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Fender LEAD2の更なるDuo-Sonic化 #コスプレ
Duo SonicをモチーフとしたオリジナルLEAD2のコスプレについては、既に一度記事としてまとめておりますが、この度コスプレレベルの底上げに挑みましたので、改めて新記事としてご紹介いたします。
Fender Duo-Sonic
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45784815/picture_pc_c5254ff290b8bf3637795f1b7b3723d8.jpg?width=1200)
Duo-Sonicは1956年に発売開始となったFender社のソリッドエレクトリックギターです。Telecaster(Esquire、Broadcaster)、Stratocaster、そしてMusicmasterに続いての発売でした。MusicmasterとDuo-Sonicはどちらも所謂スチューデントモデルとして位置づけられており、搭載されているピックアップ数(Musicmasterはフロントのみ)以外の仕様は共通しています。ネックはメイプル1ピースでスケールは22.5インチのいわゆるショートスケール、ピックガードはゴールドアノダイズド、ブリッジはハードテイルのフロントローディングタイプで、サドルはTelecasterと共通の3Wayとなります。
フロント・リアのピックアップは逆巻・逆磁極でミックスポジションでは直列接続となりハムノイズはキャンセルされます。Duo-Sonic以降にも、JazzmasterやJaguarなど2つの逆巻・逆磁極ピックアップによりミックスでハムキャンセルとなる仕様のギターは発売されますが、それらは並列接続です。
1959年には仕様変更が行われ、指板はローズウッド、ピックガードは塩化ビニールになりました。
その後Duo-Sonicは、1964年のMustang発売の際にボディー等を共用する形で仕様を変更し、名称もDuo-SonicⅡとなり1969年頃まで販売されたようです。なお、兄弟機種のMusicmasterは1964年に同様のプロセスでMusicmasterⅡとなり、その後はピックガード形状等をBroncoと共用しながら、LEAD Series発売開始後の1980年頃まで生産を継続しました。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45860899/picture_pc_b2ca384c4566198dc7a259b87dac51f3.jpg?width=1200)
上の画像はFender社の特許で、弦楽器のピックアップ・配線に関するものです。逆巻・逆磁極のシングルコイルピックアップ2つをPOTで直列にミックスするという配線は、同社のスチールギターであるStringmasterに採用されており、その後Duo-Sonicにも応用されたものと思われますが、Fender社の他のソリッドエレクトリックギターには採用されておらず、その理由は不明です。
Jimi Hendrix
Curtis Knight & The Squires' first single, "How Would You Feel," was based on @BobDylan's "Like A Rolling Stone." pic.twitter.com/ACtLJjWh5A
— Jimi Hendrix (@JimiHendrix) March 25, 2015
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45826590/picture_pc_fa731315ef89b2422c304a2d99ee66bf.png?width=1200)
今回のコスプレは、1959~1964年頃の仕様をモチーフとしています。この仕様のDuo-Sonicを使用していたアーティストとしてはJimi Hendrixを挙げないわけには参りません!Jimi名義のTwitter上に上げられた画像では1963年頃のものと思われるサンバーストフィニッシュのDuo Sonicを抱えています。Jimiはこの他に、ホワイトフィニッシュでホワイトピックガードのDuo-Sonicも所有していたようです。
概要
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46065725/picture_pc_353b254cee4908007a0ead5eb0a76d86.jpg?width=1200)
コスプレの概要ですが、ペグ、ピックガード、ブリッジ、ピックアップ、ボリューム・トーンノブの換装、ワイヤリング改造となります。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46095008/picture_pc_6a52783cd5956bcc0725fc72b24738f0.jpg?width=1200)
以前と比較して、外見的にはリアピックアップの搭載角度が最もわかりやすい違いとなります。外見ではわかりにくい、ピックアップとワイヤリングの変更についての詳細は後述いたします。
ネック・ペグ
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46066592/picture_pc_a6e0ad33e86c7668685fe6b6bd069095.jpg?width=1200)
Duo-Sonicには、白いプラスチックノブのクルーソンデラックスが搭載されていました。今回のコスプレでは現行ムスタング用のFキー白ノブを搭載しました。木部無改造で載せられるため採用したわけですが、ノブの形状が角ばっているとはいえ遠目には似ていると思います。
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46067020/picture_pc_2ff626bbaa0b69c51ae61842cc52bdac.jpg?width=1200)
また、ポジションマークですがDuo-Sonicではクレイドットであるのに対し、こちらはホワイトドットとなっております。並べてみるとその違いは結構わかりやすく、色のみならず質感も含め異なります。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45836563/picture_pc_ab18a17d8e68ffd9d8f68edfa5777785.jpg?width=1200)
上はペグ単体の画像です。ノブが白いプラスチック製である以外は、現行の70s F Style Stratocaster®-Telecaster® Tuning Machinesと同じであるように見えます。
ピックガード
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45762446/picture_pc_3879ad1727d403334acab339cabc9c6c.jpg?width=1200)
ピックガードはホワイト1プライの材で、LEAD2用のテンプレートを用いて作成してもらいました。ただ、リアピックアップのスラント角度をDuo-Sonic同様ブリッジと平行にするべく、ピックアップホールの角度を変更しており、1弦側がLEAD2よりもややネック寄りとなります。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45836317/picture_pc_14bae60ca2a0f4807e8db47cb78c1ba0.jpg?width=1200)
LEAD2のリアピックアップキャビティーは、ボディーをLEAD1と共用しているため大きめの四角形となっており、ピックアップの搭載角度変更は容易です。
ピックアップ・電装系
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45790932/picture_pc_b6f283a95d766dd1a04b344d1e46f6ab.jpg?width=1200)
ピックアップにはクロアチアのメーカー、Q pickupsのMustang / Duo-Sonic pickups SETを採用しました。ポールピースはボビン上面と並行でマグネットはアルニコ5、フロント用とリア用で逆巻・逆磁極となっており、Duo-Sonicのようにミックスポジションでの直列接続を可能とするため、こちらの記事のようにフェイズセレクターをパラレル/シリーズセレクターとして活用しています。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46065938/picture_pc_5572488591ec7d55f71d30dd44102859.jpg?width=1200)
ボリューム・トーンノブにはFENDER社のPure Vintage '58 Telecaster Knurled Knobsを採用。ピックアップカバーにはDuo-Sonicに搭載されていた茶色のものが入手困難であるため、ムスタング用の黒を採用しています。スイッチですが、Duo-Sonicに搭載されていたものとは外見的に似ていることもあり、元のものを流用しています。POTやコンデンサにも変更はありませんが、手持ちのPOTにソリッドシャフトのものがなかったため、上の画像の通りPot Brass Sleeveで対応しています。
ブリッジ
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46066344/picture_pc_9fc2186d93e8bde68fe8729de957ede3.jpg?width=1200)
Duo-Sonicのブリッジベースは、折り曲げ加工されたトップローディングタイプで、同年代のTelecaster同様に3ウェイの所謂スパイラルサドルが搭載されています。
今回はオリジナルのLEAD2にもほぼ無改造で搭載できる、Callaham American Standard Hardtail BridgeのAm. Std. Hardtail w/ 3 Enhanced Compensated Brass Saddlesを採用しました。サドルはFender社の3WayスパイラルタイプであるPure Vintage '64 Telecaster Saddle Kitに変更しています。
残念ながらトップローディングではありませんし、弦の通る穴の位置の関係でサドルがややネック寄りに見えます。
まとめ
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46066583/picture_pc_76f2076adeb2ac00850dfed860143bc7.jpg?width=1200)
今回外見をDuo-Sonicにより近づけるため、リアピックアップをブリッジと平行にしたわけですが、これによりDuo-SonicとLEAD2の類似点の多さが浮き彫りになりました。
ピックガードにマウントされた2つのシングルコイルピックアップに1ボリューム1トーンとピックアップセレクターそしてアウトプットジャック、ハードテイルブリッジの採用と枚挙に暇がありません。
一方で、ネックスケール(Duo-Sonicの22.5インチに対し、LEAD2は25.5インチと3インチの差がある)、ブリッジ部の弦の固定(Duo-Sonicはトップローディング、LEAD2は裏通し)、ブリッジサドル(Duo-Sonicは3ウェイ、LEAD2は6ウェイ)、リアピックアップのマウント角度(Duo-Sonicはブリッジと平行、LEAD2はフロントピックアップ同様のスラントマウント)など、異なる点ももちろん存在します。
![プレゼンテーション1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/46164249/picture_pc_1f54b22a5ceddc3cd4a17ead82e6a983.jpg)
今回Duo-Sonicに外観を近づけた中で、リアピックアップのマウント角度については、前述の通りノーマルのLEAD2と比べ1弦側がややネック寄りに位置することになります。これによる音質への影響(リアピックアップ選択時特にプレーン弦で基音と倍音の割合が変化)はあるとは思います。ただ、交換したピックアップの直流抵抗値が低め(5.7~8kΩ)である影響が大きいのか、オリジナルのLEAD2と比べると出音は全体に高域が多めでキラキラした感じであり、あまりマウント角度変更の影響は感じ取れません。
Duo-Sonicの内部構造を真似した部分である、ミックスポジションでの直列接続については、選択すると低域が増しソロ向けの音量・音色となり、繰り返しになりますがDuo-Sonic以外の機種でこの回路が選択されていないことが不思議です。
他にもブリッジ交換の影響等音質に関係するような相違は色々あるのでしょうけれど、それはともかく外観がより近づいたことによる喜びは何よりも勝ります。末永く愛でたいと思います!
【了】
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