見出し画像

新型コロナウイルスのワクチンを世界規模で輸送すること

2020年は困難と混乱に見舞われましたが、今、多くの人が世界規模の復活に向けてワクチンに大いなる期待を抱いています。 新型コロナウイルスの感染拡大を収束させるために重要な、ワクチンの輸送には何が必要なのか。フェデックスは、グローバルな物流企業の1社として果たすべき重要な役割があると考え、ワクチンの輸送準備を整えています。

ワクチンによって、経済やビジネスが回復するだけでなく、地域社会や社会全体の復興も促されることから、フェデックスは、人々が精神的にも物理的にも力強く立ち上がれるような貢献を積極的に行っていきたいと考えます。 しかし、ワクチンを輸送する上で、その規模、技術的側面、また手続き要件においても、この業務は非常に複雑になります。

世界規模のワクチン輸送は、我々の挑戦

ワクチン開発の後、次のタスクは、研究開発の現場からエンドユーザーまでワクチンを運ぶグローバル・サプライチェーンを構築し管理することです。現在開発中の新型コロナウイルスのワクチンは150種類を超え、世界中に届けられるワクチンの数は100億本と推定されており、 このワクチンを輸送するには、出発点から最終目的地までの間に、非常に厳密な温度管理が必要になるのです。

フェデックスは、自社の輸送ネットワーク、テクノロジー、医療・製薬業界に関する知識と輸送経験を広範囲に組み合わせて、これに対応しようとしています。ただ、輸送は複雑な物流チェーンにおけるひとつの連結点であり、今回のような規模の挑戦には、革新的な貨物の保管およびデータ管理ソリューションが必要になります。フェデックスも迅速にデジタル化の取り組みに投資し、テクノロジーを充実させてきました。フェデックスのネットワークは、専門のチームによる温度管理ソリューションやリアルタイム貨物追跡サービスも提供します。

輸送の要は温度管理

ワクチンは輸送の過程でその一本一本を厳しく温度管理しなければなりません。新型コロナウイルスワクチンは、投与までの間にマイナス80℃もの低温で保存する必要があり、たとえ短時間であっても所定の温度帯を逸脱すれば、そのワクチンは使用できなくなるリスクが高くなります。 世界保健機関(WHO)のある研究では、毎年全世界で最大50%のワクチンが無駄にされているとされ、その主な理由には温度管理がなされていないことと、低温度管理輸送を途切れずにサポートする物流体制がないことが挙げられています。 我々は過去3年間に、グローバルネットワーク全体で国際温度管理輸送サービス施設を10か所増設しました。 現在このような施設は世界各国で90か所を超え、さらに増やしていく予定です。ワクチン輸送に対しては、温度管下での輸送能力を拡充するため、低温貯蔵ソリューションの組み合わせを探っています。

画像1

国際協力が不可欠

輸送業務以外のポイントとして、ワクチンを目的地に確実に届けるためには、複数のステークホルダー間で高度な協調と協力が重要になり、医療専門家による指導も必要です。 ステークホルダーには物流業界のプレイヤーだけでなく、製薬会社、政府、医療従事者も含まれます。ステークホルダー全員がひとつの共通した目標に向かって結束して協力することが求められるのです。

成功するための準備

新型コロナウイルス感染拡大によって、物流業界は大変重要な学びを得ました。世界的危機の中で緊急貨物をいかにして運ぶか、ということです。 フェデックスは、パンデミックの中で必要不可欠なサービスを提供し、回復をサポートするため、新型コロナウイルス感染症の症状を和らげる人工呼吸器、個人防護具、検査機器などの救命機器や必須となる医療用品の配送を続けます。そして現在我々は、政府機関や医療関係のお客様と密接に協力してワクチン配送計画を立てています。

現在、輸送および配送を取り巻く環境はこれまでにない変化を遂げつつありますが、我々の輸送ネットワークにワクチン輸送の経験を加え、計画とリソースを整備することで、この変化に備えることができると考えています。そして、その方法論だけでなく、その目的に注力し続けることが大切です。フェデックスは世界経済の回復に貢献することに加え、世界中の地域社会や社会全体のために、近い将来の利益に貢献していきます。

フェデックスのグローバルネットワーク、輸送ソリューションはこちら

この記事は英語版でもご覧いただけます