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勇者名言集

魔王には極力会わないようにしている 微妙なうどん屋さんに入ってしまったと感じたら 次の言葉を思い出して欲しい 「月見うどん店を選ばず」 猫、犬、空、雲、太陽、月があれば世の中捨てたもんじゃないと思えてくる 勇者、魔王、魔法使い、遊び人、僧侶、色んな人がいる 忘れてならないのは 力のない人、勇気のない人、怯えている人、ずるい人 全て自分の中にいる 私は時折姿を表す彼ら全員に愛情を感じ敬意を払っている

    • クズこゝろ

      随分昔の話です。 この機会に君に本当に洗いざらい全て話そうと思い筆をとりました。 君から受け取った手紙は数百通に及びます。 君は怒るかもしれませんが、全て読んでいないのです。 封を切ろうと手には取るのですが億劫になってそのままにしてしまう。 かと言って捨てるに忍びなく、いつしか差出人に君の名を認めるなりAmazonの段ボール箱に投げ入れるようになっていました。 (君も知っての通りかつてのAmazonの段ボール箱は不必要に大きいことがままありました。しかしこのように

      • 本当のこと

        私はどんな時も ずっとここにとどまり続ける 震えている時 泣いている時 怒っている時 幸福な時 惨めな時 たとえ死んだとしても 私だけはここで私を見つづけている それが 恐怖の根源であり 唯一本当の救いなのだ 手を伸ばすのは私 つかむのも私なのだ

        • 歯車2 ソフトクリーム

          立ち止まる時 深く傷ついて 冷たいザラザラな岩肌に包まれた時 我々は必ずそこから抜け出す 今さらなんて言わない ドームは破壊される それからなんて問わない 死と共にと誓ってきた これまでを問わない 憎む者に十分仕えてきた 我々は共にある 我々は共にある 状況は想定より遥かに酷いだろう 息は深く 痛みは表面にとどめるな 震えながらでも深く吸い込め 果たしたら 自らを安息の地とし 小さくなって眠れ ドドドーン ドドドーン ドーン 砂に囲まれたソフトクリームの丘 ぐるぐるぐるぐる

        勇者名言集

          小さな頃

          私は犬が怖い 私にとって明白なこと 街路樹から街路樹 濡れたアスファルト ブロック塀に挟まれた細い道 自転車で駆け抜ける ルービックキューブの中 その先にささやかな喜び 引き戻せない場所に飛び込もうとしている 喜びのたび 癒されるたび 自分と引き離されているのに 押し込めた自分は忘れられていくのに

          小さな頃

          キュッキュッ

          タイルを磨く キラキラキュッキュッ 気配を感じて後ろを向くと 何やら親しげな幽霊 へー だの なるほどね だの言っている いつの間にか幽霊達に囲まれた 続けないの?とは余計なお世話 何?見学料取るよ いいよ いいよ いくら いくら あんたは飴玉 あんたは長靴 あんたは 何? わたしのお手伝い OK キュキュキュキュ ダメダメダメ つきとばされた幽霊は泣きだした キラキラキュッキュッじゃないと!  おまえ嫌い 嫌いでけっこう 泣き虫幽霊 わーん はい飴玉 あいつのいらない あの

          キュッキュッ

          ポプラ

          言葉だけでもいけ きえそうな海へ 重なりあった層の中へ 手をかざすと 波がひいてしまう 時の幻 左目のすぐ横 そこは世界の一片 リズムはきざむ 追憶は振動する

          ポプラ

          星の下の自転車 ギーコ ギーコ 線でつないで 風を切って 知らないところへ 星の下の自転車 線でつないで 風を切って

          彼はこう言った ここだけの話なのですが 毎晩のようにフィシギな体験をしてきました 深夜に目が覚めます ゴーン ゴーン 影が起き上がり ポケットにあるものぜんぶテーブルにならべはじめます それらを風やら音楽やらなんやらに閉じ込め 窓から外に投げるのです 投げ終わると彼も窓から飛び降ります 毎朝外を探してみても何もありません 街を歩いていました 逆光でシルエットになった女性の横顔と その背景の木にかけられたほんのり明るいいくつもの電球のデコレーション

          コンクリートをズズズズズ 靴の裏がズズズズズ 堤防の斜面をズズズズズ 川があっても仮の姿 人が見えても仮の姿 冷たい風は時々見える 夕暮れになると鳥が見える ハッとしたら空気が見える 赤が見える 青が見える ほくほくしたら雲が見える 空が見える 影と目があったら人が見える 川の音が聞こえる 階段を駆け上がったら夕陽が見える 誰も声をかけない 知らない人 ランドセルを置いた場所 心が消えていく 帰り道

          滑車

          忘れよう 忘れよう 忘れよう 巨大な鳥が雨を振るい落として 嵐の中を突き進むように

          滑車

          ステンレス

          人の形に雪が降る 人の形に雪が積もる あっちにも こっちにも 時間がたつとカタチは消えた 通りすぎるとカタチは消えた ぶつかると形は消えた パッ パッ パッ パッ パッ パパパ

          ステンレス

          歯車

          ゴー ゴー ボウっと光る山から音がする 砕けた橋と風の荒野を越えた グワーン グワーン 音が大きくなっていく 地面が振動するほど 耳が痛い ドゴー ドゴー 光の山が見えた たくさんの星がおりかさなっている 眩しくてもう目がきかない 手探りで1個ひろって 森に逃げた 手をひらく よわよわしい光 スー スー 寝息? 地面におろした コホン コホン 大丈夫? サーカス団が来たらおこして おやすみ OK… ここは… スー スー 立ち上がる

          ぽーん

          そっと足に力を入れた 思った以上に体がふわりと持ち上がり 浮かんだ 高くへ 星たちはみんな他人だけど 生きている クルクルまわった みんな微笑んでいる

          ぽーん

          ウィーンギギギキーンシュー

          知らない場所に着地した 赤土の音 ザザザザ 緑の茂った低木が 私とシンクロ なびいてる はじめまして さようなら あなたの方が時計が遅い 私の影を残していくね 嘘よりホントに思えるように

          ウィーンギギギキーンシュー

          さあ

          ここを出るから今こうしているんだ 夜が明ける前に その前に 気にかけてくれる優しい言葉が 透明な朝日や真っ白な雪にさらけ出されないように 今ここから逃げるんだ