を聞き分けて前後左右上下の音の違いを判断しているわけですが、どんな風に変調されているかを表したものがHRTF(頭部伝達関数)です。

厳密にはHRTFは一人一人違いますが、これを大まかに5パターンに分けたものをプレイヤーに合わせて選びゲーム内のプレイヤーの周囲にマッピングさせることことで、音の臨場感を強める工夫を行っているそう。具体的に言えば、ゲーム内で音が鳴るとその発生位置に応じてリアルタイムでHRTFを適用させるわけです。

この結果、左右の音の違いだけでは表現しきれなかった前後や上下の音がもっと正確に伝わるようになるとのことですが、早く実際に体験してみたいですね!!

将来的にはプレイヤーが耳の画像や動画を送ることで厳密に個人に合わせたHRTFを生成するといった展望もあるようです。

また、PS5ではこのHRTFマッピングを含む音響処理のために専用の機構を用意しており、ゲーム開発者がしっかり音にこだわりやすくなっているみたいです。

【簡単に言うと…】
現実の耳で聞く音を再現してより臨場感を出したよ!
音にいっぱいこだわれるようになったよ!


PlayStationの伝統、メディアプレイヤーはあるのか?【4K Ultra HD Blu-ray】

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さて、この項目ではまだ正式に発表されていない要素について言及します。

PlayStationというゲームハードはこれまで、家電メーカーでもあるSONYという会社の特徴を活かして「マルチメディア」という面を強く推してきました。

例えば初代PlayStationではCD、PS2ではDVD、PS3ではBlu-ray Discが再生できるようになっており、1つのハードでゲームだけでなく音楽や映画などを楽しめるように設計されていました。当然、ゲームソフトの媒体はそれぞれのディスク形式に準拠しています。

PS5のソフト媒体はBlu-rayディスクがさらに進化した「4K Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」を採用しており、以前よりさらに容量の大きいゲームを収録できるようになります。

反対に言えば、もしこれまでのPSシリーズと同様にマルチメディアとしての側面も持たせるのであれば、今後普及に力を入れるであろうUHD BDの映像ソフトの再生も可能になるのではないか?  と思います。

【簡単に言うと…】
発表はされてないけど、超すごいブルーレイの映画とかも見れるかも!?


本体デザインとバージョン

さあいよいよ本体デザインの紹介です。といってもこの記事のサムネでネタバレしているのですが。

さあ、こちらが次世代PlayStationの本体です!!

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おぉ… 超最高…

これまでのPlayStationの中も一番未来感を強く出したデザインではないでしょうか。また、これまで基本カラーがブラックだったのに対して初めて(多分)ホワイトを基本としたイメージになっています。

横向きにも置けるようですが、これは是非縦に置いて遊びたいものです。


さらに、これまでのPlayStationとまったく違うアプローチとして最初から2つのモデルが用意されています。

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左が先ほど紹介した通常のモデル、右はディスクドライブを完全に廃したデジタルエディションです。デジタルエディションは、ゲームなどのコンテンツを完全にダウンロード限定で楽しむ方向けに用意されており、わざわざ用意するあたりこちらの方が多少安くなることが予想できます。

そして、反対にわざわざディスクドライブを用意してるバージョンがあるということは、先述のUHD BDでゲーム以外を楽しむ用途も用意されているということではないでしょうか。

余談ですが、物理メディアを買わずにダウンロード版限定でゲームを楽しむというのはここ数年でようやく当たり前になりつつありますが、実はPlayStationでは同様の試みを10年以上前に既に行っていました。

PlayStationの携帯機であるPSPを発展させたPSP goは2009年に発売されたのですが、ディスク挿入口がなく画面部を上にスライドさせることによって操作部が現れる当時にしては珍しいタイプのゲーム機でした。フィーチャーフォンでも採用されていたその物理的機構に私も心躍り、かなり欲しがっていた記憶があります。

しかし、それまで購入したPSPソフトが使えないこと、そして当時はネットでゲームを購入する文化や環境がまだ根付いていなかったことなどが原因でPSP goは不発に終わってしまいました。

時代がようやく追いつきましたね。感慨深いです。

【簡単に言うと…】
未来感のあるデザインになったよ!
ディスクを入れられるタイプと、ダウンロード限定タイプの2種類が発売されるよ!


発売日や価格を予想しよう!

大まかなハード仕様や本体デザインは発表されましたが、ここでは未発表の発売日や価格を予想してみようと思います。私が楽しいからです。

〇発売日
公式には今年の年末商戦期に発売とされています。またアメリカ版ページではホリデーシーズンに発売されることになっています。これを鵜呑みにするのであれば、クリスマス付近の発売ということになります。

ただし、年末商戦は10月あたりを開始日に指す場合があり、アメリカのホリデーシーズンも11月末のサンクスギビングデー(感謝祭)から始まるという見方があります。つまり、12月より前に発売される可能性もあるということです。

次に、先日発表された「PS5タイトルのNBA 2K21」の告知トレーラーでは発売日を2020年秋としていることからやはりクリスマス以前の発売が見込まれます。

さらに、これまでの据置型PlayStation新作の日本での発売日はすべて大安の土曜日

これらのことから推測するに、PS5の発売日は11月28日(土)!!

こうやって予想すれば発売日の発表がより楽しみになりますね!

〇 価格
価格については細かい根拠のある推測ができません。ハードウェアの市場価格に詳しくないので。

ただ、同等性能のPCを自作しようとすると20万円近くかかるみたいなので、正直いくらになっても性能面から考えると激安になるのは間違いなさそうです。

ちなみに、ネット上では7~8万円程度と言われていますが、個人的にはそこまで高価にはならないのでは…?  と思っています。根拠としては、PS3の失敗が挙げられます。

PS3は発売当時、ゲーム特化とは言え驚くほどにハイスペックなハードウェアだったようで、そのスペックに合わせるように5~6万円という価格設定を行いました。が、その価格の影響か当初は売り上げが伸び悩んでいたようです。

他社ハードも含め「ハードの価格が高いとスペックに関係なく購買意欲が削がれる」という前例があり、PS3でこの失敗を体感している以上7~8万円という価格設定でふんぞり返るようなことはない、というかそんな態度取ったら消費者が離れていくことを学習してほしいという個人的な気持ちがあります。

実際、よほど好きでもない限り専門的な用語で語られるスペックなど消費者にとっては分かんないしどうでもいい部分だと思います。結局面白いゲームが遊べて4万円くらいで買えるゲームが求められているわけです。

PS3以外のハードは発売当初の価格を4万円程度に抑えており、結局PS5もそのくらいの価格を設定してくるんじゃないかと思いますが、いかんせんスペックを考えると4万円では難しいのでは…? とも思います。

最近の消費者はスマホなどに対する購買行動としてリッチであることをなんとなく感じることができれば少し高価になっても抵抗がすくないこと(リッチなマシンへの理解を示す人が増えた)、ここ数年でゲームという文化がさらに大衆的になりつつあることなどから、やはり少し高い値段を設定してくる可能性が考えられます。

よって、ディスクドライブ付きが約50,000円デジタルエディションが約45,000円程度になると予想します!

【簡単に言うと…】
予想発売日は 2020年11月28日(土) !!
予想価格は
ディスクを入れられるタイプ:約50,000円
ダウンロード限定タイプ:約45,000円


まとめ

というわけで、現在発表されているPS5の情報のまとめや解説、未発表要素の予想などを行ってみました。

非常に興奮するスペックを備えた新世代のゲームハードで、個人的には今すぐ遊びたいくらいワクワクしています。

しかし、あくまでもPlayStation 5はゲームというエンターテイメントを楽しむためのハード。ソフトを遊ぶための土台なわけです。結局、ソフトでどんな体験ができるかが重要になってくるので、今後の情報にもまだまだ期待したいと思います。

できるだけ正しい情報を載せているつもりですが、なにか誤りなどがあればご指摘ください。


重要参考資料

・一部のハードウェア仕様について公式発表された動画

・上記動画を西川善司氏が翻訳解説、考察した記事(前編)

・西川善司氏が翻訳解説、考察した記事(後編)

・PS5の本体デザイン動画

・DUAL SENSE動画


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