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募る不信感

2月からスタートした早期アルバイト。
しばらくは研修だと思っていた。
しかし、薄い冊子を渡されただけで何もわからないまま仕事がスタートした。
同期は皆、専門卒。
11月から早期アルバイトに来ていたせいもあり、
私とはすでに2ヶ月の差があった。

コロナ禍ということもあり、事務所内は目まぐるしい。
その中で、誰かが何かを教えてくれるということもなく、ただ時間だけが過ぎた。
お昼休憩、女社会だからか新しく入ってきた私は除け者にされた。
居づらくて、午前中のこともあって、私は思わずトイレに駆け込み思いきり泣いた。
今思えば、その時からおかしかったのかもしれない。

午後になってからも、状況は変わらなかった。
何をしたら良いか分からず、先輩に聞くと
"それは私の担当じゃないから聞かないで"と言われ、
他の先輩に聞くと
"今忙しいから無理"と言われ、結局何をして良いか分からず、ただ立っているだけだった。

そもそも、医療用語が分からないから最初に教えてくれれば良いものを、何も教えてくれないからその日は頭の中が"?"でいっぱいだった。 

それでも、同期に置いていかれたくない、何とかついていかなくてはという思いが強く、自宅に帰ってから復習した。
平日は8時間働いて、休日は分からない単語や仕組みを自力で調べる。仕事が頭から離れる瞬間がなかった。

焦り。
ただただ焦っていた。
同期は、もう責任のある仕事を任されているのに
私はまだ保険証の見方さえも分からない。
教えて欲しいのに、先輩方に聞いても返ってくる言葉は
"無理" "忙しい" 
やれる事がなくて掃除をしていると
"そんなことしてないで出来ることをやって"
そんな毎日を過ごしてく中で、徐々に自分の中でバランスが保てなくなっていた。

"内定辞退しようかな"
"3ヶ月我慢したら良くなるかな"
"今だけだから頑張ろう"
そう思いながら頑張った。

なんとか2ヶ月頑張って、入職式を迎えた。
会場に到着したが時間になっても始まらなかった。
この時だけではなかったが色々な部分で不信感が募っていた。
全てのことに対して説明がない、研修がない、それだけでなく精神論が多い…。

最終的に驚いた一言は、看護部長から言われた
"あなたたちは今日からここの商品です"
だった。
言わんとしていることは分かるが、
私は"あなたたちは物なんだから言うこと聞きなさいよ"
と言われているように感じた。

この時点ですでに、ここにいるのは長くて1年だなと思ってしまった。

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