【#9】笑えない話し【カナダ編🇨🇦】
夫の部下であるモロッコ人の家族には、7歳と4歳の息子がいる。数ヶ月前にモロッコからカナダに引っ越してきたが、二人とも言語に問題なく、驚くほどスムーズに学校に馴染んでいるらしい。しかし、何の予告もなく事件が起きた。上の男の子が冗談半分で言ったのかどうかは謎だが、担任の先生に「自分の両親は僕の面倒を見てくれていない!」と訴えたのだ。親の心、子知らずとはまさにこのことかもしれない。
そこで担任の先生は、両親に話すのではなく、すぐに日本でいう児童相談所のようなところに直接連絡をした。事態はどんどん大きくなり、警察の家宅捜索のような重々しい雰囲気の中、児童相談所の職員が週末に視察に来たらしい。両親は何が起こっているのか全くわからず、母親は大泣きしていたそうだ。きっと息子を連れて行かれると思ったのかもしれない。
そもそも、その先生はなぜ両親と先に話さなかったのだろうか?確かに、虐待されている場合、親を通すと状況が悪化することも考えられる。しかし、虐待の痕跡もなく、服装もしっかりしている子どもならば、まずは両親と相談して問題を解決すべきだったのではないかと思わずにはいられない。それに、これがローカル(カナダ人夫婦)の家族だった場合、先生はどのような対応をしたのだろうかと考えると、ますます疑問が残る。
カナダは移民大国であり、移民に寛容な国ではあるが、先生の頭の中では次のようなステレオタイプが浮かんだのかもしれない。「モロッコ人→ムスリム圏→男尊女卑→子どもに虐待?」という構図が簡単に思い描かれたのだろうか。
私も同じくらいの年齢の息子がいるので、息子が学校で同じことを訴えたら、きっと死ぬほどショックを受けるだろう。どれだけ愛情をかけて育てても、子どもがそれを感じなければ全く意味がない。本当に子育ては難しいものだ。息子にもう少し優しく接しなければと感じた。いきなり児童相談所の人から連絡が来ないようにするためにも。
その話を聞いた夜、寝る前に息子に「大好きだよ❤️」と何度も言ったら、「わかったよ💢。ママしつこい!」とあしらわれてしまった。冷蔵庫人間の私は愛情表現の仕方がよく分からない。https://note.com/fg_0519/n/nc616ac59fe99