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反復性肩関節脱臼の病態を理解しよう

こんにちは、理学療法士の藤田(https://twitter.com/hiro24439725)です。

今回は、反復性肩関節脱臼について。


最近、病態について理解することの大切さを改めて感じています。

そんなのは、当たり前だ。

と思いますよね。日々の仕事の中で少し疎かになってました、反省です。

反省は生かさないとだめなので、しっかりと勉強していきます。


で、反復性肩関節脱臼と診断された方をみさせていただく機会があったので

調べた内容をまとめてみました。

では、いきましょう!


肩関節不安定症

肩関節の脱臼を生じる疾患を肩関節不安定症といいます。

脱臼とひとまとめに言っても、脱臼する方向や外傷の有無などによって病態は異なるので、下記にまとめてみます。

◆反復性肩関節脱臼
◆minior shoulder instability
◆習慣性後方亜脱臼
◆MDI(多方向性肩関節不安定症)
 など

肩関節不安定症の中でも、

反復性肩関節脱臼が最も多く、外傷によって生じることが多いです。

今回は、この反復性肩関節症についてまとめているので詳しいことがは、これより先でまとめていきますね!

非外傷性のものは、習慣性とも呼ばれることがあり、習慣性後方亜脱臼やMDIなどがあります。

minior shoulder instability
中関節上腕靭帯(MGHL)/関節唇複合体の損傷や弛緩による機能不全が主病変である。主に投球動作や水泳など繰り返し高強度運動が原因となる。


反復性肩関節脱臼の病態

反復性肩関節脱臼とは、外傷を契機に肩関節が脱臼を起こした後、繰り返し脱臼や亜脱臼を繰り返す状態のことを言います。

外転・外旋位など特定の肢位で不安定感や疼痛、脱力感を訴えること多いです。

再発生率は高く、脱臼や再脱臼を繰り返すことで微細が外力でも脱臼するようになり、スポーツ活動だけでなく、ADLにも支障をきたすようになることもあります。

治療としては保存療法では再脱臼率が高いため、第一選択として手術療法が優先されます。手術療法では、再脱臼率も低下し、スポーツ競技の復帰も高い確率で可能であるといわれています。


ここで反復性肩関節脱臼の特徴についてまとめましょう。

【 特徴 】
◆前方脱臼が98%、後方脱臼が2%と前方脱臼がほとんど
◆コンタクトスポーツの接触時に発生することが多い
◆外転、外旋、水平外転が強制されることで前方脱臼が生じることが多い
◆肩関節脱臼は、20代で最も多い
◆40歳未満で再脱臼率は高く、40歳以上では再脱臼率が低い

反復性肩関節脱臼では、ほとんどが前方脱臼です。

肩関節外転・外旋・水平外転の動きが強制されることで前方脱臼が生じることが多いといわれていますが、詳細な受傷メカニズムは明らかになっていないといわれています。

さらに、一度脱臼が生じた肩関節は再脱臼しやすいです。

特に40歳以下では再脱臼率が高いといわれています。40歳以下だと、スポーツや活動量が多い方も多いので注意が必要です。

そのため、リハビリでは肩関節が外転・外旋・水平外転の肢位にならないように体幹・肩甲胸郭関節の機能や動作指導が大切になってくきますね!


脱臼に伴う特徴的な病態

肩関節の脱臼が起きると脱臼以外にも特徴的な病態がみられることがあるのでまとめておきましょう。

◆Bankart病変

前方関節唇が損傷した状態。

Hill-sachs病変

脱臼が生じた際に関節窩と上腕骨頭が衝突し、上腕骨頭後上方の骨欠損が生じ、凹みができる。Hill-sachs病変があると外旋運動時に骨頭の骨欠損部が関節窩にかみ合って脱臼が生じやすくなる。

SLAP病変

上方関節唇(上腕二頭筋腱と関節上腕靭帯がつながっている関節唇上部)が損傷した状態。

◆下関節上腕靭帯の弛緩

外旋・外旋が強制されたことで、下関節上腕靭帯(IGHL)が弛緩することがある。

◆HAGL損傷

IGHLが上腕骨頭側で剥離した状態。

◆UPS

脱臼・亜脱臼までは言っていないが外転・外転位など特定の肢位で痛みや脱力感を訴える状態。


これらの病態がみられるのかを単純X線、MRIなど画像で見られる部分の確認は必要です。さらに手術になることが多いので、手術記録を見る際にどのような状態であったかを確認する際にも上記の病態は知っておくとよいです。


反復性肩関節脱臼に対する評価

可能な限り正確に病態を把握するためにスペシャルテストを用いて評価することも大切です。

肩関節脱臼を評価する際に用いるスペシャルテストを下記に記します。

【前方不安定性の評価】

◆apprehension test

肩関節を90外転位でゆくっりと外旋する。脱臼感や不安感があれば陽性。

◆relocasion test

apprehension testで脱臼感や不安感があったものに対して、上腕骨頭を前方から方法に向かって押し出すことで脱臼感や不安感が消失すれば陽性。

【後方不安定性の評価】

◆postirior jerk test

肩関節90屈曲位、90内旋位で上腕骨頭に後方への軸圧を加えながら、水平内転をする。上腕骨頭が後方に亜脱臼する場合は陽性。

下方不安定性の評価

◆sulcus test

上腕骨を下方に牽引した際に肩峰と上腕骨頭の間に溝ができると陽性。

【MGHL損傷の評価】

肩関節45外転でMGHLに負荷を加えるように最大外旋させた際に後方や上方に疼痛を生じ、relocation testを用いて上腕骨頭を前方から徒手的に押さえることで疼痛が消失・減弱する場合を陽性とする。


今回は、ここまで。

基本的な病態や評価についてまとめました。

病態についても知っておくことは、治療をするうえで大切なので、基礎的な内容もまとめていこうと思います。

最後まで読んできただきありがとうございました。





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