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【皆で備えよう!熱中症対策ガイド】第7回 障がいのある方の熱中症について

熱中症警戒アラートが発令される地域が出るなど、暑さが本格化してきました。全国的な梅雨明けとなる前に、熱中症対策ガイドをおさらいしておきましょう!

今回は、「障がいのある方の熱中症」についてご紹介します。


障がいのある方の熱中症リスクについて

障がいのある方の中には、のどの渇きを感じづらいことや、自分で水分補給ができない・汗を拭くことができず体温が下がりにくい体質の方、特定の服装にこだわりがあり気温が高くても厚着をしてしまう方がいるなど、熱中症のリスクが高まります。

体調が優れないことや、「暑い」「のどが渇いた」ことを自分から伝えられない方もいます。

また、車いすを利用する方は地面からの照り返しで熱を受けやすく、背中とお尻が車いすと密着しているため熱がこもってしまいます。
使えるトイレが限られて水分補給を控えてしまうことがあるため、脱水症状の危険性も高まります。

そして、ご自身の力で対策をとることが難しい場合には、周囲の方のサポートが重要となります。

障がいのある方の熱中症対策のポイント

気温が高い日は、以下の熱中症対策が有効です。

障がいのある方の熱中症対策のポイント
こまめに水分補給をしましょう。脱水症状を防ぐために水筒などを持ち歩き、こまめに水分を取りましょう。
体温管理をしましょう。体温計で検温し、体調が優れない日は外出を控えましょう。暑い日の外出時は冷却グッズを活用したり、冷たい水の霧吹きや濡れたタオルで手足や胸、背中などを湿らせましょう。
外出時はこまめに休みましょう。外出先ではできるだけ直射日光の当たる場所を避け、日陰や冷房の効いた室内でこまめに休みましょう。事前に冷房の効いている場所を把握しておきましょう。


周囲の方ができること

障がいのある方は、上述の対策ポイントについて自身で対応することが難しい場面が多々あります。
定期的に(例えば給水や休憩は15分ごとに)対策を実行するように誘導しする、手伝うことが熱中症予防には大変重要です。

もし障がいのある方の熱中症が疑われた場合、以下の行動をとりましょう。

周囲の方がサポートできること
涼しい場所へ避難しましょう。冷房の効いた室内や風通しのよい日陰など涼しい場所に移動しましょう。
体を冷やしましょう。衣服を緩めて、濡れたタオルや霧吹き等で体を濡らしましょう。うちわや扇子の併用も効果的です。また保冷材などで首や脇、足の付け根を冷やすことも有効といえます。
水分補給させましょう。水分や塩分をこまめに取るように促し、脱水症状がみられた場合は経口補水液などを飲ませましょう。ただし、意識が薄れている、もしくは意識がない時は、誤嚥の危険があるので水分を与えてはいけません。

自力で水分補給ができない場合や意識がない場合は、すぐに救急車を呼ぶことも念頭に置いておいてください。

また、介助者自身も熱中症にならないように、外出前には事前に冷却グッズの準備をしたり、日陰のある場所を確認しておきましょう。

参照サイト:
厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト

監修:富士通ゼネラル 健康管理センター


次回は「屋外でできる熱中症対策」について紹介します。
大切な人を守るためにぜひ読んでみてください!