長ブーツの笠村

大学生 読書記録

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最近の記事

完成された人間とは

東京はまだまだ暑さに苦しむ夏が続きそうだが、9月1日から実家に帰っておりなかなか快適な日々を過ごしつつある。 加藤シゲアキ作「チュベローズで待ってる」二部作を読んだ。彼の著書を読むのは初めてで、私はアイドルに関して全く知識がないため著者のことは詳しく分からない。しかし作品はミステリ要素は軽めとは言え、社会を風刺したような面白い作品だったと思う。 就活に失敗した大学生が就職浪人をしながら、家族を養うためホストを始める。そこで出会った客が、就職浪人をする原因となった最終面接官

    • 美しさの個性

      逸木裕の 「星空の16進数」を読んだ。 比較的新しい作家らしく、デビューしたのは2016年だという。2016年というと私は当時中学2年生であるから湊かなえさんあたりの社会派ミステリを読み漁っていた頃だろう。 星空の16進数は色をテーマにしたミステリー作品である。作中にも16進数のカラーコードも用いた表現や、色の和名、登場人物の名前に組み込まれた色、エコール・ド・パリなどの芸術作品も登場し様々な描写が鮮やかに描かれている。 文章はとても読みやすく二人称レギュラー(発話者も登

      • 東京の異常気象

        7月も終わり、猛暑で辛い。こんなにもクソつまらないと思う講義は久しぶりだ。どこかで聞いたことだが、クソつまらない講義に出会った時どこがどうつまらないか批判できるように聞くと幾分かましに感じるらしい。批判点を探しながらこのノートを書く。これが必修なのは地獄だ。 私は文学部史学科で日本史に関しては避けられない分野なのだが、今日まだあと90分が一コマ待っていると思うと耐えられない気分である。100人以上入る大教室の3列目に座っているのに黒板の字は米粒のようで何も見えずこの教授は本当

        • 恩田陸 4作 読了

          読んだことを記録しておこうと思う。 猛暑である、夏は緑がみずみずしく、緑のある少し田舎のドライブスルーがあるようなスタバの路面店で読むことが多い。 ここには、最近読んだ恩田陸さんの作品を置いておく。 7月になって読んだ恩田陸作品 蜜蜂と遠雷 木洩れ日に泳ぐ魚 六番目の小夜子 鈍色幻視行 夜果つるところ この5作。いや作中作なので4作かな。 読んだ順番ごとに記したが、きっかけとなったのはサークルの読書会で蜜蜂と遠雷を読むということになったからだ。それまで恩田陸の作品には触れ

        完成された人間とは