タイムトラベラー

音楽は時空を超える道具。
あの勉強机の茶色い引き出しを開けたら広がる世界、飛び込んでみれば時空を超え、過去にも行ける、もしかしたら未来にまで行けるかもしれない。


8月末、初めてフェス、なるものに参加した。
不審者コーデ(日焼け対策)で暑い中人混みの中をウロウロしていた。
別に曲を知っているわけじゃなかったSUPER BEAVERをなんとなく少し離れたところで見ていた。
「音楽でひとつになろうって言葉は好きじゃない。
 一人ひとりが音楽を通してたまたまひとつになるのがいいんだ」(ニュアンス)
という言葉を紡ぐ渋谷さんとリハーサルから音を紡いで会場を沸かすメンバーに惚れてSUPER BEAVERの曲を意識的に聴くようになった。
Spotifyのシャッフル再生で「名前を呼ぶよ」を聴いて、紡がれる音の美しさと泥臭さに恍惚していた。

「アイラブユーが歌いたい。愛してる。愛してる。」

次の曲、イントロからサビまで、このフレーズを聴くまでじわじわと私を包んだのはあの日のフェスの記憶だった。学校までの道、青い空と稲に囲まれていたはずなのに、気がついたら私はぐちゃぐちゃになったたくさんの人達が手を上げて、たまたま同じように音楽に乗っている姿に囲まれていた。

同じようなことは何度かある。例えば

留学中、毎朝自分のロッカーまでの道に聴いていたLife gose onに関しては
今聴いてもキャンパスのあの道が蘇るし、なんなら3ヶ月の留学を鮮明に思い出させてくれる栞のような存在だ。

冬になると聴きたくなる曲は
顔が刺されているような感覚に陥るところも、うまく動かない足の感覚も鮮明に思い出させてくれる。
今年の夏は冷房に当たりながら、冬に触れていた。
でも、本物の冬と冬曲の調和に勝るものはない。

にしても、今年の冬は非常に寒い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?