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小説について考える記事

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だいたい軽めのエッセイになりますが、小説論や創作論と少し絡めて書いています。
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#エッセイ

「成瀬は天下を取りにいく」を読む。200年の意味

200年という時間  戦後の歴史を調べている時に、知り合いの研究者が「現代人はせいぜい2…

味生大昂
1か月前
31

「素粒子」を読む。成功者も落伍者も、愛だけは手に入らない。

(性的で露悪的な表現が含まれます)  いい加減に布団をきれいに洗濯しなければいけないな、…

味生大昂
4か月前
31

小説書きの同士に、改めて薦めたい本はない。しかし……

 おすすめの本はありますか?  noteに限らず、ネット上でありとあらゆる人が「名刺代わりの…

味生大昂
7か月前
44

「どくろ杯」「ねむれ巴里」を読む。民族的ルーツをもった風景。あと少し建築の話。

 なんとなく「風景描写を楽しめる小説は強い」と思っている。冒頭に入る花鳥風月や、登場人物…

味生大昂
8か月前
37

「宙返り」を読む。理屈を超えた、瞳のちから。

 謝罪会見というのは、気が重いものである。  いや、実際に聴衆を集めて謝罪会見をしたこと…

味生大昂
1年前
33

「サージウスの死神」を読む・物語の主人公は呪われている

 佐藤究の「サージウスの死神」には、ギャンブルに取り憑かれている破滅的な主人公が登場する…

味生大昂
1年前
25

人生のためにならない話も、漬物樽に入れておく

 この日はお昼のおやつを食べるために、駅前のマクドナルドに向かっていた。天からスポイトで一滴ずつ光が落下してきて、垂直に腹の底に波紋を作っていくような、さわやかな空腹感があった。空腹というのがこんなに明るいものなのかとみずから驚きながら、途中で横断歩道に差しかかった。信号が青になるのを待っていた。年齢も服装もバラバラの人々が真横に並んでいて、そのはすかいにある奥まった隘路から、絵画から飛び出してくる虎みたいに車が走ってきた。  そろそろ青になるかなと、一歩だけ前に進んだその

なんの専門分野も持たない、子供が主人公の小説は「軽い」のか?

 読み始めた小説が、例えばいきなり食事中の雑談から始まると 「これって、エンタメとしては…

味生大昂
1年前
23

(現在編集中)共通のルールの下で争う物語

 僕は受験勉強をほとんどしなかった人間なのだが、たとえ生来のズボラな劣等生であっても、他…

味生大昂
2年前
10

小説における個性的な登場人物と、普通の優しい人物が描くグラデーション

 小説を書いていると、ついエキセントリックな人物を出したくなるし、自分が読者でもそういう…

味生大昂
2年前
12

これまで読んできた言葉を忘れたくない

 長く本を読んでいると、何かのきっかけで「この小説家さんはもういいかな」と思う時がある。…

味生大昂
2年前
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僕が仰ぎ見ているモノスゴい小説家3人

 今は午後18時46分です。  ガスコンロでシチューの鍋を温めて、もう少ししたら食べよう…

味生大昂
2年前
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風景描写の3つめのタイプを考えた

 風景描写には主に2つのタイプがある。  1つは人物のこころの動きを、雨や雪や花鳥風月とあ…

味生大昂
3年前
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風景描写の2つのタイプを考えた

 小説の風景描写が好きか、あるいはそんなものは飛ばしてストーリーを進めてくれ、と思うかで読書の質が変わってくると思う。僕は風景描写は大好きで、書くのも大好きだ。  庭のサルスベリの木に、子どものつけたピカチュウのシールが貼ってある。そこに昆虫が集まったら面白いのにと期待しながら窓越しに庭を見ていると、霧めいた小雨がサァーッと集中的に集まって来てシールがはがれてしまった。次第に雲行きが怪しくなって、落雷の光が地べたのピカチュウの顔に反映して……  なんて書いていると無限に時間