【ドイツ語】「学生牢」ってどんなところ?(ドイツひとり旅) #516
※ 音声はコチラ↓
Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。
先月から新シリーズ:ドイツひとり旅が始まりました。
第515回では、1週間のまとめとチェックをしました。
1.場面説明
特に気になる「学生牢」
今日はハイデルベルク大学の die Alte Universität(大学旧館)を見に来ました。この中には die Alte Aula(旧講堂)、 das Universitätsmuseum(大学博物館)、 der Studentenkarzer(学生牢)などがあります。この学生牢が特に気になります。der Uni-Shop(大学グッズショップ)で入場券を購入できるようです。
2.使えるドイツ語表現
そこで今日の表現です。まずはどのような意味か推測しながら発音しましょう。
あなた:Was kostet eine Eintrittskarte für den Studentenkarzer?
窓口:6 Euro für Erwachsene. Hier ist ein Kombiticket für das Unimuseum, die Sonderausstellung und den Studentenkarzer.
3.単語の説明
Was kostet は値段を聞く表現です。
die Eintrittskarte は der Eintritt(入ること、入場)と die Karte(カード、券)の合成語です。
der Studentenkarzer は die Studenten(大学生たち)と der Karzer(昔の大学などの牢屋、監禁室)の合成語です。
der/die Erwachsene は「大人、成人」という意味です。
das Unimuseum は die Uni(口語で「大学」)と das Museum(博物館、美術館)の合成語です。
die Sonderausstellung の sonder は名詞などに付けて「特別の」を意味します。die Ausstellung は「展示」という意味ですから die Sonderausstellung は「特別展示」という意味になります。
今日の表現を日本語で表すと次のようになります。
あなた:学生牢の入場券はいくらですか?
窓口:大人6ユーロです。こちらは大学博物館と特別展示と学生牢のコンビチケットになっています。
4.文法の復習
für は4格支配の前置詞でしたね。
今日の表現のように後ろに複数の名詞が続く場合は、2回目からは für は省略されます。für を省略しても冠詞を4格の形にすることを忘れないようにしましょう。
4格支配の前置詞については第106回と107回で詳しく説明しました。この機会に他にどのような前置詞があったかも復習するとよいかもしれません。
5.背景知識
学生牢について
ハイデルベルク大学の学生牢には、1823年から1914年まで、夜間の治安を乱すなど公序良俗に反する罪で、学生たちが収監されていました。拘留期間は、犯罪の内容によって2日から4週間だったそうです。
学生牢では厳格な掟や厳しい規制があった半面、その生活は快適で楽しいものであったとも考えられています。むしろ、学生らはここに収監されたことを誇りに思い、自分の名前、似顔絵、それぞれの学生友愛会のバッジを壁に刻みました。学生同士が一緒に過ごし互いに支え合うことで、結束も促進されたようです。牢屋の壁や天井に描かれた色彩豊かな絵画や詩は、今では貴重な歴史的資料となっています。
それから、ハイデルベルク大学の学生牢には著名な収容者が沢山いたんですよ。たとえば詩人のハインリッヒ・ハイネ、哲学者のゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル、作家のマーク・トウェイン、後のドイツ首相ヘルムート・コールなどなど。
いかがでしたか?
何世紀も前の学生生活を垣間見ることができる学生牢は、ハイデルベルク大学の歴史や学生の伝統を知る上でも一見の価値があると思います。
それでは、また明日。
Bis morgen.
Tschüs!
【参考HP】
Studentenkarzer - Universität Heidelberg (uni-heidelberg.de)
Studentenkarzer (Heidelberg) – Wikipedia
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