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無理をしないオレンジ

できれば、節目や区切りを意識せずに、気負わず自然体で生きていたい。

成人式も行かなかったし(正確にはインフルエンザに罹患していた)、年越しの瞬間はだいたい風呂場(いつも通りの時間)。

そういえば自然体が魅力の宮本浩次さんは、2021年の紅白歌合戦で、東京の夜景を背にクルーズ船で歌われていた。
突然の狂気に駆られて師走の海に消えないか心配だったが、大丈夫だった。

話がそれた。
昨日と今日で大して変われないのに、節目の存在を意識しすぎると、その時点から何かを改めよ~、変われよ~、清めよ~という強迫観念が、底冷えのようにつきまとってくる。あくまでわたしの場合。

節目がおきあがり なかまになりたそうに こちらをみていたとしても、
「はい ▶いいえ」。

特に年始は、いちばん身も心も整わない節目だ。あくまでわたしの場合。

苦手なおもちとお屠蘇、無駄な夜更かしからの必然の早起き、行き交うひとたちと飛び交う子供の叫び声、節目ということでなにかを発表するひとたち、出していないひとからの年賀状、休みなのに休んでいる気がしない。

そして、仕事におけるクリスマスの総括が終わっていない。

去年(丑年)の今頃描いていた心の叫び

この状態で、何かを改めたり、変えたり、清めたり、はなかなかしんどい。

あと、年明けに「先月」「先週」で済むところを、わざわざ「去年」とご丁寧に変換するひとが現れるのは、もはや風物詩か。

なるべく平常時に近づけようと、買いだめしておいたお気に入りのオレンジジュースに手をつけた。

出逢いは風の中、ではなくコンビニの中だった。オレンジの断面デザインとスタイリッシュなボトルに惹かれ、何気なく買い、あの日から気づかぬうちに心はスクイーズスクイーズを求めて今に至る。

Squeezeという字面もいい
果汁と果肉のみ

オレンジジュースといえば、わたしにとっては愛媛のまじめなポンジュースがキングオブオレンジジュースだった。幼い頃、ビンの底の方に残ったみかんの真髄みたいな部分を飲むのが楽しみだった。

ビンタイプ、20年以上前に姿を消していた。知らなかった。

一方、法事の席でよく出てきたバヤリースとは少し距離を置いていた。子供心に、柑橘の命のかがやき(=果汁分)の違いを感じ取っていたのかもしれない。あれはあれで、今思うとスッキリしていて飲みやすい。

だが数年前から、スクイーズスクイーズがわたしのオレンジジュースシェア率を上げはじめ、いまや首位である。

絞ったオレンジそのままの果肉たちが、飲もうとすると無邪気な子犬のように飛びついてくる。ボトル口径が広いので、傾けすぎには注意が必要だ。どっさり果肉は、もはや小腹を満たしてくれる。

原材料は「オレンジ、顆粒(オレンジ)」と実にシンプルで、砂糖・香料不使用。柑橘好きにはたまらない、自然体のオレンジジュース

箱買いしたいのだが、このジュースはファミリーマートでしか売っていない。しかも、全店置いているわけではないし、商品紹介のページでは常に「数量限定」と書かれているので、いつ消えてしまうか気をもんでいる。

行きつけのファミリーマートにはまだ堂々と並んでいるものの、いつか「そのとき」がやってきてしまうのだろうか。

そんな節目は来てほしくないし、実はグレープフルーツ味もあるのだが、こちらは取扱店舗が近所には少ないので、実にヒヤヒヤしている。

つくづく、人もモノも、自然体が好きだし、自分もそうありたい。

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