仕事を通して、見えてくる世界

未だ、完全なる収束の兆しを見せないコロナ禍で、私の会社のフロアでも、半分以上がリモートで働いており、出社している社員の方が少ない。私は契約社員なので、遂行する業務は、社員の方のサブ的な業務が多い。しかし、一言で「サブ」と言っても行う業務の一つ一つが奥深い、と私は思う。私は業務時間の中で、新しい部署に配属になりもう4ヶ月目なので、仕事のマニュアルを作っている。私はモノを書くタイプの人間ではあるが、珍しく「ノートにまとめる」が不得意なのだ。学生時代から、手紙は良く書いたが、字の方は、右上がりでバランスが悪くて、お世辞にも上手いとは言えない。書道も苦手で、一度、中学3年の時に、書き初めで銅賞を獲ったが、それきりで、高校、それから短大の時も書道はあったが、散々な目に遭ってきた。字に自信がないせいか、私は携帯やスマートフォン、パソコンになってから、殆ど手書きで書かなくなった。だから、マニュアルを作る時は専らパソコンのワードを使い、作成している。私は元々、文章を書くことが大好きなので、口に出して解りやすく話すよりも、文章で伝えることに、どちらかと言えば長けている。

仕事のマニュアルを、自分なりの言葉にして、尚且つ、人に伝わる様に書くことを意識していると、まるで、詩やエッセイ、短編小説を書いているような気分にさえなってしまう。

私の総務の仕事は、こうして書いていると結構奥深い。まず、郵便物の種類を覚えなくてはならないし、その他社内便の種類、申請書の種類、内容を良く読み、しっかり理解しなくてはならないし、結構、読解力を駆使する。そのことによって、分析力や冷静さが身に付くのだ。更に、郵便物を届けるのに、その書類を誰に渡すのか、この人はどこの階のどこの部署の人なのか、覚えなくてはならない。私は実は、これが苦手だ。社員の方は、私より社歴が短い人も多いが、ちゃんと頭に叩き込まれている。
一体、どんな方法で覚えたのだろうか。解らないので、私は主任に教えてもらおうと思う。

部署が急に変わって、まだまだ解らないことは多々あるが、マニュアル作りを通して、ゆっくりと着実に業務を遂行していこうと思う。

会社には、その部署、その部署で、見える世界が違う。それが面白いのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?