人生のためにならない話も、漬物樽に入れておく
この日はお昼のおやつを食べるために、駅前のマクドナルドに向かっていた。天からスポイトで一滴ずつ光が落下してきて、垂直に腹の底に波紋を作っていくような、さわやかな空腹感があった。空腹というのがこんなに明るいものなのかとみずから驚きながら、途中で横断歩道に差しかかった。信号が青になるのを待っていた。年齢も服装もバラバラの人々が真横に並んでいて、そのはすかいにある奥まった隘路から、絵画から飛び出してくる虎みたいに車が走ってきた。
そろそろ青になるかなと、一歩だけ前に進んだその