見出し画像

#048 JOURNEY製のペンケース

 私は絵を描くとき、黒色のインクで描くか、それともセピア色のインクで描くかを先ず考える。通常は黒色で描くが、時に黒の強さが気にかかるときがある。少しほんわかとした雰囲気にしたいのだが…というときはセピア色にする。
 特殊なペン先調整をしてもらった3種類のカクノで絵を描く。1本は角度を30度に曲げてもらった「ふでDEまんねん」風のもの。1本はEFを少しだけ細くしてもらったもの。そして、もう1本はUEF(ウルトラEF・超極細)だ。その3種類のカクノを2セット持っていて、1セットにはプラチナカーボンインクのブラックを、もう1セットには同じくプラチナカーボンインクのセピアを入れてある。そして、黒色のインクが入った3本のカクノは黒色のペンケースに、セピア色のインクが入った3本のカクノは焦げ茶のペンケースに入れてある。
 そのペンケースはJOURNEY製のもの。これが3本のカクノにジャストサイズ。収納時、3本のカクノは身動き一つせず静かに収まってくれている。紐を外せば3本のカクノを一度にザクッと取り出すことができる。この「取り出されっぷり」は見事で、実に気分がいい。
 JOURNEY製のペンケースは革もいい。プエブロというものだと思う。プエブロとは、イタリア・トスカーナ州に10世紀以上にわたって受け継がれてきた「バケッタ製法」と呼ばれている伝統的鞣し製法で作られている、とても魅力的な革だ。高い牛脚油でゆっくりと加熱しながら時間をかけて植物タンニンと一緒に鞣すとのこと。手触り感や経年変化を楽しむことのできる革でもあり、私の好きな革の一つだ。

 JOURNEY製のペンケースには緑色のものもある。ああ、いいなあ。使ってみたいなあといつも思う。でも、緑色のインクを私は使っていない。この際、JOURNEY製の緑色のペンケースを使うために、緑色のインクを使うことにするか…… ⁉。
 本末転倒である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?