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夏の花、アイスの合図

6月2日は、横浜開港記念日だった。

今年は、医療従事者の方への感謝、感染症収束と横浜市民の笑顔を願い、打ち上げ場所は完全シークレットで、横浜市18区一斉に1分間の花火を打ち上げると知った。粋なことをするではないか、横浜市。

我が家は高台にあり、目の前が180度開けているので、夏になると県内各地の花火大会を豆粒~ピンポン玉サイズで拝むことができる。距離があるため、音はいっこく堂さんより更に遅れて聞こえてくる。今回もどこかしら見えるだろうな、と余裕をかましてベランダで夜風に当たり待機。



19時54分。定刻。





ドズゥォォォォォオオオオオオオン!!!!


ん?

ヒュウウウウウウウウウウウ


定刻と同時に音がきこえ…??



パァァァアアアアアアアアアアン!!!!

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パチパチパチパチパチパチ…

ドズゥォォォォォオオオオオオオン!!!!

ヒュウウウウウウウウウウウ

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パァァァアアアアアアアアアアン!!!!

パァァァアアアアアアアアアアン!!!!

パチパチパチパチパチ…

ドズゥォォォォォオオオオオオオン!!!!

パァァァアアアアアアアアアアン!!!!

パチパチパチパチパチ…

(繰り返し)







え!?ゑ!?!?!?




直線距離で600メートル先、体感ではほぼ目の前で、大輪の光の花が打ち上がった。

花火の根本まで見える。暗闇なので定かではないが、そこは高校があるはずだ。とにかく音圧がすごい。音と光が同時の花火。

思い起こせば、数日前からあの高校のグラウンドには大きなプレハブやテント、クレーン車などが突如現れていた。てっきり運動会の準備でもしているのだと思っていた。

息をのむ1分間が終わった。シークレット花火が自宅徒歩圏内で打ちあがるとは、サプライズが過ぎる。棚からぼたもち、空から花火。灯台下暗し、夜空明るし。

マンション中から拍手が起きた。この一体感は、ライブで滅多に演奏されないレアな名曲のイントロを聞いたときのそれに似ていた。

久々の高揚感を持て余したわたしは、取り寄せして冷凍庫で大事に保管していたあのアイスを食べるならいまだ、と思った。昔飼っていた犬が、家族が帰ってくるとテンションが爆上がりし、何故か食べ残したご飯にがっつき始めた気持ちが分かったような気がした。

あの淡路島の和菓子屋、アイスまで始めたのである。

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左から、鳴門オレンジ(淡路島産鳴門オレンジ使用)、レモンミルク(淡路島産ユーレイカレモン&淡路島産牛乳使用)、あわじトマト(淡路島産トマト使用)、ミルク抹茶(淡路島牛乳使用)、自凝雫塩小豆(淡路島産自凝雫塩使用)。すべて淡路島産の素材にこだわったアイスキャンデー。

一番味の想像がつかないあわじトマトを食べてみた。

爽快感のある甘みたっぷりのトマト。じんわりあふれる野菜ジュースのようなうまみ。炎天下のフェス会場とかで食べたらたまらないと思う。ただし、トマト嫌いは受け入れられない再現度のトマトである。

さすがに和菓子屋だからアイスの製造設備はないでしょう、どこに製造を委託しているのかな、愛媛県のあのメーカーかな、と余裕をかまして裏面表示をみてみる。

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製造者「長手長栄堂」だから、自社製造。え!!

ゑ!!ジシャセイゾウ・・・!!


和菓子屋、自力でアイスつくったってよ。

サプライズがサプライズを呼んだ夜。

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