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わが子の交友関係を歓迎できるか否かの分かれ道はズバリ「信頼残高」

中間テストが迫ったある週末の夜のこと。
娘トラが私に言った。

(トラ)「明日、Nちゃんは図書館の自習室で勉強をするんだって。
で、トラちゃんも一緒にどう?って誘われたんだけど・・・。」

クラスメートのNちゃんは入学直後の席が隣同士、部活も同じということで意気投合しているとは聞いていた。
私はまだ名前しか知らないのだが、今思えば最初の学級懇談会で私の隣に座った(子の席に着席するよう言われたため)品の良いママさんが、Nちゃんの苗字を名乗っていた。

だが小学生時代は、頭数合わせや保険で誘われることが多かったわが子である。
私はふと心配になり聞いてみた。

(私)「他にも誰か来るの?」

(トラ)「ううん、Nちゃんは元々一人で行くつもりだったみたい。」

(私)「へぇ、一人で行くって偉いね。」

思わず感心してしまった。
ソロで行動できる子は嫌いじゃない。
そういえば懇談会でのNちゃんママも孤高な雰囲気だった。
つい比べてしまうが、いつもグループで群れをなすH親子とは大違いだ。

(私)「じゃぁトラも行けば?」

(トラ)「えっ!行っていいの!?
おかーさん、いつもテスト期間はHちゃんと一緒に勉強しちゃダメって言うから、ぜったいダメだと思ってた。」

そりゃそうだ。
HちゃんとNちゃんとでは信頼残高の差があり過ぎる。
いやHちゃんというより母親(Hママ)のほうに問題があるのだが、どうしたって親子はセットで総合評価だ。
そんなDQN親子が近所にいるばかりに機会損失した交友関係は計り知れず、今こそHちゃんの呪縛から逃れるチャンスではないか。

トラは一瞬、「HちゃんがダメなのになぜNちゃんはいいの?」と言いたげな表情を見せるも、よほど嬉しかったようでいそいそと明日の準備を始めた。
その疑問をもう少し追求しろよと思うが、もとより深堀りするタイプではないのが残念というか羨ましいというか。

(私)「図書館に行けるってこと、Nちゃんに伝えなくていいの?」

(トラ)「Nちゃん、両親が厳しいらしくてスマホもキッズケータイも持ってないんだって。」

ますます気に入った。
Nちゃんはきっといい子に違いない。

そんな些細な情報でバイアスをかけるなんて我ながらステレオタイプだと思うが、直感って侮れない。
むしろトラの方がボロを出して敬遠されぬよう気をつけておくれ!

・・・と言いたくなるほど好イメージな、まだ見ぬNちゃんなのだった。

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