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石田淳著(2021)『成果を上げる行動変容 無くならないミスの無くし方』日経BP

ミスの防ぎ方が簡潔にまとめられている

本書を手に取る人の殆どは、部下や同僚のミスなどに辟易している人が多いのではないだろうか? わたしもミスの許されない職場にいるので、毎日ピリピリとしているときがある。

本書は、行動科学をもととして、人間が間違いやすい認識等をちょっとだけ見直すだけで、随分と行動に変化をもたらすことができ、結果的にミスの発生を少なくする手立てを平易な文章で語っている。そのため、本の厚さが気にならないくらいにすっと理解でき、いつの間にか読み終えているというのが実感である。

例えば、あいまいな言葉というものを日々使っているけれど、それがどうあいまいなのかというのが指導者や上司は理解できていないと本書を読むと気づくだろう。また、ミスが発生した時の反省文や報告で、スローガン的な表現が使われ、具体的な行動を示す言葉が書かれていないものも多いことに気づくのかもしれない。

最後に簡潔にミスをなくすための事例が掲載されているのは、更に理解の促進につながって良い試みだと実感できる。

本書を読んで、中身が薄いという人もいるかも知れないが、本書で語られていることを実際に具体的に自らが所属する組織に落とし込めば、それからは大きなミスは格段に減るのではないかと思う。問題は、これを読んだ人が実際に実用に向けて行動できるかにかかっているのかも知れない。


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