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#70.宅飲み翌日の会話 ※加筆


@大学構内食堂

「そいやーさ。あんたこの前愚痴ってたあれ何?」

「何?あれって?」

「えっ。覚えてないの?」

「全然」

「まー相当酔ってたし。無理もないか」

「嘘、私?酔ってた?」

「2人で呑んでたんだからあんた以外誰もいなかろうが」

「えぇ…。記憶皆無。なに愚痴ってたんだ?わい」

「愚痴るっつーか、なんていうか」

「何?言いづらいの?」

「ってか真面目に?マジで何も覚えてない系?」

「うん。普通に。ってかそんなぼかし必要?えぇなになに怖ぁ」

「えぇ…」

「意味わかんなすぎて逆に面白くなってきた」

「いやいやウケないウケない」

「ほんとに?私、変なこと言っちゃった?嘘だぁ」

「ほんとに覚えてないんだね」

「だからそーいってんじゃん」

「んじゃまー。。単刀直入に聞くけど」

「うん」

「パンツのお仕置きって何?」

「ゔぉふ」

「は?なに茶ぁ吹いてんのw」

「げほっ、げっ。はい?そんな事言うわけないじゃん」

「言ってたよ」

「言ってない!」

「言ってた」

「言ってないって」

「…」

「し…知らない、知らないそんな事!」

「はぁ?」

「無い無い、酔っても言わない」

「まだ思い出さないか。んじゃまあもうちょい続けてやんよ」

「まだあんの?!」

「この世でいちばん嫌いで、痛くて、今でもされたら泣き散らす自信しかないとか何とか」

「あああ、もういい、やめてやめて!」

「まだ続きが」

「ほんとにいい!要らん」

「何なんださっきは教えろってしつこかったのに」

「マジごめん。…その話さ。」

「はいはいしゃらっぷね」

「…」

「…」

「はーぁ。…あたしそんなこと喋っちゃったか」

「呷(あお)ったかと思いきやいきなり愚痴りだして。初めは何のこっちゃ分からんかったわ」

「あぁ…」

「まあ途中からだいたい察したけどね」

「…お願いです。忘れて下さい本当にお願い」

「無理」

「えぇ?」

「だってあんな立て続けにクソだの意味不だの無理だの親貶(けな)してたら流石にね」

「オワタ…やってしまった」

「だね」

「あんなに飲まなきゃよかった」

「んだ」

「まさかこんな所で露呈するなんて…」

「確かに」

「私のキャンパスライフ、これにて閉幕!お疲れ様でした。」

「はいちゃんちゃん」

「おいこら少しくらい手差しのべろい」

「んな事いわれても。このご時世ケツ叩きされてる奴なんて居ると思わねえよ昭和か」

「あぁーもう!その単語ホント嫌いホントクソ糞みんな糞」

「んだと?もういっぺん言ってみろ」

「ごめんて。」

「嘘だよ」

「あの、、」

「何?」

「私まだ変なこと言ってた?他に」

「例えば?」

「その。。縁台でされた、とか」

「おお、他に?」

「んー、終わってグズってたら丸出しのまま外出された、とか」

「ふーん、もう一丁」

「お杓文字使われてギャン泣いたとか」

「あーね。」

「ねーちょっと!!」

「ん?何」

「何笑ってんの!聞き出したいだけでしょ」

「そうだよ?」

「おいふざけんな」

「そんな事もあったのねー、お猿さんは」

「はぁ?どういう意味」

「そのまんまよ、見てたんでしょ?」

「何を」

「尻を」

「誰が!」

「自分で、鏡で」

「ぐふっ。…そんな事まで喋ったのか私…」

「喋った」

「昨日の自分を殴りたい。流石におばか過ぎる」

「まだ言ってたよ」

「…」

「聞く?聞きたい?」

「聞きたくない」

「あーそう、なら別にいいけど」

「ぬぅ…」

「ん?」

「おしえてください」

「心変わり早っw聞きたくないんでしょ?」

「い、一応ね?念の為だから」

「どゆいみ」

「確認したいだけ、だから」

「なんの確認」

「事実か。どうか」

「んじゃ羅列する」

「はい」

「生尻」

「ぅ…」

「これ事実?」

「じ、じつ」

「失禁」

「ぅぐ!」

「これ事実?」

「は、い。」

「門限破り帰宅後玄関片膝立ちで」

「げっ!げっ!そんな事も言った?!」

「へー事実っぽいね」

「…ぁー。」

「仮病使った時にされたのは見られちゃったらしいじゃん?その日の配布物渡しに来てくれた友達とやらに、これは?」

「……。」

「これも事実ですね」

「はぁぁぁ……」

「結構スパルタな親だったんだね」

「そうなのよ。」

「ま、サシで良かったじゃん、宅飲み。私以外は知らないよきっと」

「いいんだかよくないんだか」

「とりあえず今日も私ん家来なよ」

「え?どうして」

「決まってんだろ」

「何を?」

「お仕置きすっから」

「はぁ?!何で?」

「何でも噛んでも無いよ、あんたまだ未成年だろ?」

「だって、今更そんな」

「じゃあ何?未成年はお酒呑んでいいって教えられた?」

「いやいや無理だから、そんな冗談笑えないし。それにあんただって」

「残念でしたー、私は浪人してまーす」

「えっ」

「こんだけ近くにいて知らなかったの?悲しいわー。ほんと悲しいわー」

「嘘でしょ、今あんた20なの?」

「そうよ?とっくにね。言っとくけど私お酒進めてないからね?ソフドリにしとけって忠告聞かずに酔い潰れた挙句ケツペンの話自分から話し出したかんね」

「騙してたの。ひど、何もかも酷。友達だと思ってたのに」

「友達だから忠告したんだけど。警察行きたいの?」

「うっ…」

「嘘だよ、いい加減慣れろこのノリ」

「今の口調ガチやったもん」

「ふふ、警察に突き出すのは嘘ですがぁー?」

「な、何」

「お仕置きは確定だかんね、逃げんなよ?」

「はぁ?!だから」

「講義終わったら私のアパート集合!」

「無理無理」

「無理じゃない」

「じゃあ嫌だ」

「それも却下」

「何でよ!この話の流れじゃぜったい」

「そうだね、お尻痛める位なら安いもんだろ?」

「いやいやあんたマジであの痛さ知らないからそんなこと言えるんだよ」

「ウケるw痛み知ってんのに法犯すとか」

「だからってお尻は不可!別のでもいいじゃん」

「よくないよ、あんたが愚痴ってたお仕置き、子供の頃なんでされたか覚えてないの?必死に耐えながら受けて、ダメなものはダメって教えてもらったんじゃないの?あんたの謝罪や涙の意味は何だったの?」

「…っ!」

「痛いだけの涙かもしれないけど、反省して後悔した涙でもあるんじゃないの?違う?」

「そんなこといったって…」

「大学生だから何しても良いとはならないよ、親の管理から離れて自由だけど、同時に自由には責任が伴うんだから。」

「…ゃだよ」

「だめ」

「だって」

「分かってたよね?初めから」

「え?」

「自分が19歳である事。お酒、アウトだって事」

「そ、そんなの!」

「分かってたよね?」

「そんな事!」

「そのくらいの判別はつくと信じてる」

「も、最もらしいこと言って面白がってるだけでしょ?!どーせあんたの事だもん、今回だってじょうだ…」

「言い訳は膝で聞く」

「ちょ、勝手に進めないでよ」

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