見出し画像

#67.お年玉騒動(母/娘) ※加筆



ーー
ーーー
ーーーー
ーーーーー

「梨紗?聞いてるの?」

 「聞いてる。もういい。翔太と涼太が見てる」

「なら答えなさい。新年早々なんでこうなってるか」

  「翔太、涼太!あっち行ってて」

「ちがう!」
 「…痛っ!!」

「分からないなら翔ちゃんと涼ちゃんに教えてもらう?」

  「嫌」

「なら意地張ってないでお尻叩かれてるのなんでか言いなさい」

 「お尻とか言わないでもう!」


「…もういい。翔ちゃん涼ちゃん教えて?どうして梨紗はこうなったの?」

 「梨紗ちゃんがおばさんに怒られてる理由?」
 「梨紗お姉ちゃんがおしり叩かれてる理由?」

  「ばかっ変なこと言ったら承知しな…」

ぱぁんっ!

 「いっ!!」

「もう梨紗には聞いてません。黙ってなさい」

 「ん。えっと、お年玉のこと?」
 「梨紗ちゃんがおとしだまこれだけ?っておばさんに言ったこと?」

「そうね、正、解!」

 「ったぃ!痛い。っつ…」

「ほら梨紗。歳下の子達の方が分かってるじゃない。お母さんの膝にうつ伏せになる理由!」

ぱちんっ!

  「痛あっ!!」

 「おばさん、梨紗ちゃん家って悪いことするとこうなるの?」
 「おひざで叱られちゃう?」

「そうよ、梨紗にはこれが一番よく効くの」

  「やめて、変なこと言わないで!もう分かったから!」

「今更謝っても。おーそーいっ!」

 「痛っ。あぁっ!あんっ!!」

「悪さしてっ!お尻がっ!こうなるっ!ことくらいっ!知ってるっ!はず!でしょ!」

  「んん痛…痛い痛いっ!いったい!ってば!」

「当たり前」

  「もう分かったって言ってんじゃんか」

「何がわかったの、翔ちゃんと涼ちゃんに理由教えてもらった子が」

 「っ。、や、」

「はぁ…。」


 「んむぅ。…てか翔太涼太!みてないであっち行って!外にでも行ってなさい!とにかく!此処にいないで!」

「こら」

パァンッ!

 「あぐっ?!」

「なんてこと言うの!」

ぱぁんっ!ぱぁんっ!
ぱぁんっ!ぱぁんっ!

  「んんいだい痛ぃ!ごめっ!ごめんなさ」

「その言葉出るのに何分かかってるの!」
 「待っ。ほんとやだ。ねぇお母さんっ」

「甘えた事言わない!」

ぱちんっ!

 「きゃっ!」

「こういう時だけお母さんなんて呼ぶ。」

 「…だって。痛いんだもん。…おしり」

「さすらない」

 「っ痛…」


「…はぁ。仕方ない。そんな子は見てもらおうね」

 「はっ!なんでよ!なんで引っ張んの!ま、まさかズボン下ろす気じゃないよね?!」

「いつもこうでしょ」

  「やだやだ翔太いる!涼太いる!!ねぇ」

「なら変な意地張らないで始めから大人しくし」

 「やめてお願いそれだけは嫌!脱がさないで」

「いけません。手をどかしなさい」
 「嫌ッ!」

「どけなさい」
 「やだって言ってる」

「なら手叩くよ」
 「その方が100倍マシ!」

「せめて歳上らしいところを見せなさいよ」

 「あっホント待って!ねぇやだ!ヤダってば」
「だめ」

 「嫌!いやぁ!!」

ズルンッ


 「…!」
 「梨紗ちゃんの、おしり…」

  「む、無理!無理だから!!」

「手を焼かせないで梨紗」

 「やだ、やだ!!」

「梨紗ッ!!!!」





「…」

 「もうありえない。馬鹿、ほんと、もう…」

「梨紗、今からは本気でお尻するよ、いいね」

 「よくないって言ってもやるくせに」

「梨紗」

 「なに」

「お尻みられて恥ずかしいね。あんまり不貞腐れてるずっと終わんないよ」

   「…やるならやればいいじゃん…」

「言われなくても」

スッ…

 「…っ!!!」

ヒュンッ


ーー
ーーー
ーーーー
ーーーーー
ーーーーーー
ーーーーーーー

ぱぁんっ!ぱぁんっ!!!

 「お母さん!!お母さんん!痛い。いたいい!ごめんなさい。ごめ、んぁさい!!」

「梨紗!お尻にげるな。こら脚。手はお尻じゃないでしょ!年明け早々。まったく」

 「ねえお願い!むりホントにヤダ!いつもより痛い!…痛い!!」

「だめ。もう少しするよ」
 「やだ!」
「やじゃない!」
 「いッたぃ!」

「なんて言うの」
 「さっきからごめんって言ってんじゃん」

「ほんとにそう思ってる子からはそんな言葉出ません、まだまだかな」

 「ちがっ、ごめんなさぃ!ごめんなさ…もう充分。充分!充分です!!ねぇーえ!…」

「それは梨紗が決められることじゃない」
 「いぅ、…!!!」

「翔ちゃんと涼ちゃんに謝りなさい」

  「…。」

「1」

ぱぁんっ!

「…っ!」

「2の」

ぱぁんっ!

 「…っう」

「3!!!」

パァンッ!!

 「嗚呼っ痛ッい許してぇ!ごめんなさいぃ!!」 

 「(梨紗ちゃん…痛そう。赤い。)」
 「(梨紗お姉ちゃん…おしり…じたばた。)」



「はい。いいわ」

  「…」

「おしまい」

  「…ぅぅ」

「翔ちゃん涼ちゃん。お仕置き見ててくれてありがとね。お陰で梨紗もちゃんと謝れた。お年玉お母さんに渡してらっしゃい」

 「う、ん」
 「そうする」



「梨紗、もう居ないわよ。よく頑張ったね」

 「…」

「おいで」
 「…なんで翔太たちの前でやんのさ」

「反省してないな?もう一度お尻かな、これは」

 「うっ」

ここから先は

786字

¥ 777

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?