『A Short Hike』は、大作ゲームに疲れた僕の心を癒してくれた。

僕は今、大作ゲームに疲れている。

ゲームを楽しみたい気持ちはこれまでのようにある。
あるのだけれど、
美麗なグラフィックや、
広大なフィールド、
長大なストーリーなどの魅力を持つゲームを起動してみるも、
なぜだかすぐにやめてしまうのだ。

もうゲームを楽しめなくなったのだろうか?
歳か?
これが老化か?

色々と考えてしまったが、その心配は杞憂に終わった。

なぜなら『A Short Hike』というゲームを素直に楽しめたからだ。

僕はただ、
大作ゲームの長大さや長大であるが故の文法に疲れていただけだった。
(疲れること自体が歳だと言われると否定できないけど)


『A Short Hike』は、コンパクトなインディーゲームだ。

プレイヤーは小鳥のクレアとなって、
舞台となる島を探索したり、
住人の動物と会話したりしつつ、
島にそびえる山のてっぺんを目指す。

ゲーム画面を見ればなんとなくわかると思うが、バトルなどは存在しない。

タイトルにある「Hike」とはハイキングのことで、
直訳すると「短いハイキング」。
つまりはそういうゲームだ。

ではなぜ、大作ゲームに疲れた僕にこのゲームが刺さったのか?

おそらくその理由は、コンパクトな世界での探索が楽しめたからだ。

大作ゲームに疲れていた僕だったが、
それでも想像の世界を探索したかった。
「あそこには何があるんだろう」とワクワクしながら探索する楽しさを、
僕は「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(以下ゼルダBotW)」で味わった。
あの体験は強烈だった。

ここ最近は、またあの楽しさを味わいたいなぁと思ってゲームをしていた節がある。
そういった探索を求めるなら、
通常、選択肢はオープンワールドの大作ゲームに絞られる。
なのでそういった大作を遊んでみるのだが、結果的に疲れてしまった。

そんな状態の僕に『A Short Hike』はピッタリなゲームだったのだ。

このゲームはよく「どうぶつの森」+「ゼルダBotW」と表現されたりする。たしかに言い得て妙だ。
実際、開発するときに影響を受けたタイトルがその二つらしい。
その表現通り、
このゲームではどうぶつの森のような世界観で、
ゼルダBotWのような探索を楽しめる。

世界のサイズは小さいけれど、
目に見える山や丘は全て登れるし、
高いところから飛び降りて空を飛ぶこともできる。
気になった場所に何かしらのご褒美があるところも抜かりない。

ゼルダBotWの時に感じた、
子どものころに近所を探検した記憶がよみがえるような、
好奇心に訴えかけるワクワク感。

それに近い感覚を、疲れにくいコンパクトな世界で楽しめたのにはとても満足した。


もちろん他にも魅力はある。
小さな感情に寄り添うような温かいテキストや、
自然の美しさと郷愁を感じさせる音楽は素晴らしく、
いつまでもこの世界にいたいと思わせる。

大作ゲームというと殺伐としたものが多いなか、
「もはやバトルさえしたくない!」と思っていた僕には
そこもすごくよかったのだと思う。

もし僕と同じような状態の方は、遊んでみてはいかがだろうか。
Switch版は850円、Steamでは820円で購入できる。


そういえば、このゲームの開発経緯は開発者の方が「大作ゲームの開発に疲れたから」らしい。
まさに大作ゲームに疲れた人にうってつけのゲームと言えるだろう。
ゲームではなく実生活等で何かに疲れた人にも良い癒しになるはずだ。

気になる方はまず、音楽を聴いてみるのも良い気がする。
動画だけでは伝わらない雰囲気や魅力も少しは掴めるのではないだろうか。

素晴らしい。

ちなみに、僕はまだ疲れが取れ切っていないので、
引き続き似たようなゲームを遊んでいこうと思っている。

…なのでおすすめのゲームがあったら教えていただけると嬉しいです。

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