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モノからコトのこと

先日のこと、お取引のあるショップのオーナーが新たにお店を出されるということでお話を伺ったのですが、今までなんとなく”ようわからんな”と思っていたことが腑に落ちた、という話です。

このご時世に新たにお店を出されるその方は、トレラン界ではよく知られている方で、お付き合いさせていただくようになったのも、FEELCAPが立ち上がった1年ほど前からです。

その方曰く、
「これからは物販で利益をあげていくことはもう無理だと思っています。」「これだけネットが発達しているとどこでも買えるようになって差別化は難しいし。」
「雇用を守って、家賃を払って利益をあげるなら、00%の掛け率でないと無理(←これは卸やスポーツメーカーが絶対に出せない率です、、、)ですね。」

ではなぜ、店を出すのか聞いてみると、
「トレイルやランニングの走り方を伝えるような場所を作って、それに付随するようにモノを販売していくようにします。」
「商品数が多いことはもう”売り”にはならないので、商品数を絞って、本当に自分が納得したものだけを取り扱いたい。」

で、今回なぜ僕が呼ばれたかというと、そのお店の別注を制作してほしいというお願いで、聞くと驚くような纏まった数量を計画しているのです。

アパレル界隈では”モノではなくコトを売れ”とか”サステナブル”とか言われているのですが、売らんがためのすごーく浅い考えと僕は懐疑的に思っていて、(そんなもん、誰が買うねん)冒頭の”ようわからんな”というのがまさにこのことなのです。

”消費者はもはや特殊な有用性ゆえにあるモノと関わるのではなく、全体としての意味ゆえにモノのセットと関わることになる”(ボードリヤール )

成熟した社会ではますますこの傾向が強くなっていくと個人的に思っていて、そうなると、アパレルメーカーが作るモノ発信ではもうどうにもならないというか、コミュニティーの中におけるモノに完全に負けてしまうことになってしまうかな、と思っています。

今回、川下(ショップ)にいる方のリアルな意見を聞くにつれ、やっぱり

”事件は会議室で起こっているんじゃない!現場で起こっているんだ!”(青島俊作)

と思った次第です。(やっぱり現場に行かなあかんなぁ)

2021年もどんどん新作出しますよ!

では

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