見出し画像

#025 推敲はボールペン

 そうと決めている訳ではないが、推敲作業の際は黒インクのボールペンを使うことが多い。
 原稿を書くときは、心も脳も自由に遊んでいる。勝手気ままに書く。自分が思っていること、考えていることを紙の上に文字として表す。多くの場合、それは文章になってはいない。まさに原(始)稿。その原稿が、推敲により文章らしきものとなってゆく。流れは整っているか。テーマは絞れているか。独りよがりの文章になってはいないか。
 推敲のときは、原稿を書くときのようには脳は遊んでいない。校正作業ほどには機械的になってはいないが、ある程度の緊張感をもって分析活動をしている。そんなときは、万年筆よりボールペンの方が集中力が高まり、気分の乗りがいい場合もある。万年筆をボールペンに持ち替えることで別のスイッチが入るのかもしれない。
 今日はどのボールペンを使おうか。
 机の引き出しの中には、自分でも驚き、呆れてしまうほどのボールペンがある。選びながら推敲のスイッチが入るのを感じる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?