2020年日本公開映画(個人的)ベスト10

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。2021年の目標は「2022年を迎えること」です。

10月ぐらいから色んな映画を見た2020年ですが、タイトル通り誰が興味あるのか知らないけど個人的なベスト10と簡単な感想を書きたいと思います。せっかくノートをやっているのに、更新しないと勿体無い気もするので。

10位 羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜

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中国制作のアニメ映画です。もう中国製だから〜とか言ってられないぐらいアニメ描写が好きです。ナルトがすごく好きなのと、都市的な街並みが好きなので都市でナルトよろしく超自然バトルを繰り広げるところはアガらないわけがなかった。また、勧善懲悪(個人的にアンパンマンとか本当に好きではありません)ではなく、”思想の共存”といったところにスポットを当ててるように感じ、中国でこの映画が作られていることに大きな意味を感じました。

9位 佐々木、イン、マイマイン

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映画館で初めて泣いた映画かもしれません。「青春」というものを象徴してくれる佐々木のおかげで青春とは何か、懐かしさとは何かとかなり文学的・哲学的に考えさせられる一作でした。子供時代・青春の儚さを決してネガティヴではなく、大人になっても忘れないでおこうという映画、「魔女見習いをさがして」など今年はありましたが、なかなか感動しますね。この歳になると。

8位 燃ゆる女の肖像

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かなり古典的な悲劇的な恋愛映画でした。画、音響どれをとっても美しく、かなり印象に残る作品でした。クラシカルなのですが、見る者と見られる者の関係性、まさに燃え上がるような恋の描写などとても文学的で「芸術ってこういうことだよな〜」と改めて思いました。女性関係の美しさがこの映画にはあり、男が不意に出てくる場面では「うわぁぁ」とまさに悲劇の暗示となっている場面もすごく良かったです。芸術映画です。「恋する遊園地」がこの映画の主演 ノエミ・メルランさん主演でまた公開されるようなのでそちらも観たいと思います。

7位 パラサイト 半地下の家族

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言わずと知れた話題作です。前半普通に笑えたり、ハラハラさせられたりとエンターテイメントとして面白かったです。ところが後半からとても恐ろしく、また根深い問題というのを突きつけられるわけです。決してお金持ちのあの一家を露悪的に描くというわけではなく、人間なら誰しもが感じざるをえない生理的な部分や日常会話でする少し不謹慎な内容など突きつけられるがどうすることもできない部分というのがこの映画のなんとも言えぬ後味の悪さの所以だと解釈します。最後なんかとても皮肉ですよね・・・。

6位 フォードvsフェラーリ

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僕好みの男性的バカが主役の映画でした。車とか興味なかった、今もないのですが、車の音や演出で何故かアガってしまいました。ロマンのわからぬあのフォード側の人間といのは本当に醜悪と言っても過言じゃねえなって映画を観ながら思ったというか思わず「ふざけんな」とPCの前で怒鳴ってしまうう感じで、バカに感化というか去勢された魂を甦らせられました。バカとは人に影響を与え、受け継がれていく・・・本当にバカが人を感動させ、いい余韻にも浸れる、めっちゃ面白い映画でした。個人的にはあの庭先でのバカvsバカの格闘喧嘩シーンとかめっちゃ可笑しくて好きです。

5位 アルプススタンドのはしの方

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70分ほどの短い青春映画だったがすごく良かった。「桐島、部活やめるってよ」以来のリアルな高校生の青春映画って感じで、野球部ではなく野球部の応援に「来させられた」はっきり言って他の映画だったらモブでしかないものにスポットを当てた映画。モブだってちゃんとそれぞれ人間で、しっかりドラマがあるといった「ブックスマート」的な登場人物全員が愛おしくなる映画でした。捨てたもんじゃない、邦画。

4位 Mank/マンク

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僕の好きな映画監督、デヴィッド・フィンチャーの新作長編映画。ネトフリのオリジナル映画なんだけど映画館で見ました。「市民ケーン」の脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツが「市民ケーン」の脚本を書く話で、スーパーハイコンテクストの会話の応酬や「市民ケーン」と同じ演出・構成で、見るとものすごく疲れますがやはりとても面白かったです。この構成が単純な映画愛ではなく、ケーンとマンクを対比にするための必然的に「市民ケーン」と同じような構成・演出・白黒と解釈しましたが、如何でしょう。こうしたメタ視点ゆえの必然的な映画のギミックに興奮しちゃいますね。万人におすすめできる映画では決してないのですが。

3位 ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

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令和版「スーパーバッド 童貞ウォーズ」って映画で、モーリーはあのジョナ・ヒルの妹が演じており、まあ関連させずにはいられない映画でした。会話のくだらない下ネタや登場人物たちのバカっぷりに爆笑必至。「悪役」がいないというのがテーマで、「私もサイコーだし、みんなサイコー」って感じで終わるの本当によかったしなんだかんだ感動。登場人物たちみんな頑張って生きてるんだよね。偏見ってよくないなと。あとジジが出るたびに爆笑してました、最初からジジについて行けば・・・いや、それだと成長がないからダメですねw

2位 mid90s ミッドナインティーズ

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「エモい」って言葉、意味不明だなってずっと思ってましたがこの映画見て「エモい」ってこういうことか〜となりました。少年から青年への成長・・・という簡単に済ませられない子供故の無邪気さと危険性が描かれており、時代を賛賞するわけでもなく非常にフラットに見ています。「大人」というものが非常に滑稽に描かれていて、こうした成長モデルがない時代でそれぞれ迷走していく様などは非常に心が痛いものですね。憧れてたワルだってどうしようもないものなんだと。とは言っても青春映画の「アイツら〜」感や音楽(あまりヒップホップは聞かないのでわからないのですが、ヒップホップ以外でもピクシーズやニルヴァーナなんか、90年代のオルタナムーブを象徴しているような音楽も流れてましたね)が心地よく、本当に好きな映画だなと思いました。会話なんかも笑えますしね。

1位 ジョジョ・ラビット

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第二次世界大戦を子供目線で非常に不謹慎なほどユーモラスに描いた作品です。戦争映画・・・という括りになるのかわかりませんが、主人公のジョジョの他者と触れ合うことによる内面的成長というのは時空を超えて非常に重要なものかと思います。とてもカラフルで衣装なんかも良く、イマジナリーフレンドのヒトラーとのやり取りでは笑ってしまいます。スカーレット・ヨハンソン演じるサバサバ系女子のママもいいですし、なんといってもサム・ロックウェル演じるキャプテンKは本当に素晴らしく魅力的なキャラクターになってます。子供が恋をし、また成長していく過程もユーモラスで可愛らしく、美しいです。また、オープニングとエンディング曲にドイツ語verのイギリス音楽が使われてますがこれを使う意味合いがそれぞれで異なるというのも素晴らしい点です。デヴィッド・ボウイの「HEROES」を何回も聞くようになりました。正直、ツッコミどころなど無いわけではないのですが、それを引っくるめても2020年でもっとも印象的で感動した映画でした。


ショタコンなんじゃないかと思ってしまうような順位なのですが、特にトップ3は誰が見ても楽しめる映画なんじゃないかと思います。他にも、「泣く子はいねぇが」や「リチャード・ジュエル」、「ストーリーオブマイライフ 私の若草物語」などぶっちゃけどれが一位でもいいよって作品が多くていい年になりました。今年はもっといろんな映画を見たいと思います。

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