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フェルトを手作りする楽しみ

フェルトをつくりはじめて20年。

何が楽しいって、驚きの連続だから。

Wool magicなんて言ったりもする。


私はフェルトをつくるときはいつも余白を残して計画することにしている。

つくりたい形がそのままできてしまってはつまらない。

思い通りになりすぎないから20年続けてこられた。

結果が分からない。だから面白い。


私は、自分の作品について羊毛との対話から作品が生まれると説明する。

これは嘘のような本当の話だ。

フェルトは特別な道具を使わない。

ほとんどが素手で直接的に作りあげる。

最終的な形になるまでそれはそれは大事に、手をかけ続ける。

接着剤で無理やりくっつけたり、高温で焼いたりすることなく、羊の持つ性質をうまい具合に引き出し、そして導き、最終的に完成まで一緒にこぎつけるのである。

だから私は羊毛に無理強いはしない。

直接触れているとわかる。羊毛はこっちには行きたくないんだな。じゃ、こっちはどう?それもいいかもね。

そんな対話をしながら制作をしている。

そして出来上がるのは、いつも私の予想を上回る、いい意味で裏切られた驚きの作品になることが多い。

彫刻作品は出来上がったら数日間、毎日目につくところに置いて、様々な角度から眺める。そして、わぁ~面白いなぁとまるで他人が作ったもののように思うこともある。



羊毛は自由な素材である。

色彩も造形も本当に自由。無限の可能性を持つ素材。

みんなもっとこのフェルトの魅力にはまればいいのになぁと思う。




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