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働く詩人になるために

 先日の7月13日、日本詩人クラブの例会で、私は受付を担当していた。受付のお仕事は、去年ぐらいからずっとやっていたのだが、この日ほど受付の仕事に充実感を覚えたことはなかった。
 私は今は、秋の結婚を控え仕事探しをストップし、結婚して愛知県に行ったら仕事を探すのだけれど、だから今は何もしていないせいか、自分の好きな分野で仕事を与えられ、こなすことにすごく感謝と喜びを感じている。
 私は元々は、会社の財務部会計課で9年も会計業務をしていたので、本当は日本詩人クラブの経理の仕事も担当してみたいのだが、相当大変らしい。実際担当者の詩人・原 詩夏至さんがすごい苦労している。
 私は理事で詩人の佐相憲一さんに色々相談している。佐相さんは、私が所属している同人誌『指名手配』の代表で、私をまた新しく才能を見出してくださった方なので私は佐相さんを「佐相先生」と呼んでいる。佐相先生は、「経理をやりたい気持ちはわかるけれど、今は受付の仕事をコツコツとやってほしい」と言ってくださった。どちらかというとあまりリベラルではなく、一つ一つの仕事をコツコツとこなしていくのが得意な私の性格を、佐相先生は見抜いているのだと思う。
 詩人とは、ただ「詩を書く」だけの人間ではないと思う。私の尊敬する米国の詩人であるエズラ・パウンドのように、詩を書きながらたくさんの人間と触れ合い、平和のために動き、世界に貢献したからこそ、彼はノーベル文学賞を受賞した。だから、ただ単に一人で黙々と詩を書くだけではなく、詩を通して人と触れ合い、詩を通してどう世界に貢献するかを考えるのが真の詩人なのではないか、と私は考える。だから、社団法人日本詩人クラブで受付の仕事をするということは、たくさんの、より多くの詩人と触れ合い、更に懇親会でも言葉を交わし、その人間性に触れて、また新しい何かを発見し、そしてそれが自分自身の詩を高めてくれる、そう信じているから、詩の関係のお仕事は楽しいと心から言える。
 詩を通して、詩の仕事をすること。これが私の人間性を高めている。詩の仕事をしながら詩を書く、働く詩人に、私はもっとなっていきたい。

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