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#8:子どもたちのあそびの中での心地よさ

[心地よさ]というと、
リラックス、落ち着く、過ごしやすいなどがイメージされますが、

子どもたちも日々遊んでいる中で、
自分たちの遊びやすい、遊んでいて心地よい環境を生み出しています。

僕の勤めている園の公園の近くに、自然がたくさんある場所があります。

そこで遊んでいる時に、
他の子が葉っぱや木登りを楽しんでいる中、
端っこの方で、コツコツと石を運んでいる子がいました。

その子の近くに行ってみると、大人の手のひらサイズの石を
ある高い段のところに、まっすぐきれいに一個一個並べていました。

まるで、お店屋さんの商品がならんでいるような。
不揃いの大きな石が、段にとんとんとんと並べられていて、
石の大きさ自体は不揃いですが、並べ方がすごくきれいで、まっすぐにさーっと並べられていました。

「たくさん並べたねー!」
と声を掛けると
その子は返事をするわけでもなく、ニコッとするだけ。

その後も見守っていると、
その子は、その日のその遊びの時間が終わるまで
ひたすら石を並べていました

石を選んでいるというよりは、並べている時に気を遣って、ゆっくりゆっくりならべている様子。

その時にふと、
この子は
”今自分の遊んでいる環境や、場所の心地よさを生み出そうとしている”
という感覚を覚えました。

大人も自分の部屋だったりに、好きなものを
コレクションしたり、並べたり、ショーケースを準備して、きれいに並べたりすることがあると思いますが、

その感覚に近い。

その子も
その日、石を見つけて、これを並べよう!と思った時に

自分でコレクションして、並べて、眺めて、自分で満足する楽しさ。

発達的視点においても、
持ち上げる、運ぶ、集めるという遊びが好きなのもありますが

あまりにもきれいに並べられているのもあり、

”自分の遊んでいる環境の心地よさを生み出そうとしているのではないか”
と感じます。

意識的か、無意識的かは、また別の話になりますが、

人間の本質に近く、
”子どもながらに自分が満足する場所をつくりだしている”

それからというもの、
”子どもたちにも遊びの心地よさというものが存在する”
と感じながら、他の子を観察していると、

座る場所を考えていたり、
友達と一緒に遊ぶ時の向きを心地よくなるように考えていたり、
自分の好きなものをあつめて、先生に見てもらっていたり。

子どもたちはあそびの中で「心地よさ」をたくさん生み出していました。

抽象的な表現にはなりますが、参考になっていただければ幸いです。

エピソード by あやと


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