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高校生の私

中高一貫校に入った私は、高校受験を経験することなく高校生になった。
将来について考えることなく、みんながそうしてるから、なんとなく高校生になった。

高校2年生になって、進学するのか就職するのか考えるように言われた。
幼い頃からケーキが好きだったのと、小学生の時に読んだ『夢色パティシエール』と言う漫画の影響でパティシエになることを夢見た。
母と今後について話になった時に
"大学には行っておきなさい"
"何になりたいの?"
と言われて、お菓子の専門学校に行きたいと言えなかった。

なぜなら、母を喜ばせたかったから。
自慢の娘だと言って欲しかったから。
お菓子を作ること以外に何も興味がなかったけれど、大学に行くことにした。

唯一、興味が持てた文学部に入ることにした。

我が家は根っからの職人の家系だ。
曽祖父は障子職人、畳職人。
祖父は電子工学の研究、祖母は教員。
母は美容師。
妹は看護師になりたいと言い、弟は建築士になりたいと言っていた。
私には何もなかった。
だからこそ、母は私が
"何の職業につきたいか"を重要視していた。
でも、文学部に入って"何になりたいか"なんてなかったから、"国語の先生になりたい"と自分の気持ちに嘘をついて受験勉強を続けた。

全ては母のために。
それだけが私の心を支えていた。

無事にそれなりの大学に合格した。

全然楽しみになれなかった。
将来が不安で仕方なかった。

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